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ナパ バレーから

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ナパ バレーから遠くないところに住み始めて 30年が過ぎ、気がつけばそのワインばかりを飲んでいます。結局わかったことはワインはストーリー。そのナパ バレーのことを主に、それ以外の… もっと読む
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#カリフォルニアワイン

5月24日

 この日は特別な日として僕のカレンダーに記録してある。項目には「パリスの審判」と書いている。
 念のために noteを検索してみると、たくさんあります。多くの方がこのテーマに興味をもち、書いています。ただし、この日に限定した僕が語りたいのは、ワインのことです。
 とテーマを絞ると、noteの記事も1割くらいになってしまいます。
 英語で『Judgment of Paris』という、Parisという

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ロバート モンダヴィ

ロバート モンダヴィ

 5月16日はロバート モンダヴィさんの命日です。2008年のこの日、94歳で他界されました。ナパ バレーの名声がここまで高くなった、その功労者の筆頭に挙げられるのがこの人でしょう。実はまだまだ多くの人たちが関わり、功労者と称すべき人は多いのですが、それでもこの人が最もよく知られているでしょうね。ロバート モンダヴィさんの興味深い話はいろいろとありますが、今日はその中でも筆頭となる、きょうだい喧嘩

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Mount Veeder AVA

Mount Veeder AVA

ナパ バレーAVAというワイン産地の中に、中でもさらに特有のワイン産地がある、これをサブ AVAと言ったり、ネスティッド AVAと言ったり。これまでもいくつか紹介してきましたが、今日はマウント ヴィーダー (ネスティッド)AVAです。というのは今日がその誕生日ですからね。もう32年も前の 1990年3月22日です。

ナパ バレーを訪ねたことがある方は記憶を辿ってみてください。ぶどうの木が列になっ

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素人のワイン造り (12)

素人のワイン造り (12)

というわけで、僕は(むずかしくない方の)培養イーストを使いました。一袋5gのイーストをぬるい湯で溶いて、バケツの中のマスト(ぶどう粒を潰したグチャグチャの液)の中に入れただけなのですが、これで翌日まで待つと発酵が始まっていることがわかります。ぶどうが発酵すると、イーストが糖分を摂取してアルコールを生成し、二酸化炭素を放出します。マストの中で発生した二酸化炭素は泡となって浮き上がってくる、想像できま

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素人のワイン造り (10)

素人のワイン造り (10)

(しばらく休止していましたが、実はアイスランドに行ってきましたが、そのことは『アイスランド旅日誌』に書きましたので、興味があれば読んでみてくださいね。大変に面白い旅行でした。)

さて、ワイン醸造の話を再開します。

バケツの中ではマスト(ぶどう粒を潰したグチャグチャの液)の発酵が進んでいます。発酵が始まって1週間もすると、ほとんど安定します。今ここで改めて、発酵のことを考えてみましょう。

発酵

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素人のワイン造り(2)

素人のワイン造り(2)

先にアップした『素人のワイン造り』を自分で読み返してみたら、言いたいことの触りだけで終わってました。- - ;

実は「noteの書き込みは 1,000文字前後で収める」と一応決めていて、それは読んでいただける方に対する配慮なのですが、同時にそれは自分に対する制約でもあり、その結果書きたいことがたくさんあると、こういうことが起こります。

で、決めました。書きたいテーマを書き終わるまで回数を重

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ナパ バレーの熱気球ツアー

ナパ バレーの熱気球ツアー

ナパ バレーの観光の一つとして気球ツアー(Hot Air Baloon Ride)があります。早朝、熱い空気を孕んだ気球に乗ってふうわりと浮かび、上空からナパ バレーのぶどう畑を見下ろすのです。僕はまだ乗ったことはありませんが、考えてみるとちょっと怖い気もしますね。

(画像は Visit Napa Valley から)

この写真に見入りながら、気球がゆっくりと移動するのを想像するだけでもワクワ

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ナパ バレーを概略すると

ナパ バレーを概略すると

ナパ バレーの話をするわけですが、まずアメリカ全体を見てみましょう。急がば回れと言いますね、あれです。まずは大きくアメリカ合衆国の地図です。

カリフォルニアは北アメリカ大陸の太平洋岸ですね。同じ緯度に日本を表示していますが、カリフォルニアの北限が札幌、南限のサンディエゴが長崎と同じくらいです。そしてサンフランシスコは仙台あたりです。カリフォルニアの北にはオレゴン州、さらにワシントン州(ホワイトハ

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ここからナパ バレー

ここからナパ バレー

ナパ バレーに入るずっと前に、「ここからナパ バレーに入りますよ」という印となる銅像が据えられています。それがこれ。

ぶどうの房を圧搾している人ですね。もちろん現代の大手ワイナリーではこういう作業はしていません。ほぼすべて機械化されていますが、機械化されるまではこういう仕事を毎年やっていたのです。

この像が据えられてある丘はサンフランシスコから北へ約 46マイル(75 km)向かったところにあ

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「ナパ」と「ナパ バレー」

「ナパ」と「ナパ バレー」

ナパ バレーというのは、実はナパとは違うのですよ。ナパと言えば City of Napa、つまりナパ市のことです。でも普通ナパと言えばワインの産地、と思いますよね。ところが、それはナパ バレーのことで、この2つは区別して知っておくのがいいですよ。混乱を避けるためにもね。それは地図を見ればすぐにわかります。

ナパはワインの産地ではありません。ワインの産地はナパから少し北に行って、地図上に Youn

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