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読書感想:今村夏子「むらさきのスカートの女」

出先の時間つぶしに入った書店。文庫コーナーで平積みになっていた、今村夏子「むらさきのスカートの女」を立ち読み。
思わず、購入。
帰りの電車で、半分くらい一気読みした。

前から本屋さんで見てて気になってたのに、手に取ってなかったんですよね。

機が熟したのでしょう。

読み始めたら、やめられない面白さ。
タイトルも謎めいてるし、冒頭から奇妙な語りに引き込まれて、止まらなくなる。

このあと、どうなるんだろう?
なにが言いたいんだろう?
それで、語り手はどうしたいの?

読者は、語り手が導くままに、謎をときたくて先へ先へと急ぎ読む。

文体もすごいけど、リズムや、醸し出す空気がすごい。笑いと狂気を感じる。

すごく新鮮で面白かったし、衝撃的だった。

これまで読んできた、現代作家のだれにも似てない。

シュール?
ホラー?
ブラックユーモア?
ナンセンス?

安部公房か、富岡多惠子か、多和田葉子か、どこか系統が似てる作品あったかもしれないけど、やっぱりかぶらない。

怖さとリアリティに関しては、村上春樹の小説で時折ホラーっぽいところへどんどん空気が変化していく感じにも、通じるかな。世界観は似てないけれども。

あるいは、カフカか?。

文庫本の表紙もシュールでアート風、ホラーっぽさの怖さあるけど、作品の雰囲気も、アメリカのミュージシャンのSiaや、SiaのPVなどとイメージ被ります。個性的で感受性の塊で、アートっぽいという、、、あれが似てるかな。

感想や書評を検索したら「すごい才能の持ち主」って出てきて、なるほどな!と。これなら、誰しもそう思う。

これならば芥川賞ってのもわかるし、芥川賞のなかでも十数年に1人の逸材なんじゃないかな。
他の作品も読みたくなった。

エッセイに、執筆した頃に小島信夫も読んでたと書いてあって、うーむ小島信夫かぁと。

非常に刺激的でした!
日本の現代文学が、趣味が合わなくてダメーなんて言ってた自分。
前言撤回!!。

もっと色々書きたいけれど、時間が足りない。
またの機会に。

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1回目の投稿に、少し加筆しました(2022.8.7)。
Siaのところです。

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