山下 淳一郎 (やました じゅんいちろう)

東京都渋谷区出身。コンサルティング会社にてドラッカーの教えを実践する支援を行い、上場企…

山下 淳一郎 (やました じゅんいちろう)

東京都渋谷区出身。コンサルティング会社にてドラッカーの教えを実践する支援を行い、上場企業の役員を経て、ドラッカー専門のコンサルティング会社を設立。企業様に、「経営はチームでやる仕事」、「成果をあげることは習慣である」という信念で、コンサルティングを提供しています。

最近の記事

成果をあげる人の8つの習慣『第1の習慣 なされるべきことを考える』

すべての者がエグゼクティブ  エグゼクティブとは、エグゼキュート(execute)という、「執行する、実行する、遂行する、達成する」という語源から派生したもので、成果をあげる人のことだ。力仕事が大半を占めていた時代は、成果と仕事は決まっていた。従って、上が下に指示を出し、下はその指示に従えばいいというものだった。一方、知識や情報を使う仕事が中心となった今日、私たちの仕事は既に、「部下にただ命令すればいいというもの」でもないし、「上司の命令にただ従えばいいというもの」でもなく

    • われわれの使命は何か

      「顧客を創造する」ために一番はじめに行うことは、「自分たちの使命を決めること」です。自分たちの使命を決めるための具体的な仕事を教えてくれているのが、ドラッカー5つの質問「第一の問い われわれの使命は何か」です。あなたは、経営理念、使命、ビジョンといった言葉を聞いて混乱したことはありませんか? まずは、それらの言葉を整理したうえでお話しを進めていきます。経営理念は「わが社の社会に対する根本的な考え方を言い表したもの」です。使命は「わが社が社会で実現したいことを言い表したもの」で

      • 経営者の仕事は問題解決ではない

        ☑ 役員の考えがばらばらで、会社としての意思統一が図れていない。 ☑ こまごまとした打合せに時間がとられ、自分の仕事をする時間がない。 ☑ ここ数年、立てた目標を達成できず、業績は伸びていない。 ☑ やろうとする改革にいちいち抵抗が起こり、会社は何も変わらない。 ☑ 日々、目の前の仕事に忙しく、気が付けば経営がおろそかになっている。 ☑ ボードメンバーの意見はまとまらない。 ☑ 取締役は担当部門の仕事に追われ、会社全体を見ているのは私一人だ これは、ある企業の社

        • 職場の人間関係

          働く人は仕事をするために職場に行っている 人間関係の良し悪しによって、 人と人が助け合う社会になるか、 闘争に明け暮れる社会になるかが 決まってしまうことは事実です。 職場で知り合い友人になったという 個人的な関係を除けば、職場の人間関係において、 おおよそ仕事と関係ない人間関係などありません。 企業の目的は、事業を通じて 喜んで頂く人を増やすことです。 けっして働く人を幸せにすることそのものが 目的ではないはずです。 自分が幸福な団体になることではもありません。 働

        成果をあげる人の8つの習慣『第1の習慣 なされるべきことを考える』

          マネジメントとは人にかかわるもの

          マネジメントって何ですか? 突然、新入社員の部下からそう聞かれたら あなたは、なんて答えますか? ドラッカーはこう言っています。 マネジメントは組織のための機関である。 組織がなければマネジメントはありえない。 その組織は社会のための機関である。 組織は、社会、経済、個人が必要とするものを提供することを目的とする。 機関とは”何を行うか”によって定義されるものではない。 何を貢献するかによって定義される。 ピーター・ドラッカー 第一に、マネジメントとは、人にかかわるもの

          マネジメントとは人にかかわるもの

          今後のトップの仕事は

          トップの役割を担っている人すべてに共通する課題 すべての社長に共通する課題 ひと言に社長と言ってもいろいろです。 自分で事業を起こした創業社長と二代目社長は、 仕事の内容はまったく違います。 また、傾いた事業の再生を担う 三代目、四代目の社長もまた、 抱える課題がまったく違います。 さらに、中小企業の社長と大手企業の社長も 同じ社長であっても仕事の種類がまったく違います。 そして、グループ会社の社長ともなれば、 役職は社長であっても、いわゆる「雇われ社長」であり、 権限

          先行き不安という経営者、必見。

          ホンダの元副社長、藤沢武夫さんは、 役員が集まる大部屋をつくりました。 当時、ホンダの取締役はすべて本部長を兼任し、 ほとんどが本部長として仕事をしているだけでした。 当時の取締役は、名誉職に過ぎなかったのです。 取締役に、取締役本来の仕事をしてもらろうと 藤沢武夫さんは考えたのです。そのために行なったことが、 本部長という兼任を解き、大部屋に集まってもらうことでした。 藤沢武夫さんの考えはこうでした。 『取締役とは一体なんだろうかといえば、 それは未知への探究をする役で

