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忘れられない言葉

昨日、田村正和さんが亡くなられたというニュースを目にして、驚いたのと同時にやっぱりという気持ちが起きた。

2~3年前、放送した田村正和さんが若い頃、主演していた時代劇の新作を少しだけ観たが殺陣が出来てないと言うのは失礼だけど、刀を振る速度がそれで人が斬れるのかな?って、スピードで斬られ役の敵が田村正和演じる侍の刀に斬られたというよりも自ら刀に飛び込んで“ 斬られに ”いっていたので、殺陣をするのが体力的に厳しいのかなと感じていた。

姉が昔のドラマが好きで、

“ パパはニュースキャスター ”

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“ ニューヨーク恋物語 ”

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とか、再放送していたのを録画して観ていたのを僕もちょっとだけ観てたので断片的に覚えている。

酔って女性を口説くとき、

「女の子が生まれたら、愛情の愛と書いて“ めぐみ ”と読む」

こう言って、将来を一緒にと考えていると女性に思わせて口説く。
でも、結婚する気もなければ酔っているので口説いたこと自体、覚えてもない。

それから12年後。
愛と書いて“ めぐみ ”と読む女の子が3人現れて、あなたの娘ですと名乗る。
田村正和演じる人気キャスターが自分に娘がいることを世間に隠しながら、娘たちと暮らす日々を描いたドラマ。

パパはニュースキャスターはこんな感じだったと思う。

ニューヨーク恋物語は、ニューヨークでの恋の話なんだろうなって、ことしか知らない。

田村正和さん主演の時代劇は昭和のいつごろか知らないし観たことが無いので田村正和さんに時代劇のイメージはない。

僕の中では、田村正和 = 古畑任三郎だ。

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古畑任三郎も四半世紀近く前のドラマなので、10代20代は分からないだろう。
60~70年代、アメリカで絶大な人気を誇った刑事ドラマ。
“ 刑事コロンボ ”
をオマージュしたというか意識した刑事ドラマ。
脚本の三谷幸喜さんがそう言っていた。

ドラマの最初に犯行シーンと犯人を視聴者に見せ、田村正和演じる刑事・古畑任三郎が犯人の言動や行動から動かぬ証拠を見つけ出して逮捕へと導く。

古畑任三郎はドラマ開始冒頭。
田村正和演じる古畑任三郎が真後ろからライトが差す真っ暗なスタジオに立ち、これから放送する内容のヒントや関連する何かを言う。

その何かで忘れられない言葉がある。
忘れられないと言っても一言一句正確ではないが。

「え~、私は皆から嫌われている。
そう思われている方、いらっしゃいませんか?
安心してください。
そう思われている方の大半は嫌われています」

こう言った後、オープニングの音楽が流れる。

衝撃だった。
『え?そうなの?』
と。

じゃあ、僕も皆から嫌われている…?
という考えに支配されて、ドラマ本編を見たはずなのに内容が思い出せない。

翌日、学校に行って友達と話してても、

『皆、普通に話してるけど僕のことを嫌っているのかな…』

そんな考えが頭の中を駆け巡り、上の空な一日を過ごすことになった衝撃的な言葉だった。

人はいつか亡くなる。
そう分かっていても、誰かの訃報は寂しい気持ちになる。

田村正和さんのご冥福をお祈りいたします。

ジュースが飲みたいです('ω')ノ