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小説「リーマン救世主の憂鬱」

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リーマン救世主の憂鬱 あらすじ 「加藤生留は35歳。独身で仕事にやる気のないサラリーマン。とにかく働きたくなく、やりたいこともないし夢もないし彼女もいない。 でも彼には唯一趣味…
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#サラリーマン

小説「リーマン救世主の憂鬱」 第23話

 「久しぶりですね。アザゼル」  神父は変わらぬ笑顔を浮かべていた。アザゼルも笑う。二人…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第22話

 スポットライトを一度でも浴びた人間が、その場所を失いたくないという思いなど、そんな経験…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第22話

 人生の憤りも寂しさも不安も、過ぎ行く毎日の中で溶けるような溶けないような。そして、俺は…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第21話

 同僚達は皆、心を決めていた。 「転職サイトに登録したんだ」 「いいサイトってどこなんだ…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第17話

 同僚達は意気消沈し、飲み直す事もなく「がんばろう」と言い合って散り散りに別れた。  教…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第16話

 飲み会には谷山を始めとする同僚も誘われていた。 「会社をこうして行きたい」 「僕のキャ…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第15話

 仕事が忙しすぎる。アホみたいに会社にいる時間が長くなってしまった。  もちろんこの原因は俺がやる気を出したからではない。社長交代があり会社の状況が変わってしまったからだ。     俺がいる会社はある大きな企業のグループ会社の一つだ。親会社は俺の経歴では入社する事が許されない企業で、そこの社員と俺らとの給料の差は歴然。  とは言え、俺は親会社に入りたくてこの会社に入ったわけではない。大企業やベンチャー企業でバリバリ働く事よりも、安定を望んでいた俺には親会社の基盤があるとい

小説「リーマン救世主の憂鬱」 第14話

 オールして会社に行くことほど憂鬱なことはない。  夢魔を対峙したその日、俺は会社を病欠…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第13話

そしてまた時間が進んだ。  なぜ俺が千里由美の過去を見ているのかはわからない。しかし彼女…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第12話

 瞼を開けた瞬間に眼前に広がったのは闇だった。目を開けている意識はあると言うのに光はない…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第11話

 いつものワインバーとは違う店で千里由美と待ち合わせた。アプリ利用者のみが使用できるSN…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第10話

 結局、千里由美はそれから数日のうちに5人の男達に会った。俺はその全ての男とのデートに付…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第9話

 千里由美がアプリで出会った男との待ち合わせ場所に選んだのは六本木の洒落たワインバーだっ…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第8話

 半期に一度の面談の時期は憂鬱だ。上司の山園と一対一で話をしなくてはならないからだ。  俺の勤める会社は年度初めに自らの目標設定を作る。通称ゴールというのだが、その目標を1年間かけて達成することを責務とされる。  例えば、顧客満足度を上げる。業務改善を行う。新人を育てる、などなど。そして達成度に対して自分で1ー5段階のレイテングをし提出して上司の判断も交えて最終的な評価が決まる。    無論、5が一番いいわけだが噂によると5はありえないらしい。目標を著しく達成し期待を上回