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社会人一年目の君へ

実は、あれからかなり時間が経つけど、僕はたいした大人になっていない。夢はまだ叶えられていなくて、今もあの頃と変わらず働きながら、夢を掴もうともがいている。

結婚もしていない。恋はいくつかしたけど、上手くいかなかった。好きだったあの子に再会した奇跡があったのに、逃してしまった。

あの頃、いろいろなことを諦めて一般的には遅い27歳と言う年齢で社会人になった君は、挫折感を抱えていたけど未来への希望を捨てていなかった。時が経てば自分は変われると信じていた。なのに、変わっていなくてごめん。

でもこの人生が楽しくないわけでもない。友人は多いし、それなりにモテるし、何も掴めていないと言う事はまだ頑張れると言うことでもある。

悪いけど、僕はこんな今の自分が嫌いではない。きっと君は僕だからわかってくれるよな。もしできるなら、君と僕で、今と十数年前の出来事を肴に飲みたいな。そうだ。酒の趣味は変わっているよ。君が飲めなかったビールを僕は好きになった。今、君の隣にいる女性はビールを飲めない君をバカにしていたけど、そんな事は気にしないでいいよ。

それから、そうだな・・・とにかく頑張れよ。じゃあ、また十年後に。その時も変われていなかったらごめんな。







僕は37歳のサラリーマンです。こらからnoteで小説を投稿していこうと考えています。 小説のテーマは音楽やスポーツや恋愛など様々ですが、自分が育った東京の城南地区(主に東横線や田園都市線沿い) を舞台に、2000年代に青春を過ごした同世代の人達に向けたものを書いていくつもりです。