マガジンのカバー画像

虐待犬ナツ〜幸せな犬生へ〜

13
人に虐待され生きる気力すらも失った犬。生きたいと思う少しの可能性にかける動物保護センターの佳子と犬の人生と犬生を描いた物語になります。
運営しているクリエイター

#動物

虐待犬ナツ 〜幸せな犬生へ〜

人からの虐待を受け、完全に心を閉ざしてしまった柴犬にアナタの人生の最後を看取ってもらえたら人として、どんな気持ちになれるんだろうか? 第十一話 この日も奈津と母親とナツの3人で公園に出かけ、公園には子供連れの家族や犬の散歩に来ている人達が沢山いた。 シートを広げて、母親の作ってきた弁当を奈津と食べ、母親はトイレに行くためその場を離れた。 奈津「ナツ今日もいい天気だね。お外に出るって気持ちいいね」 ナツに寄り添い、頭を撫でながら話かけていた。 そこへ3人の奈津と同じ

虐待犬ナツ 〜幸せな犬生へ〜

人からの虐待を受け、完全に心を閉ざしてしまった柴犬にアナタの人生の最後を看取ってもらえたら人として、どんな気持ちになれるんだろうか? 第十話 10月初旬の秋晴れの日。 母親と奈津はナツを連れて三人で公園へと出かけた。 母親「じゃあ奈津ここで、シート広げてお弁当たべようか?」 奈津「うん!!」 母親「いっぱい作ってきたから、全部残さず食べてね!」 ナツをドッグカートから降ろし、2人はシートに座りお昼ご飯を食べ始めた。 奈津達の前の丘の上では、昼の散歩で訪れている

虐待犬ナツ 〜幸せな犬生へ〜

人からの虐待を受け、完全に心を閉ざしてしまった柴犬にアナタの人生の最後を看取ってもらえたら人として、どんな気持ちになれるんだろうか? 第九話 奈津が自宅での療養になり、帰宅に備えてナツをセンターから奈津の自宅へ戻す事になった。 奈津「ようやくナツに会えるんだね!良かった。」 母親「良かったね!ナツも家で待ってるから早く帰ってあげようね」 車に乗り母親の運転で家に向かっている車中で、お爺さんと散歩をしている柴犬を見て奈津は母親に問いかけた。 奈津「ママ、なんでナツは

虐待犬ナツ 〜幸せな犬生へ〜

僕の夢 自分は小さい時から親にお願いをしていろんな生き物と生活をしてきた。 熱帯魚、ピラニア、大型の魚、ヤモリ、カエル、カブトムシ、昆虫類、ハムスター、インコ、犬 自分が小さい時から両親にこういった環境を作ってもらえたから今でも生き物という存在が好きで、生き物を大切にしたい。そういう思いになったんだと思います。 生き物と人との共存て当たり前のように感じるけど、生き物を飼う、生き物に接するという事は人が人に接するのと同じく、言葉は通じないけど、どんなに小さい生き物でもお

虐待犬ナツ 〜幸せな犬生へ〜

人からの虐待を受け、完全に心を閉ざしてしまった犬にアナタの人生の最後を看取ってもらえたら人として、どんな気持ちになれるんだろうか? 第七話 奈津の緊急オペは5時間に及んだ。 医者「オペは終わりました。心臓の動きが非常に弱まっているため、今後も入院してもらい経過観察をしていかなければなりません。完治出来る可能性は今のところ、非常に少ないかと思われます」 母親「先生、この子をなんとか助けてください。お願いします。」 医者「我々も全力で奈津ちゃんの回復をサポートしていきた

虐待犬ナツ 〜幸せな犬生へ〜

人からの虐待を受け、完全に心を閉ざしてしまった犬にアナタの人生の最後を看取ってもらえたら人として、どんな気持ちになれるんだろうか? 第六話 カタツムリ保護センターを離れ、父親、母親、奈津の三人とナツの一般家庭での生活が始まった。 奈津「ナツ、いらっしゃい!今日からずっと一緒にいられるね。ご飯も私があげるからお腹減ったら教えてね!」 奈津は毎日朝は早起きをしナツに餌を与え、学校へ行き帰宅したらすぐにナツの横に寝っ転がるようにして話しかけ、ナツはリビングで寝ていたがナツに

虐待犬ナツ 〜幸せな犬生へ〜

人からの虐待を受け、完全に心を閉ざしてしまった犬にアナタの人生の最後を看取ってもらえたら人として、どんな気持ちになれるんだろうか? 第二話 保護センターでの佳子とナツの生活が始まった。 保護センターには三十匹近い犬と他にも色々な事情を持つ動物達が暮らしていた。 他の犬達が物珍しそうにナツの周りに集まり尻尾を振りながらナツの匂いを嗅いだりしナツを歓迎してくれているような雰囲気だった。 しかし、ナツはただ震えるだけで仲間達と目すらも合わせる事が出来ていなかった。入院の間

虐待犬ナツ 〜幸せな犬生へ〜

人からの虐待を受け、完全に心を閉ざしてしまった犬にアナタの人生の最後を看取ってもらえたら人として、どんな気持ちになれるんだろうか? 第一話 体中傷つき動けなくなっている犬がいると動物保護センターに連絡が入った。 連絡を受け現場に向かったのは、カタツムリという保護センターの職員【山岸 佳子】だった。 川沿いのサイクリングロードに着くと一匹の柴犬がいた。 体は信じらないぐらい痩せ細り、尻尾もなく毛並みは酷すぎるぐらいに荒れてしまっていた。こちらを睨んでいるようだが、動く