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虐待犬ナツ 〜幸せな犬生へ〜

人からの虐待を受け、完全に心を閉ざしてしまった犬にアナタの人生の最後を看取ってもらえたら人として、どんな気持ちになれるんだろうか?

第六話

カタツムリ保護センターを離れ、父親、母親、奈津の三人とナツの一般家庭での生活が始まった。

奈津「ナツ、いらっしゃい!今日からずっと一緒にいられるね。ご飯も私があげるからお腹減ったら教えてね!」

奈津は毎日朝は早起きをしナツに餌を与え、学校へ行き帰宅したらすぐにナツの横に寝っ転がるようにして話しかけ、ナツはリビングで寝ていたがナツに寂しい思いをさせたくないと、奈津も隣に布団を敷き一緒に寝るようにしていた。

そんな日が続き、3ヶ月ぐらい経った頃ナツに変化が見え始めた。あれだけ人や全てに対して全く興味を示す事はなかったが、奈津を目で追うようになっていき、奈津が与えた餌は全て食べるようになっていた。

母親「奈津が帰ってくると嬉しそうな顔するようになってきたね!」

奈津「うん。今度はナツと外に散歩に行けるようになりたいな!」

母親「じゃあ犬用のベビーカー買いに行って一緒に散歩行けるようにしようか?」

奈津「やったぁ!早く買いに行こう。」

一週間後、ナツはドッグカートに乗り散歩に行くようになり、天気の良い日は公園の芝生にナツを降し2人は日光浴をしていた。

奈津「ナツ、みんなワンちゃん達は楽しそうに走り回ってるよ。ナツも一緒に遊んできたら?私も歩けるようになってナツと追いかけっこしたいなぁ」

母親「そうだね。みんなで追いかけっこ出来るようになったらいいね。奈津の思いはいつか叶うよきっと。」

奈津「うん。」

奈津は毎日、ナツの世話をしっかりとしナツと奈津の信頼関係は日々深まっていた。

こんな幸せな日が続いていた。

半年後の事だった。

寝静まった深夜に奈津が唸り、胸を抑え苦しそうにしていた。

母親「奈津大丈夫?今救急車呼ぶからね。」

救急医療センターへ運ばれ、奈津の検査が始まった。

母親「先生、奈津は大丈夫なんですか?」

医者「今から精密検査など行います。状態はまだ分からないですが、緊急オペなどが必要であれば行っていきたいと思います。もうしばらくお待ち下さい。」

母親「お願いします。」

検査が終わり医者が母親の元へ来た。

母親「先生どうでしたか?」

医者「心臓の動きが弱まっていて、緊急でオペを行いたいと思います。状況としては正直なところ非常に悪い状況になります。緊急のオペに了承は頂けますでしょうか?」

母親「そんな...なんとかあの子を助けて下さい。先生お願いします。」

第七話へ続く













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