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孤高の人




豪奢なオペラ座


舞台の上でライトを浴びて輝いている、一人のダンサー。


輝きの頂点で、少しずつ内包していたものが、兆してくる。


複雑で繊細な、内に抱えているものが崩れていく。


表面はとても順調で輝かしい。


太陽の王のように、一点のくもりもない完璧さ。


一つ一つが完璧で、破格で、前代未聞だった。

才能豊かな問題児。


彼が皆の前で踊れば踊るほど、歓声と狂喜、陶酔が、美しい星空のとばりのように降りてきた。


しかし、彼は孤独だった。


どうしようもなく、孤独だった。


彼が完璧であればあるほど孤独だった。


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(ポルーニンのドキュメンタリー映画からのインスピレーションで作りました)

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