塾依存に注意!
《塾依存》って言い方をすると、ちょっと怖いように感じるかもしれません。
塾講師という立場からこんなことを言うのはちょっとアレなのですが…
昨今は塾依存になってしまうお家や、依存させようとする塾が多すぎます。
今回は自分が塾で働いていて感じていること、そして業界の内部事情なんかをお伝えできればと思います。
生徒の塾依存
では塾依存とはどういう状態のことを指すのでしょうか?
生徒の塾依存はこんな感じです。
●塾の指示がないと勉強することができない
●自分では勉強ができないから塾の授業で解決しようとする
●塾でありがたい話を聞いて賢くなった気分になってしまう
●特定の講師を妄信している
生徒の場合は、
自分では勉強ができなくて塾依存になってしまうパターン、
そして意識が高いゆえに塾依存になってしまうパターンの両方があります。
共通点は「塾からの指示を受け身になって聞いてしまう」ということでしょうか。
これは誰しも持っている側面なので、一概に責められはしません。
こちらの記事でも書きましたが、塾を辞めたとたんに勉強ができなくなってしまう子も多いんです。
塾で手取り足取り教えてもらっているから、自分で勉強の仕方を一から考えて実行することができない。
でも塾では先生が手伝ってくれるから…
「塾に通ったから、成績アップできた!」
みたいな、まさに《塾にとって都合の良い子》が出来上がってしまうんですよね。
塾に通って成績が上がるのはとても良い事。
でも塾がないと勉強出来ない人になってしまっては本末転倒ですよね。
長い目で見たら損失にしかなりません。
いずれにせよ、自分の意志で勉強していくことが必要になってきます。
親の塾依存
親の塾依存にはこんな傾向があります。
●塾に通わせていないと心配
●塾がないと情報が入ってこないから頼りがち
●大切な決断を塾に任せる
●成績が上がらないのは子供じゃなくて塾が悪い
勉強の主体はあくまで生徒。
それを塾が主体かのように考えてしまうと、塾依存の状態に陥りやすいです。
「成績が上がらないから授業を増やさなきゃ」って言う考えは間違ってはいませんが…
勉強はそもそも自分でするもの。
いくら塾の先生が熱心に教えたとしても、生徒自身が勉強をしないと意味がありません。
塾の授業中だけ勉強したって、伸びるわけがありませんからね。
また親に受験の知識がなさすぎるのも塾依存の原因の一つです。
不安を解消するために、塾の提案を全て聞き入れてしまうことになります。
特に共働きの家庭だと子供と接する時間も少なくなりがち。
塾での勉強の様子や学校の成績など…
塾からの情報に頼らざるを得ません。
塾と家庭とで情報を共有することは大切です。
しかしこれに頼りすぎるのも良くないですよね。
「家では集中できないようなので、塾に毎日来れるようにした方がいいですよ!」
とか、
「本人が英語が苦手だと言っているので、英語の授業も追加しましょう!」
とか…
言いなりになりやすいんです。
あと「とりあえず塾に入れておこう」みたいな考えだと塾依存の状態になりやすいですね。
やはりここでも、意志や目的を持った塾の利用が大切になります。
塾目線だと…塾依存の状態を作り出した方が儲かる
塾依存って響きは悪いことのようですが…
ご両親のお仕事や子供の性格面など、様々な事情がありますからね。
100%ダメなこととは言えません。
誰しも不安を払拭するために塾に通っている側面はあるのですから。
しかし、依存体質は塾にとっては格好の餌食。
塾も商売ですから、沢山授業を取ってほしいんです。
特に講習会なんかは、「夏期講習は全部で〇コマ契約させろ!」と各教室にノルマが言い渡されるほどです。
善意100%でやっている塾って結構稀なんですよ。
そうすると…
塾側の目線に立つと、塾依存をしてくれた方が都合が良いですよね。
本来必要のない授業も取らせることができるのですから。
自分で勉強ができない生徒。
塾に通わせていないと心配な親。
「これは授業増やさないといけませんね」と塾。
そしてどんどん、自分で勉強する力がなくなる生徒…
こうやって塾が儲かるスパイラルが出来上がります。
自分で判断し、勉強していく力をつけることが大切
いずれにせよ大切なのは、判断を全て塾任せにしないということです。
生徒については簡単。
自分でどんどん勉強を進められるようにしてほしいです。
自分で勉強計画を立てて実行していける力さえあれば、塾に頼るのはほんの少しだけでOK。
自分では解決できない問題の質問したり、勉強計画が間違った方向に行っていないかだけ確認してもらえばいいですね。
基本の勉強計画の立て方なんて決まっていますので、コツを掴めばすぐにできるようになります。
参考リンク:勉強計画の立て方。受験・定期テストの学習計画もこれでOK!
そして親側も、受験システムについて学び、子供がどれくらいの成績なのかを把握できていると良いですね。
本当なら取らせなくていい授業を平気で取らせる塾もありますから。
この辺りは親子で話し合う時間を取ることである程度解決できます。
基本的には自分で勉強できるけど、大切なところだけ塾の判断を仰ぐ。
これで良いのではないでしょうか。
全ての塾が悪者という意味ではありません。
しかし己の利益のために、こういった状態を生み出してしまっている塾もあるということも知っておいてほしいのです。
以上、塾で働いていて感じることでした。
どうか塾業界の人の目には留まりませんように(笑)
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