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【観光】旅行・観光市場の発展と変化

最近、「進撃の巨人」というマンガにはまっています。
こんにちは。進撃の新小樽少年です。

前回の記事では観光研究は他の学問と多様な接点を持っているということを取り上げました。さらにその前回の記事では観光者の定義に触れ、観光統計の取り方について言及しました。

今回の記事では、観光市場がどのように変化し発展してきたのかを解説していきたいと思います。イイね!やマガジン登録もお待ちしています!

1.旅行の民主化

ドイツでは国民の旅行動向を把握するために「旅行参加率」が採用されています。これはドイツに住む成人(14歳以上)を対象にした5日間以上の休暇旅行の実態です。

1954年時点ではドイツの旅行参加率は24%でした。しかし2010年には75.7%になりました。20人当たり13人が長期旅行に出ているということになります。

これは休暇旅行が高級消費財から標準消費財になったことで、国民の広い社会層に可能となりました。このプロセスは「旅行の民主化」と言われます。「旅行の民主化」は国の発展度を表す指標とも言えます。

高級消費財から標準消費財へと変化した部分に関してはどのような要因があるのでしょうか。経済的な要因だけなのでしょうか。ドイツ人の文化的価値観や、交通網の発達状態などの他の要因も十分に検討できる気がします。

2.観光の裏側にある問題

旅行参加率は1990年代でドイツがヨーロッパの首位に立ちました。しかし、ほとんどの国民が観光可能な一方で、社会経済的・人口動態的格差がありました

例えば2009年時点で、高所得者層の旅行参加率は88%ですが、低所得者層の旅行参加率は57%でした

また学歴と旅行の関係にも同様の結果が出ています。大学卒の旅行参加率が88%に対して、本課学校卒業者の参加率は65%です。

旅行参加率はドイツ国民の人生段階と関連しています。6歳未満の子供がいる家庭は旅行参加率が極端に低い結果となっています。

3.日本の観光戦略

デービット・アトキンソンさんの著書「世界一訪れたい日本のつくりかた」では、欧州でもっともターゲットにするべきなのは「ドイツ人」としています。その根拠とは何でしょうか。

①ドイツは世界第3位のアウトバウンド市場
アウトバウンドとは自国から海外旅行にいく人のことを言います。インバウンドの対義語と言っても良いです。そのドイツはアウトバウンド市場が世界第3位なのです。つまり海外旅行するドイツ人は多いということです。

イギリスやスペイン、イタリアからの対日インバウンド数は0.4%なのに対して、ドイツはたったの0.2%に過ぎません。

1節の理論で基づいて計算すれば、約6000万人のドイツ人が海外旅行に出ていることになります。(2010年時点)

「日本は遠いから、ドイツ人は来ないのだ」なんて思った方もいると思います。では具体的な数値を見ていきましょう。

②タイとの比較
2016年時点でタイを訪れたドイツ人の数は年間で84万人です。
これに対し日本は同時期で18万人にしかすぎません。
いろいろマーケティングやら、観光資源の差異などはありますが、年間インバウンド数を見れば、日本にとってドイツ人は成長市場だと言えます。

日本の観光資源については別の記事で取り上げます。

③課題
この著書で考慮されていないのは、ドイツ人がなぜ日本を選ばないのかという点です。日本は先進国で、交通インフラも整っているはずです。条件的には悪くないはずです。

私はドイツ人が日本を旅行先として選ばない理由は他にあると考えています。それは語学の壁や宿泊施設の問題だったり、いろいろ解決するべき課題が他にあると考えています。

4.まとめ

ドイツは敗戦後、経済成長を続け、旅行参加率を80%近くまでに伸ばしてきました。

しかし旅行が標準的な娯楽になったものの、その所得やバックボーンによって格差があるのも事実です。

とはいえドイツの観光市場はすでに飽和状態とみられ、旅行参加率と休暇旅行の回数は高いレベルが維持できています

この市場に日本はどのように参入していくのか?

そしてコロナウイルスはいつ収束するのか?!
早く旅に出かけたい!!!(笑)

新小樽少年

次回は「ドイツ人の休暇旅行行動の特徴と推進要因」について取り上げます!お楽しみに!!

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(ユーチューバーみたいじゃない???笑)

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