          先行き不安という経営者、必見。

          ドラッカーが提唱した目標管理

          1.勝手目標と個人目標は違う 御社も「目標管理」を導入していると思います。 社員に目標を考えさせ、そして、目標管理シートに 目標を書いてもらい、提出させていると思います。 目標管理シートに書いてもらっているのは「個人目標」でしょう。 「個人目標」とはいえ、組織の一人として仕事をする以上、 その目標は本来、組織全体の目標に向けられたものです。 これが「個人目標」の前提です。 組織全体の目標に向けられていないものは 「個人目標」ではなく「勝手目標」です。 「勝手目標」とは、「

          ドラッカーが提唱した目標管理

          ドラッカー5つの質問

          会社を永続的に成長させていくためにどうすればいいのかー。 成功とは挑戦の結果であって、幸運の結果ではありません。 成功を収めている企業とそうでない企業の違いは どこにあるのでしょうか。 ドラッカーはこう言っています。 成功を収めている企業は、「われわれの事業は何か」を問い、 その問いに対する答えを考え、明確にすることによって 成功がもたらされている。 ピーター・ドラッカー 「われわれの事業は何か」を問うとは、 わが社の事業はどうあるべきかを 徹底的に考え抜き、わが社のある

          2種類のリーダー

          意思決定のルールをつくる あなたにご質問します。 ある会社に二人のリーダーがいました。 一人は部下が頻繁に指示を仰ぎに来るリーダーです。 もうお一人は部下が指示を仰ぎに来ることのめったにないリーダーです。 あなたは、この二人のうちいずれが 優秀なリーダーだとお考えになられるでしょうか?。 多くの方は、上記の情報だけで考えれば、 後者とお答えになられる方が多いそうです。 部下が頻繁に指示を仰ぎに来るということは、 判断基準を明示されていない表れです。 つまり、部下は「判断

          モチベーションを高めようのウソ

          人が何かに全力を尽くしたいと思う理由 社員の意欲を高めれば、業績が上がる。 これは正しくありません。 正確に表現すればそのようなこもある、 と言えるだけです。 意欲とは動機です。 動機とは全力を尽くしたいと思う理由のことです。 研修など外側からの刺激で一時的に意欲が 高まることはあっても、もって一週間程度です。 人が何かに全力を尽くしたいと思う理由は、 仕事の目的に価値を感じるからです。 仕事の目的、仕事の価値が働く人の動機を 決めるのです。では、社員が自ら意欲をもって

          モチベーションを高めようのウソ

          教育者だったドラッカー(マイナビニュースへ寄稿)

          ピーター・ドラッカー。ビジネスの世界に身を置く人なら、 その名を知らない人はいないでしょう。 ドラッカーは、世界からマネジメントの父と称され、 企業だけではなく、政府、 公共、非営利組織、医療機関、 あるいは学校などの組織について、様々な研究を重ね、 現場の人々にアドバイスをして、各組織が活動を通して、 成果をあげることを助けてきました。 われわれは何をすべきか ・妥協をしない親が協調できない (59歳男性) ・ベテランさんたちと若い主婦との間で板挟みになった (53歳女性

          教育者だったドラッカー(マイナビニュースへ寄稿)

          ドラッカーが教える経営チームの条件

          成功が継続しない本当の原因はどこにあるのでしょうか。 ある事例を紹介します。 企業の経営の良し悪しを判断する目安を探せ―。 ある銀行が融資の調査部門に出した課題です。 その課題は、融資部門にとって難しいものでした。 利益を出しているからといって良い経営を行っている とは限りませんし、赤字だからといって悪い経営とも 言い切れないからです。黒字であっても、新しい商品や サービスの開発にお金を使っていなかったり、 採用や育成を行っていなかったり、出ていくお金を抑えて、 かろうじて

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          これから新しい経済構造が生まれる

          それぞれの国には、それぞれの文化と歴史があります。 世界という視点で人類の文化と歴史を振り返るとき、 必ず2つの大きな出来事が浮かび上がります。 第一次世界大戦、そして、第二次世界大戦です。 その戦争は、社会の生産力を破壊し、 人間が生きていくために必要な食糧の生産力まで奪いました。 特に、第二次世界大戦は、銃弾で生命を絶たれた人だけでなく、 多くの人が飢えで生命を落としました。 人間は、人間を不幸にする社会をつくってしまいました。 逆に、人間は、人間を幸せにする社会をつ

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          「2025年問題」約650万人分の職がなくなる

          御社は、会社の将来を担う後継者は決まっているだろうか。 あるいは、後継者の育成をしているだろうか。 2025年には後継者不在とされる127万社が廃業すると言われている。 もし仮に、127万社が本当に廃業した場合、約650万人の雇用が失われると言われている。約22兆円ものGDPが消えてなくなる計算になる。現段階では可能性の話であるが、かなり現実を帯びている。もちろん、日本の政府はその可能性が現実とならないために、後継者問題を最重要課題に位置付けて、様々な支援に取り組んでいる。

          「2025年問題」約650万人分の職がなくなる