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ククブクの味見

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海外の料理本のことならククブクにお任せ! 優れたデザイン性があり、コンセプトにひとと風土と文化が見える海外の料理本「cookbook」を紹介するマガジン「ククブク」を、noteで…
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2018年4月の記事一覧

cookbookの取扱いはインターンに任せてはならない

The 2018 Piglet 準々決勝第4試合『Six Seasons』vs.『Kaukasis』cookbookの頂上決戦「The 2018 Piglet」の実況中継をしています。 本日お届けするのは、準々決勝最後の試合。 ジョシュア・マクファデンの『Six Seasons: A New Way With Vegetables』と、オリア・ハーキュリーズの『Kaukasis: A Culinary Journey through Georgia, Azerbaijan

21の星をあつめたシェフ、世界をめぐる

アラン・デュカスに密着したドキュメンタリー映画が公開ゴールデンウィーク2日目は、映画の話題。 日本でも、銀座シャネルに併設されたレストラン「ベージュ アラン・デュカス 東京」をプロデュースしていることで有名な、フレンチシェフのアラン・デュカスに焦点を当てたドキュメンタリー映画が、6月に公開されることがわかりました。 One of France’s Living Legends Gets the Big-Screen Treatment in ‘The Quest of A

2018年 ジェームズ・ビアード財団賞、発表

マイケル・W・トゥイッティーが2冠を達成アメリカ時間で4月27日、2018年のジェームズ・ビアード財団賞のメディア賞が発表されました! この「ジェームズ・ビアード財団賞」、ククブクではいつもさらっと書いているので、いったいどんな賞なのかご存知ないかたもいらっしゃるかもしれません。 この賞は「料理界のアカデミー賞」とも言われているアワードで、前年にめざましい功績を残したシェフ、レストラン、フードメディア、料理教育機関などを表彰するもの。 エミー賞にしろピュリッツァー賞にし

金曜日のcookbookランキング

#066 飢餓状態と錯覚させないための食事新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 4月最後のランキングをお伝えします。 最近旬の食材の話題を書いていませんでしたが、先日、いままさに最高の旬をむかえている食材を味わってきました。 その食材はというと……陸前高田・広田湾の牡蠣! デデーン。よく「牡蠣はrのつく月に食べるのがおいしい」と言われていて、-berで終わる10月、11月、12月あたりの冬が旬だと思われていますが、広田湾の牡蠣は夏

ぼくは共同経営者と法廷で対決することも辞さない

『Shaya』のアロン・シャヤによる最新インタヴュー ロサンゼルスの新聞「ロサンゼルス・タイムズ」紙に、ニューオーリンズのシェフ、アロン・シャヤのインタヴューが掲載されていました。 An Israeli chef rediscovers his roots, plus a recipe for shakshouka | Los Angeles Times cookbook『Shaya: An Odyssey of Food, My Journey Back to Isra

運命の出会いはいつだってボウリング場

ボウリング場跡地にできたスーパーのcookbookEaterのサンフランシスコ版に、カリフォルニア州バークレーの有名食料品店「バークレー・ボウル」のcookbookが発売されたというニュースが載っていました。 Berkeley Bowl Super Fan Releases Cookbook Dedicated to Its Glory | EATER SAN FRANCISCO ここは西海岸随一のスーパーとも言われ、周辺の住民だけでなく、観光客も訪れるスポットとしても有

カブの葉の洗礼、その先で待つもの

自分のやり方をつらぬくテクスメクス料理のcookbookちゃんと呼吸して作られている自然体の料理、という印象を持ちました。 本日は、4月10日に発売されたばかりの『Turnip Greens & Tortillas: A Mexican Chef Spices Up the Southern Kitchen』というcookbookについて見ていきたいと思います。 元記事は、ニューヨーク・タイムズ紙のレヴュー記事です。 Eddie Hernandez Doesn’t Ca

cookbookはちいさな一匹のカモを夢中にさせるものでなくてはならない

The 2018 Piglet 準々決勝第3試合『Kachka』vs.『Salt, Fat, Acid, Heat』cookbookナンバーワン決定戦「The 2018 Piglet」を実況中継しています。 本日お届けするのは、準々決勝の第3試合。 ボニー・フルムキン・モラレスの『Kachka: A Return to Russian Cooking』と、サミン・ノスラットの『Salt, Fat, Acid, Heat: Mastering the Elements of

