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斎藤アリーナさんと歌詞のワークショップ その1

アリーナさんの鼻歌に歌詞を書く!そんなワークショップ

この記事を読んでくださっている方はもはや説明不要かと思いますが、斎藤アリーナさんは、昨年までNHKEテレ「ムジカ・ピッコリーノ」の不動のヒロインです。何ヶ国語も歌いこなす歌手として5年間番組に出演してくださっていました。今もなお、彼女への熱い声はネット上を賑わしています。そんな彼女は現在、音大生として学業に励みつつ、SSWとしてライブハウスでライブの経験を積んだりと、いよいよ本格的にミュージシャン活動を始めているという状況です。2月ごろだったと思いますが、プライベートでアリーナさんと僕が話してる時にふと思いついた企画をこの記事で紹介します。数回に分けてポストします。きっと面白いと思いますよ!

アリーナさんは僕にこう言いました。「チームでものづくりがしたい。音楽がつくりたい。」と。僕はこう思いました。「ほう。そうはいっても僕らは音楽が得意な映像屋さんだからねぇ。。。いや!まてよ!」そこでひらめいたのです。実は僕、会社で若手社員を巻き込んで「映像勉強会」と題して、2週に一度、始業前に集まり、仕事と関係ありそうなこと、なさそうなことを勉強しているのです。『撮影とは?』『編集とは?』『音楽と映像の関係は?』みたいなことからはじまり、『ぐっとくる題名とは?』『上司のキャッチコピーを考えてみよう』など、もはや映像と直接的に関係なさそうなテーマに展開、「キャッチコピーやネーミングのノウハウは、俳句に詰まっているのか!!!」などと、思いもよらぬ考えを見出したりと、この勉強会は、映像屋という枠を超えた思考集団になっていたので、「チームでものづくりがしたい」というアリーナさんの言葉を実現するきっかけみたいなものがつくれるかもと、直感的に考えました。

思いついたのは、「アリーナさんの鼻歌に歌詞を書くワークショップ」そんな企画。

アリーナさんに伝えると快諾。

どこに向かうかわからない思考の船はあっという間に、港を発ってしまったのです。

「アリーナさんの鼻歌→言葉を乗せる」 そこから何が見える?

ワークショップの仕立てはこんな感じです
1)アリーナさんに鼻歌のトラックを事前につくってもらう
2)参加者は当日、会の最初にこれを聴く
3)30分で歌詞を書く
4)匿名で投稿、スクリーンに投影し、みんなで眺める。
初回はここまで。

そして第二回は考察。
1)アリーナさんが、全ての歌詞のバージョンで録音。
2)それを聞いて客観的な学びを入れる

最終的にはアリーナさんとタッグを組める作家を見つけたい。そんな思いがあります。実際リアルタイムにまだ続いてるワークショップで、完結していません。適度にご報告していきますので、みなさんも楽しみにしていてください。

今回の投稿ではその前半戦を紹介します。

さて、みなさん気になってる、アリーナさんのお題のトラックとはどんなものか。発表でーす!

発表!!アリーナさんのお題トラック!!

この曲です。ふむふむ。ひとまず今回のワークショップでは、この曲のテーマとか、背景とか、一切伝えず、ここから歌詞を一斉に書いてもらいました。30分一本勝負。

さあさあ、どんな歌詞ができたかというと

では、参加者がひねり出した歌詞を匿名でここに発表します。とりあえず歌い出しをあいうえお順に並べました。13もあります。中にはアリーナさん自身が書いた歌詞もあります。どれでしょうね。

あいつは売人
茶色い粉の
あいつは売人
目をつけられてる
自分で手に入れるのは
難しい けど
再び欲しいんだ
またたび
叶えたくない 昼間
あすへの 希望とか
そういうの
どうでも いい 帰らせて
あなたの その 咳が
聞けるなら
凍りついてた水たまりの朝
君が笑って少しずつ
溶け始めたら
風も笑ってくれたらいいのなあ
ひとりぼっちだしオムレツを作ろうかな
ことばにすると
はらはら
ほどけていくようで
ぼくは言わない
どんな色どんな音どんなこと
隠しきれない
あなたに話してしまう
これくらいの気持ちに 揺れるなんて
どれくらいの時間(とき)を 重ねてきたの
まるで猫みたいな 3月の朝
顔を洗って ミルク飲んで
背中丸めて
少し早めのアラーム音
ぽつぽつの音 ほんのり入る日差し
少し汚れた靴をあえて履いて
もう一人の自分と会いにいく
電話のくせに えらそうだな
ららら 耳障り
あとちょっと
さっきのは
やっぱり夢だった
さすれば
枕の位置変えて また眠る
涅槃のこころ 座禅 Ha
曼荼羅 並べ 涅槃
涅槃のBEAT 
阿弥陀如来 如来
薬師如来
観音? ノン
菩薩? ノン
わたし如来
張られた麻 朝
あなたの駅は 朝がおわる 
どこへでも 行って いいよ
あなたの 足音だけ
聞けてれば
ゆーらゆらゆらーら ららら ら
空気がちがう そう きのうまでと 
ねぼけた山が着替えてる
ほほえみうかべながら
夕暮れに染まる 波の肌
浜辺に響く風が 穏やかに
わたしの記憶を ゆらゆらと
ゆりかご
揺れる足音 光へと
いつもと違う朝の 静けさを
あなたに運ぶ波に乗せて
掴めそうでパッと弾けた夢の跡
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーー ーーーがざわめく
ー ーー ーーー ーー ーーーーー
鮮やかな その横顔に
青空の下 君を いつまでも  見とれてる

歌詞を見ての考察 〜なぜみんな「まどろみ」ついて書くのか〜

思いもよらぬ言葉が集まり僕はびっくりしました。この歌詞に歌を乗せたものは次回の投稿でお伝えするとして、いろんな歌詞を見ていて一つの気づきがありました。それはこんなこと。多くの歌詞が朝のまどろみについて書いている。テーマも何も伝えられていないのに。もちろん朝行ったワークショップだったというのもひとつの要素だと思います。でも、メロディ先行で歌詞を作っていく場合、そういうこともあるのかなと思いました。つまりこういう想像をしたのです。

メロディとは、人類共有の記憶であると。人類共有の記憶であるからこそ、メロディ自体にイメージがあり、そのメロディに寄り添う作詞を目指した場合、同じようなイメージの言葉があつまってしまう。

つまり、言葉がなくても同じようなことをメロディで伝え切れているのかもしれない。

もっというと、歌をつくるひとは、人類共有の記憶の中から、メロディを探し出して出しているのではないか。とも。

本当かどうか、信じるかどうかはそれぞれなとこありますが、僕は結構グッとくる仮説だなと思っています。

集団で同時に思考するというのは本当に面白いものです。

次回は、いよいよ歌詞が歌に乗ります!

さあいよいよ次回は、今回出てきた歌詞が歌に乗ります。そこで見出したいのは、歌詞の「見た目」「読みごこち」「歌いごこち」この3つの視座から歌詞ってなんなんだろうねっていうことを少しでも客観化して見たいと思います。では!

今回も長文読んでいただきありがとうございます!


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