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旅する本


先日、星野道夫氏の「旅する木」を再読してnoteにアップしたが、この旅する木に感動されて旅の魅力、本を読む喜びを若者に伝えたい思いで書かれた「旅する本」という本と出合った。

旅をする木|junchan (note.com)

旅をする本には2つのエピソードがある。
南極探検家である田邊優貴子に見知らぬ海外の人から「旅をする木」が郵送されたらしいが、その本のタイトルにマジックで木が本となっていたようだ。田邊さんはこの本を持参して南極と北極の旅をされたそうだ。

また島根県の今井美術館で星野道夫氏の写真展が開催されたことがきっかけとなり「旅する本」プロジェクトが発足したとのこと。

このプロジェクトについて (tabiwosuruhon.com)


著者はこのお二人に了解を得て、本書のタイトルを「旅する本」とされたようだ。
星野道夫氏の人を動かしてしまうほどの大きな魅力があることの象徴と受け止めた。

本書で紹介されている本は80冊。その中で私が読んだ本は旅する木を含めて8冊のみ。
サブタイトルが「開こう、心おどる読書の扉」とあり、旅に魅せられた英語教師である著者が情熱的に若者に情熱的に語っている。

また、本書は10の章から構成されている。
旅をする、訪れる、紡ぐ、想う、考える等、著書が旅を通して想ったこと、考えたこと等と共振するような本が紹介されている。

私も9室という海外の旅を象徴する部屋に海王星と木星が、そしてそれぞれ3室の学ぶ、表現する部屋に水星と太陽があるので、旅をしながら考え、写真や俳句として表現していくことに惹かれる。

80冊の本の紹介文がその本の持ち味を簡潔に且つ情熱的に伝えられており、以下の5冊は早速読んでみたいと思った。

日本語の歴史      山口仲美著
あいまいさを引きうけて 清水真砂子著
人生の授業       木村達也著
旅に出よう 世界にはいろんな生き方があふれている 近藤雄生著
日本のゴーギャン 田中一村伝 南日本新聞社


著者が本書の「旅する木」の項で引用されていた星野道夫氏の言葉がとても良かった。

結果が、最初の思惑通りにならなくとも、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味を持つのは、結果ではなく、過ごしてしまった。かけがえのないその時間である。

旅をする本の一部から引用


このメッセージは、まさにひとりひとりの人生をかけがえのない物語として受け入れていくことの豊かさを示している。




一通の書留届く百日紅

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