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瀬戸内国際芸術祭2022直島②

からのつづき。

島内の移動は、レンタサイクルを使っている人も多かったです。ただ夫が「元の場所に返却しに来なければならないのは、面倒」と渋ったのと、どこで借りたらいいかもよくわからなかったので、結局バスと徒歩で回りました。

観光案内所近くのスタッフさんに聴いて、本村周辺からベネッセハウスの周辺までは徒歩だと距離があるということで、バスを30分くらい待って移動。
運が良すぎたのか、私たちが訪問した日は、10月にしては超晴天の夏日。一歩間違えれば日射病になりそうなくらいの暑さで、これで歩くとHPが確実減るぞということで。

島内バスもこんな感じで、草間彌生デザインでラッピングされている。
しかもコースによって、デザインが若干異なっていた。

赤カボチャデザイン
こちらは黄色カボチャ。ベネッセハウスの近くに黄色カボチャあるからだろう。

教えてもらったツツジ荘という終着駅まで移動。そこから、ベネッセアートサイトのマイクロバスで移動する。
ツツジ荘は、海水浴場とコテージがある施設。小さなカフェとドリンクスタンドみたいなお店があって、けっこうな数の人が休憩していた。

草間彌生 黄色カボチャ


鳥居の上の松ぼっくり
うつくしい海。なんとなく人口の砂浜ではなさそう。
人々がおびき寄せられるように、あちらへ向かう。
あ、カボチャ。。。。。ここかあ~、と。

近くに行ってうまく写真を納めたかったのですが、やはり、ここも人気スポットとあって人が多くて。写真を撮るのはほぼ諦めました。若い女の子グループなどは、記念撮影を繰り広げていた。カボチャの裏側(つまり海側)に入り込んで、陸地側からの視線の邪魔にならないようにうまく鑑賞していた人もいて、なるほどと納得しました。

望遠にして何とかうまくとってみた。


この黄色カボチャから先は、ベネッセアートサイトになっていて、名物になっている美術館がいくつかあった。
私は事前に調べた時に気になっていた李禹煥さんの美術館に行ってみたいなと思い、家族にリクエストしてそこだけ行ってみた。

この時点で、すでに朝からいろいろ回って、お腹いっぱいな気分だったのです(つまり満足)。歩き疲れたのもあったなあ。

李禹煥美術館

「もの派」という現代アートのムーブメントの先鞭をつけた人ということ。でも、その説明を読んだだけではよくわからなかったので、実物を見てみたいな、と。現在、国立新美術館で展覧会が開かれているというのも知って、興味を持ったのもある。

停留所のある道路から、目印を頼りに細い通路を抜けて降りていくと、森に囲まれた建物、白い砂利とオブジェの広場、芝生の広がる坂が見えてくる。

右手には、安藤忠雄が設計したという美術館の建物。なだらかな芝生の広場とその先の海。

直島の自然、現代的な建物、そこに置かれたオブジェ。
この三つが、すでに不思議な空間を作りだしていた。

家族はそれぞれに「なんだなんだあ~~????」「???」となっていた。


美術館の壁をバックに、石と鉄板、コンクリートの柱が不思議。
こんな感じとか。
こんなかんじとか。
これは綺麗だった。近未来的な風景にも感じた。


館内も、かなりエッジのきいた作品ばかりだった。「観る者に挑戦してくるような作品ばかりだなあ」というのが、夫の感想。

娘は全く意味がわからないと言っていたけれども、一緒に意味を考えながら観察するのは楽しそうだった。

私としては、結構好きだなあと感じられた。究極にシンプルなため、逆に観る人によっていろんな意味をそこに感じることができる作品。
かつ、配置だけで何かをみせるというも、非常にセンスが高くないとできない技術だし、ただ見ているだけでも何か美しいと感じる不思議な調和があった。

きっと小難しい説明があるに違いないと思い、ミュージアムショップで図録を立ち読みしたら、やはり作品の意味や意図について沢山説明されていた。それに李さん自身の著書も他に何冊かおいてあり、興味深かった。インスピレーションをもらえそうだったので、お値段が高くて重そうだったけど図録を買った。


