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上機嫌のすすめ〜運転者/喜多川泰

出典は不明ですが、人生プラマイゼロ理論なるものがあります。
幸運のできごとと不幸なできごとの総量は人生を通してゼロになるというもの。
不幸のあとには幸せが待ってるから今を頑張って耐えよう、幸運が続くときには不幸がまってるかもしれないから用心しよう、という人生訓みたいなものですね。


多分、正確にはゼロにはならないし幸不幸は数字で測れるものではないので、こんな理論嘘っぱちだといってしまえばそれまで。
でも、人生を生き抜く上でそういった思想を持っていることは、より良くというか強かに生きていく上で一つの拠り所になるのかもしれません。


ついてる時に慢心せず、不幸な時にも腐らないのと同義ですからね。



本書はそんな「運」にスポットを当てた一冊。



あらすじ


主人公の修一は、保険の営業マン。
歩合制の給与形態であり、近日大量に解約者がでたり、家庭環境も娘が不登校だったりで、仕事も家もうまくいっていない状態。


そんな絶望を感じていた時に突如現れたタクシーの「運転者(運転手ではない)」との出会いにより、修一の人生は一変します。


運転者曰く、よいことをすれば運は溜まるし、よいことをしてもらったりラッキーなことがあれば運を使っている。しかも、その運は自分の世代だけにとどまらず、自分の子孫にも受け継がれていく、とのこと。
で、そのタクシーは先祖からの溜まった運をお金に換算して走ってくれるというものでした。


話が進むにつれ、修一は自分が乗るそのタクシーは、自分の父、さらには自分の祖父からの運により走っていることを知ります。
戦争で早逝し、運を貯めてくれた祖父、そして、祖父の運を使い切ることなく修一に残してくれた父。
彼らの思いや生い立ちを知った修一がとった行動とは・・・というところで話は終わります。



チャンスをものにする鍵は上機嫌でいること



本書では、修一が不機嫌・イライラしているせいでチャンスを取りこぼしてしまった場面が多数出てきます。

著者の喜多川さんが本書を通して読者に伝えたいメッセージの1つは
「常に上機嫌でいなさいよ」
というもの。


機嫌と運、なんの関係があるんじゃいというところですが、一応論理は通ってます。
例えば、他人から自分に幸運がもたらされる場合。

いつも穏やかニコニコで話かやすい人とイライラして話しかけづらい人がいたとしたら、多くの人は前者に話しかけたいと思うはずです。
となると、前者の方が幸運がもたらされる機会が増え、結果、幸せになっていくという話。


自分の周りの人に話かけてみても、穏やかでこちらの話をちゃんと聞いてくれる人には能動的に話かけたくなります。
そういった人には幸運のチャンスだけではなく、どんな情報でも多く集まってくるので、結果幸運に繋がるという場合もあるかもしれませんね。


主人公は「そんないつも上機嫌でいられるかボケ!」と運転者に当たります。
けど、自分の機嫌をよく保つこと、人をよく褒めること、明るく考えること。
生まれ持って代えられない部分はあるかもしれませんが、これらは習慣による部分がおおきいかと思います。


だいぶ話が飛躍してしまいましたが・・・・みなさんも、常に上機嫌でいることから心がけてみてはいかがでしょうか。

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