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(本)構造読解力

読書法、というよりも考える力をつけるためには、どうやって読書したら良いかについて解いた本。

先日、どうにかこうにか博士号の学位取得に至ったわけですが、博士論文の執筆は本当に苦悩の連続でした。
指導教官のアドバイスにより、提出よりだいぶ前に目次を作成。以降の作業は、その目次ごとに肉付けしていくという流れだったのですが、まあこの目次の作成が難航。
多くの方は本を読む時に特に意識せずに目次を眺めているかと思いますが、
・どういう順番で説明すればわかりやすいのか
・章項節の粒度はどれくらいにすべきか
・過不足はないか
といったことを意識しながら、1つのテーマに対して論理立てた目次構成案を作るというのは非常に難しい。さらに、目次ごとのタイトルの一字一句にもあーでもない、こーでもないと考えながら組み立てていく。

自分の頭脳のキャパシティも相まって、それはそれは難儀な作業でした。
一方で、この苦労を乗り越えると、他人が書いた目次を見たときに、
・なぜこういう構成にしているのか
・あ、ここは足りない
・これは余計だな
というのが手に取るようにわかるようになりました。
幸いにも、知り合いの方が、博士論文のドラフトを見てコメントが欲しいといってくださって、目を通したのですが、自分が苦しんだからこそ見える・わかることがたくさんありました。

で、その目次を組み立てるとき。
自分はA4用紙に大量にメモを取りながら文字を書き、それらを線で結んでという作業をしていました。
おそらくいきなりパソコンに向かったりしてたらもっと時間がかかっていただろうなと思います。

本書を読んだときに、
「あ、自分が苦しんでやっていたことと同じやんけ!」
と思ってしまいましたw

本書の一番の肝は、そのタイトルの通り文章を構造化してとらえましょうというもので、構造学習の手法も紹介されています。
新聞の社説やコラムで、文章の構造を手で書き出すトレーニングなどが紹介されており、本書の通り取り組めば思考力が向上することは、自分の経験とも符合するところ。
確かに、本を読みながら紙とペンを用意してというのは面倒ですが、その手間をかけるだけの価値は十分あるかと思います。
シンプルだけど、非常に効果の高い思考訓練の方法を知りたい方にはおすすめの一冊です!

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