ベネッセハウス ミュージアム  ヴァレーギャラリー


李禹煥美術館の前にあり、フリーパスがあれば無料で入れたので、こちらも立ち寄ってみたら、草間彌生の作品があった。ラッキーだった。

草間彌生「ナルシスの庭」
銀色のボールが青空を映して綺麗だった。
狭いコンクリートの建物の中にも。。。


里山の風景とマッチしているミラーボールたち。不思議な風景。

「古来、境界や聖域とされる谷間に建てられたギャラリー」とのこと。
ここが一番のんびりしてて、穏やかで、なんとなくピースフルだったなあ。ピクニックみたいな気分で回れた。



昼食や休憩など


お店はちょいちょいあるようだったのですが、お店でゆっくり食べている様子はあまり見受けられなかったです。私たちはツツジ荘のところの海の家みたいなカフェで、バスを待ちながら、だいぶ遅いお昼ごはんを食べました。

島内は移動がけっこうキーになってくるので、タイミングの良いところで休憩や昼食をとっておくことをおすすめします。一度逃すと、次はすぐ見つけられなかったりする場合もあるかも。

サンドみたいな。白飯が売り切れて、これしかなかったらしい。
みんなで食べられるようにポテトを。



草間彌生 赤カボチャ


で、このあと宮浦行のバスに乗るときに、娘を探しに行った夫だけがバス停に取り残されるなどのハプニングもありつつ。なんとか宮浦港にみんなで戻ってきて、やっと赤カボチャのところへ。


大きい赤カボチャ
この写真しかなかったので。娘です。
帰りのフェリーの中から。
さようなら、赤カボチャ。


まとめ


瀬戸内国際芸術祭、もしくは瀬戸内×アートといえば「直島」のイメージがパッと先行するくらいに、今や直島が代表にはなっているんじゃないかな。

で、実際に行ってみて、なるほどよく考えられているし、アートの島として計画的に時間をかけて作られてきたんだなあと感じることが多かった。今度はまた、まだ行っていない美術館を観に行ったり、他の離島を回ってみたい。国際芸術祭の時期ではないときにも回ってみようと思う。

今回の旅を思い立ったのは、「コンセプト」というものについて知りたかったから。分かったかな~(;^ω^)という感じですが、ヒントはもらえました。今後も引き続き、「コンセプト」について考え、自分なりに煮詰めていきたいと思います。

久しぶりにアートにたくさん触れて、非常に刺激を受け取ったので、行ってよかったなと思います。これからも意識的に、展覧会や美術館に行きたいとあらためて思いました。

そして、もう一つ。
自分も、作品作りたくなったんですよね。
芸術祭の人々とはレベルが違いすぎますが、自分なりになんかやってみたくなる。始めたくなる。
観る者をそんな気持ちにさせてしまうのも、きっとアーティストの作品に、人の感性を刺激するオーラがあるからですね。

ちなみに、その日、私が刺激されて撮影したアートがこれです↓笑い。

よくみたら、影が映りこんでんじゃん!(*_*;うーむ。
これはマシかな。

魔法にかかっていたのか、あの日は、見るもの見るもの、すべてがアートに見えてきてしまうという不思議現象が起こっていました。

トタンの壁がきれいに一面赤茶にさびている古家と、その古家の土台の石垣と、横に水路が流れている場所がありました。

で、「ああ、いいねえ!この風情、絵になるねえ」なんて私が興奮しながら歩いていたら、後ろからやってきた外国人カップルが、同じ場所で立ち止まって古家をまじまじとみているではないですか!!。

私達がなにやら指さして観察していたんで、そこもアートスポットだと勘違いしたのか?!。

夫が爆笑してました。

美術館に、ただバナナの皮を置いてみたら、次第にアートと勘違いされ出したっていう面白動画がどこかで流れてましたが。

アートって、それがアートって言い始めたら、なんでもアートに見えてしまうってあると思いませんか???



(おわり)

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