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今日一日を新たに生きていく4-2

11月も中旬。この一週間は気温が以上に高い。昼間は暑さを感じるほどで、なんなら半袖でも問題なく過ごせてしまう。去年の今頃の写真を見るとすっかり寒そうな装いであるのに、何ということか。
そして、気温に関係なく例の感染症の広がりが勢いを加速させている。
服装の緩みと相まって気を緩めることなどせず、油断なく日々を生きている。

〈前回のあらすじ〉
【人生のどん底】を認めざるを得ない事になった俺は、自分の足で【自助グループ】の扉を開ける。そこでは薬物を止めたいと願う仲間が集い【ミーティング】を通して自身の経験を分かち合う。俺がこの【自助グループ】にしがみつき、人生の軌道修正を行う理由とその為に必要な【自助グループ】が提供しているプラグラムについて紹介する雑記

今回は俺が連日の様に通っている【ミーティング】について紹介できる範囲でしてみようと思う。俺が通っている薬物依存からの回復を目指す自助グループは日本全国で、毎日様々な場所で同じ時間に行われている。今現在約【560】の会場でミーティングが開かれている。そこでは一体何が行われているのだろうか…
※以下、自身が参加している【自助グループ】に関する記述である。他の自助グループとは違う部分があることもご承知おきをば。

ミーティングの種類と参加方法

ミーティングには基本的に、誰でも参加出来る【オープンミーティング】と、当事者だけが参加出来る【クローズドミーティング】が存在する。

誰でも参加できる【オープンミーティング】とはいえ、発言出来るのは当事者のみである。それ以外の方は見学という形で参加することとなる。当事者以外の参加者というのは、主にご家族の方、施設職員の方、病院関係者などであると思う。俺が参加している自助グループでは、学生さんが授業の一環で見学に来られることもある。

大抵の場合、見学に来られる方は、自助グループに初めて来られる当事者の方と一緒の事が多い。
どの自助グループでもそうだと思うが、初めてその扉を開けるということは非常に勇気がいる。もちろん一人で来られる方も多いが、自助グループを知ってる関係者の方が一緒に来てくれることによってその人の背中を押すきっかけとなる。非常に有り難いことである。

参加に関しては、基本的に予約などは要らない。近くにある会場の場所と時間を調べて来てもらうだけで良い。
【自助グループ】に関しては入会金や会費といったものや、会員名簿といった個人と特定するもは一切ない。安心して参加して頂きたい。

今はコロナウイルス感染症の影響により、急な会場の変更や休止の恐れがある。その為各自助グループのHPなどを確認の上、足を運んでいただく必要がある。

俺自身も初めて自分の足で自助グループの扉を開けた時、非常に緊張した。
俺は一度紹介で参加した事はあったとはいえ、ほとんど記憶になかった状態だったし本気で止めたいと思ったものだったから期待もあったのだと思う。【自助グループ】に参加すれば止める方法を教えて貰える。そんな所だっただろうか。

他にもその会場には一体どんな人が集まっているのだろうか。その不安は大きかった。
いつかの記事にも書いたが初めて参加することとなった会場で見た人たちの多様さに驚いた記憶が蘇り、正直言って怖かった

それでも一歩。勇気を振り絞り扉を開けた光景は今でも鮮明に覚えている。
確かに色んな人は居たが、あの時はシラフな事もあり、そこまでドギマギする必要もなかった。もちろん終始緊張はいていたが。
その【自助グループ】に関する説明を受け、ニックネームを伝え、ミーティングが始めるのを待っていた。

ミーティング会場について

ミーティングは基本的に60分もしくは90分間の中で行われている。会場によってその時間は違うが、決められた時間に始まり、予定通りの時刻に終わる。貸していただいている会場の都合にもよるのだろうが、そこはやはり円滑に会場を借り続けるためにも、予め決めておいた事は守るに越した事はない。

ミーティング会場となる場所は、その多くが地域にある公民館や公共の施設の一室をお借りする事が多い。そしてこの【自助グループ】は元々アメリカから入ってきたこともあり、教会をお借りして運営している所も少なくない。

