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瀬戸内国際芸術祭2022レポ:直島①

お待たせしました。先日行ってきました、瀬戸内国際芸術祭2022in直島の写真と簡単な感想をあげます。
スケジュールとしては以下でした。
1泊2日の日程
小学生1名大人2名、四国内の他県からの観光。
1日目に直島観光、夕方に高松に戻って高松市内泊し、翌日に帰路へ。

高松港で、まず高速艇に乗る。

自分の家を6時半ころ出て、高速を使って高松まで行き、高松港へ向かう。
時間をよく確認していなかったので、車の中で、高速艇やフェリーの時間を確認したら、8時台にビミョーに間に合わず、次の9時台まで結構時間が空く感じ。でもとにかく行ってみようと、車を走らせた。

近くまで行くと、瀬戸内国際芸術祭のパスを持った人用の専用駐車場があり、そちらへ駐車。(※周辺は駐車料金が高いので、パスを持っている方は、絶対こちらへ止めるべしです。)
急いで船乗り場に行けば、30分後に高速艇が出るという。とりあえず、それに乗ることにする。
運よく高速艇に乗り、デッキに設置された椅子へ。船酔いしやすい夫は不安げだったが、まあなんとかなる程度の20分くらいで直島へ到着。なるほど離島って遠いよなあ~と。陸から見ていた予想より、船で渡ると距離がある。船というのが、車での移動よりもアナログな感じがして、また良い。

直島には港がいくつかある。私たちが乗った高速艇はたまたま本村港行きだったので、そちらがスタート地点となった。

なんの変哲もない瀬戸内の離島漁村風景。しかし芸術祭ってだけでアート風にみえる不思議。

小さな小さな港が見えてきたら、釣り人がたくさんいて驚いたな~。
小さな漁村で釣りってのも、いいよね、アートじゃなくとも。

妹島和世 + 西沢立衛 / SANAA

駐輪場ってのもおされでした。
風景ともそんなに違和感ない。


家プロジェクト:護王神社・杉本博司

一番行ってみたかった作品。以前、日曜美術館で杉本さんが出演していた際にも紹介されていた作品。ガラスの階が美しい。

この美しいガラスのきざはしは、内部まで続いているというのも、知っていたけど、実際に観たら、結構凄かった。狭い石室のなかに水がはってあったのも、とても印象的。土俗的信仰や宗教、民俗学にも造詣がある人が作っているのでこうなっているんだろうな、と納得。

石室を後にするとき。真っ暗だった通路の先に、逆に、宝石のように美しい瀬戸内海が見えるこの逆転も素晴らしかった。「宝石」というのはいいすぎかもしれないけど、暗闇からのこのラインでそれくらい綺麗にみえる。

一番見たかった「護王神社」がみられて、満足して、安心して、てくてくと家プロジェクトを散策しようと坂を下りていく。
これまた、ふつうの離島の民家集落の路地の風景が広がる。
一眼レフでも持って、写真を撮ってまわっても、それだけで楽しいんじゃ?と。

家プロジェクト :角屋 宮島達男

パンフレットやガイドブックを持っていなかったので、グーグルマップを参考に、アバウトに散策。
だんだん人流で、なんとなく「ここ?」って場所がわかるようになる。
常に、その場の流れで見学。(後で知ったが、瀬戸内国際芸術祭のアプリで地図やら説明やら見られたらしい。)

個人的感想だと「古民家と現代アートってこうなるんだ」って感じの印象だった作品。薄暗い部屋の中でジーっと静かに、ずっと眺めてられそうだった。小学三年生の娘は、この作品が好きだとのこと。「どうやって窓の数字は切り替わるようになっているの?」と不思議がっていた。

感想はその場ではあまり言わないようにしよう。で、一日が終わった後に、どれが一番好きだったか、みんなで意見交換しようと話しながら、散策を続けた。

家プロジェクト 碁会所 須田悦弘

ちょっと、あっさりしすぎ?日本庭園と和?禅?とかそんな風にしか思えなかった作品。何も手を加えていないように感じられた。どう鑑賞していいのか、わからなかった。説明クレーと思った。
今調べたら、この椿の花は木彫りで作られているそうだ。木彫りで作った本物と見紛う草花を置くことによって空間を変えるというインスタレーションをされている方だとか。うーむ。


家プロジェクト 石橋 千住博

千住さんの滝の絵のファンだったので、いよいよ生で見られるかと期待をふくらませた。

庭の石。京都の寺社仏閣の日本庭園をおもわせる作り。
庭に面した部屋の襖絵。これは「崖」の絵だそうです。見た時、わからんかった。

どこに滝の絵あるんだろうと、不安になっていたら、お姉さんが奥から声をかけてくれる。細い通路の奥に、また別の部屋があり……。

圧巻

静かにずっとその場にいたい、素晴らしい絵だった。

しかし、なにしろ、瀬戸内国際芸術祭は人が多い。
屋内だと、展示場所や通路も狭い場合もあって、どうしても人が混んでくると、ある程度で見切る感じになる。ずっとその場にいると邪魔かなという遠慮など、もあり。

鑑賞していた時の感想:来ている人たちの層

全体を通して思ったのは、やはり半分、観光のノリが強いということ。

都内の美術館や展覧会会場のあの緊張した感じとか、マナー守れや、みたいな大人のムードがいささか停滞気味。
瀬戸内の明るい太陽のせいか、みな、どこか観光よりの空気。
スタッフさんや学芸員さんがいるので、もちろん悪さしたり、マナー違反はできません。

でも、なぜか、作品とゆっくり向き合ったり、味わったり、受け取ったりする「間」みたいなものが少なかった。持てなかった。
どうしてだろう?と、考えた理由としては、まず、人が多すぎること。
その「人」たちも、なんとなく観光ノリの人が半分くらい入ってそうなところ。

例えば、こんなことがあった。

帰りに、宮浦港の赤カボチャを観にいったら、若者4人組が三脚を出して、スマホで写真をずっと撮っていて、なかなか離れない。
他の人も鑑賞したり、写真を撮ったりするために周りにいるのに、ずっとその若者たちは自分たちだけで中に入ったり、出たりして、キャーキャー奇声を発しながらやっている。
やっと他の人が写真を撮ろうという段になっても、ひゅっと脇を抜けていったり(他人の写真に写ろうがおかまいなし)、いつまでも場を譲るということをしない。独占している。

なんだろうなあ、これは、と思った次第。

これに似た違和感が何回かあった気がする。

あれって、ユーチューバー?インスタグラマー?かなんかだったのかなあ。

カボチャのところだけ、特に人が多かったのもあった。やはり名物だからか。

もちろん、一人旅らしきアート好きなんだろうなって感じの女性や、芸術系デザイン系の勉強しているらしき若者、いろいろアートの知識が豊富そうな年配の夫婦など、客層はいろいろで、全部が全部マナー悪いわけではなかったです。

ちなみに、中に入れるカボチャはたしか青森にもあった。

以前、東日本大震災の復興応援プランみたいなので青森に行ったとき。十和田湖周辺も観光した。
ここは直島ほど混んでなかったので、カボチャやオブジェを見放題、写真撮り放題でした(笑)。
今はどうかな。人が戻ってきてるかもしれませんけど、たぶん直島ほどじゃない気がする……。また行こうかな。


(つづく……)

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