書いてみたっていいじゃない。
おそらく、私はクリエイターではない。
創作意欲みたいなものは昔から特になかった。
文章を書くのは嫌いではなかったけれど、怠け者だから自主的には書かなかった。学校の作文の類は、いつも小手先のテクニックで乗り切ってきた。
とはいえ、文章に触れるのはずっと好きだったんだと思う。
ささやかでニッチ過ぎる職務ながらも、仕事として書き手に携わったこともある。
創る人の後方支援をするのが向いていると思っていたし、今もまあまあそう思う。
だけど、半年ほど前にほんの思いつきで、ここではない場所でちょっとしたものを書き始めた。
自分の経験や悩みが、少しでも誰かの参考になればという想いから。ごくごくありきたりな理由だ。
webの片隅のほんの小さな場所だけど、自分の書いたものを読み、喜んでくれる人がいる。そのことは私に、決して小さくない幸せをもたらしてくれている。
そして一旦書き始めると、自分の中に書きたいことは無数にあるのだと知った。知ってしまった。
まあ実際に書けるかどうかは、また別の話なんだけど。
そんなわけで、何の気なしに投げてみた賽は、勢い余ってパンドラの箱にぶつかった。ぱかっと開いてしまった箱からは、何が飛び出してくるのかわからない。
自分でもわからないから、ちょっと怖い。
ちなみに、私のやっていることは、純粋な創作とは言えないと思っている。独り善がりな思考と感情のアウトプットだから。
文章としての型もない。エッセイ、コラム、詩…。そのどれかを正式に名乗るのはちょっぴり気が引けて、面映ゆい。
つまり、今はまだ、ものを書く真似事に過ぎない。
でもまあそれでも、書いてみたっていいじゃない。
真似事を、本物の何かにできるのかはわからないけど、やってみればいいじゃない。
私はいつも、自分の「好き」に気がつくのが遅い。
けれど、
たぶん私は、文章を書くのが、好きだ。
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