料理本にもサブスクリプションの波が押し寄せ

ベストセラーcookbookのレシピが見放題のckbkもう今年の流行語大賞にノミネートされるのはまちがいないんじゃないかと思われるくらい、最近話題になっている「サブスクリプション」。 音楽や映画、フォトショップなどのアプリケーションでは今までも普通にありましたが、ここにきてワイシャツやステーキなど、従来型のビジネスでもサブスクリプションを導入する動きが高まってきています。 ワイシャツは、借りて、着て、返すだけ。日本初!個人向けワイシャツ宅配サービス「ワイクリン」スタート。

森のなかに木を見つけるように、紛争が続く国家からひとを見つけよう

世界に広がる草の根運動 #CookForSyriaが2冊目のcookbookを発売このところシリア情勢がまたまた緊迫してきました。 シリア攻撃現実味…イラン「シーア派の弧」崩壊懸念 | 産経ニュース これを書いている時点では、アメリカによるシリアへのミサイル攻撃はまだおこなわれていないのですが、この先いったいどこまで突き進んでしまうのか、ロシアやイランがどのような報復措置をとってくるのか、しばらくは目が離せそうにありません。 そんな世界のパワーゲームのなかで、いちばんの

金曜日のcookbookランキング

#065 フレッド&アスカ新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 4月第3週のランキングをお伝えします。 今週の火曜日、朝ごはんを食べながらテレビを観ていたら、画面にシェフのジャン=ジョルジュ・ヴォンゲリスティンが出ていたんです。 観たかたはお分かりですよね? 「あさイチ」です。 いままで観ていなかったので全然知らなかったのですが、この番組では 世界の超一流シェフに(!)スーパーに並ぶごく普通の食材で(!)しかも、ぶっつけ本番&

シンプルさは時間の試練から生き残ることができるか?

ロンドンのシェフ、ヨタム・オットレンギの新刊はシンプルさを追求イギリスには、新しいcookbookの発表をいまかいまかと待たれているセレブシェフが、何人もいますよね。 そんな彼らが何か断片的な情報でも発表しようものなら、すぐにニュースになってしまうほど。 最近発表されたものでは、ジェイミー・オリヴァーの『Jamie Cooks Italy』とか、 ノンナとマンマの教えをまもるために | ククブク レイチェル・クーの『The Little Swedish Kitchen

身軽なサーファーはグローバルな波にもローカルな波にも乗れる

ニューヨーク・タイムズの独立系フード雑誌特集 #2ニューヨーク・タイムズ紙に掲載されていた、 独立系のフード雑誌の特集記事を読んでいます。 A New Generation of Food Magazines Thinks Small, and in Ink | The New York Times 昨日はアジア料理に特化した雑誌『Dill』や、プロの料理人をターゲットにした『Toothache』、ゲイカルチャーとの融合を目指した『Mouthfeel』などの雑誌をご紹介し

私たちのやりたいことは大手出版社がやれないこと

ニューヨーク・タイムズの独立系フード雑誌特集 #1雑誌はオワコン、なんて言われるようになって久しいですが。 終わっているのは、大手出版社が一般大衆をターゲットにして作る、どれも似たり寄ったりの雑誌(ページの半分以上が広告だったり、造りのチープなブランドものの付録がついていたり)であって、編集者の名前で作っているような、個性がはっきりしていてパンチのある雑誌は、これからもしっかりと読み継がれていくのだと思います。 アメリカのフードマガジンの世界でも、そんなマイナーだけどもこ