教会を借りていることからか、そのイメージとして【自助グループ】が何かの宗教ではないかと勘違いされることも多々あるのだが、あらゆる宗教とは一切関係がないことをお伝えしておく
余談ではあるが、教会を借りている場合が多々あるよりも数は劣るが、お寺の一室を借りてミーティングを行っているグループも存在する。

もしこの【自助グループ】が何かの宗教に属すのであるならば、神仏折衷、手当り次第に会場を借りることはきっとしないだろう。宗教ではないと言い切る理由としては弱い気もするが、誰かに問われた時はこう言う事にしている。

ミーティングに入る前に…

一時間から一時間半の間に一体何をするのだろうか。
その内容にもいくつか種類があるのだが、まずは【テーマミーティング】という一番オーソドックスなものを紹介する。

ミーティング開始時刻になると、まずは【セクレタリー】という会場係の人が始まりの挨拶をする。この挨拶からミーティングを始めるまでにいくつかの行程があるのだが、この部分はミーティングの種類に関わらずほとんどの会場で行われている事がある。

まずはミーティング中の注意事項の説明。会場によってルールは少し変わってくるが、基本的には妨害行為などが無いよう、参加者全員に配慮をお願いする。
そして次に【リーディングカード】という【自助グループ】それぞれにある文献の一部分を抜き取った文章が数枚あるので、それを順番に読んでいく。
内容は、その自助グループがどういった所であるのかを紹介した文章や、プログラムの1つである【12ステップ】の一覧やグループの運営の指標となる【12の伝統】と行った文章がある。

その後はその日、【自助グループ】に始めてきた人がいれば、会場の説明と自己紹介の時間を設けている。この【自助グループ】で一番大切にしているのは【新しくやってきた仲間】の存在である
自分たちがこれまでに【自助グループ】から受け取った数々のギフトは、新しくやってきた仲間に手渡していくことで、自分たちのクリーンも保たれていく。

新しくやってきた仲間がいる場合は、その人に【ホワイトキータッグ】というキーホルダーの様な物をお渡しする。
これは『アルコールを含めた薬物を止める最初の一日』の証としてお渡しするもので、俺たちはそれを【ワンデイ】と呼んでいる。
もちろんこれは、初めて来た仲間だけではなく、再使用してしまい、もう一度クリーンをやり直す意味を込めて申告した仲間にもこの【ワンデイ】のキータッグをお渡ししている。

そして最後にその日【クリーンタイム】を迎えた仲間が居るかを確認する。
【クリーンタイム】というのは、【ワンデイ】のキータッグを受け取った日から薬物を使わなかった日がどれだけ続いているか、というもの。

先に書いた【ワンデイ】のキータッグをもらった日から薬物を使わない日が30日・60日・90日・半年・9ヶ月・1年・1年半・2年と続いたら、その度に色の違うキータッグを受け取る事が出来る。

話が長くなったので、最後に一連の流れを再確認。
①ミーティングの開始前に会場の説明や注意事項を伝える
②【リーディングカード】と言う文献を読む
③自助グループに初めて来た方がいないかを確認して、居れば歓迎する
④【クリーンタイム】の確認を行い、居ればそれに合わせた【キータッグ】を渡す。

以上が終われば、いよいよミーティングに入る。この間、おそよ15分経過と言った所だろうか。残りが45程度。残りの時間を使って順番に各々が自らの【回復の経験と希望】の話をする。

つづく

今回は長くなったので、一旦ここまでということで。
次回こそは、ミーティングでどんな話をしているかを紹介しよう。
ミーティング開始時刻から、テーマに沿った話をし始めるまでの一連の過程、結構沢山あるが、毎回このプロセスは大切に取り扱っている。

毎回同じことを繰り返す
次回の記事でより詳しく書こうとは思うが、特に俺が参加している【自助グループ】ではこの事が重要な様に思う。
飽きること無く、自分にとって必要な事に取り組み続ける
ミーティングが始まってからの先に上げた一連の流れも必要なプロセスなのである。

【狼蓮】





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