【観光】観光経済とは?①
こんにちは。新小樽少年です。
現在、私は大学4年生で卒業論文の執筆過程にあるのですが、図書館が利用できず、情報リソースに浸ることができないので、とても退屈を感じています。(笑)
今回で連載も第7回になりました。ここまで観光市場にはどのような特徴があり、それを構成する消費者の特徴を概観してきました。
今回の記事では、観光経済が複雑な産業であることを取り上げます。
1.これまでの記事
これまでの記事では観光市場の動向ならびに観光の定義について触れてきました。興味のある方はチェックしてみてくださいね。
2.定義の難しい「観光経済」
「観光経済」といっても一義的に定義をするのはとても難しいです。
なぜなら第1回の記事でも述べたように、観光というビジネスは様々なところにお金が落ちるようになっているからです。
また「グリーン・ツーリズム」などに見られるように、お金だけでなく、環境や生物多様性にも、観光の形態によっても影響範囲が異なってきます。
※ただし環境保全コストは経済学の概念によって算出可能
3.観光経済を3分野に分ける
とはいえ学術研究においては、その意味を定めることが必要です。
そこで観光経済の分析対象を3分野に分けることにします。
①旅行と宿泊に関わる業務を専門とする企業
②観光者をターゲットとした製造業、サービス産業
③観光需要に大きく依拠した場所と時間にあるすべての経済分野
このように観光経済は1つの業態に絞りきることができず、かなり不均衡であることが分かります。
4.観光経済のリスクとその対応
第3節から観光業界は連鎖的な経済分野であるということが分かったところで、観光経済はすこし特殊な分野です。コロナウイルスによっても、多様な業界が影響を受けています。そこに見られる特徴を以下のようにまとめました。
①無形の商品
観光商品はあくまでサービス産業なので、いかにプロモーションを設定するか、お客さんとコミュニケーションを取るかなどの戦略が選択されている。
②先を見据えた可能性
観光産業は実際の需要とは関係なく、宿泊先、飛行機の便を確保しておく必要がある。この不安定さに対応するためにも、業界は早期予約割りなどの稼働率に依拠している。
③同時生産消費
これはサービスの提供と利用が同じ場所で起きることを言う。目的地までの飛行機などのことを指す。この対応は非常に難しい。
④業務のつながりとまとまり
一回の旅行には多くの企業が関わっている。情報提供からサービスの提供など。それゆえ旅行のパッケージ化に加え、その品質管理の重要性が求められている。
5.観光経済の構造
(上図は筆者作成)
観光経済の担い手は、生産者として、それぞれの特化した専門領域でサービスを提供しています。
また近年は新しい情報メディアとコミュニケーション・ツールの導入によって、観光経済の役割を変えてきています。また全ての販売者が商品を直接、低価格で提供できるようになりました。
6.まとめ
観光経済は非常に複雑な産業の連鎖であり、その不安定な経済体制のために、様々な企業努力がなされていました。
今回のコロナウイルスによって観光産業は大きなダメージを受けていますが、それは「JTB」や「HIS」のような代理店だけでなく、他の産業に大きくダメージがあると思えます。
観光だけに依存しない経済政策を整えるのも大事ですが、これだけ不安定かつ最もビジネスになる市場を補完、サポートする政策があっても私は良いと思っています。
新小樽少年
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