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”人との関わり”の中で学びあうのが教育

一人のアスリートが引退した。

『自分一人ではこの場に立つことは出来なかった』

ソフトボール界のレジェンド
女イチローこと山田恵里選手(デンソー所属)がリーグ最終戦のあとに語った言葉である。

山田恵里選手(デンソー)

彼女は21年という長い現役生活を終え、今年度、引退を表明した。

『この21年間の中でどれだけの人と出会ったか分からない。
でも、本当に出会った一人ひとりの力でここにいるなと感じている

彼女だからこそ成しえた偉業がたくさんある。
ルーキーイヤーの新人賞、本塁打王、打点王、ベストナインは今でも語り継がれている。

周りでプレーを見た人は口々に言う”山田恵里選手とは、日々の積み重ねを大切にする努力の人だ”と。
毎朝4時半に起床し、早朝から打撃練習を行う。
自主練では、チームの選手とこれからのことについて語らいながらトスを行う。

そんな努力に貪欲な山田恵里選手の言葉から出てくるのは、自分自身の凄さではなく、周りの人との関わりから得たものであった。
偉業の裏側では、たくさんの人との出会いその出会いを成長へと繋げることができる考え方があったのだろうと想像できる。


『一人で戦っていたことなんてなかったんでしょうね。』

『若い時は自分のことしか考えていなかったですけど、年を重ねるごとにいろんな人と出会って、色々と学ばせてもらって、何が大切なのかというと人との繋がりだったり、誰かのためにがんばることが大切だということを学んできたので、自分一人ではこの場に立つことは出来なかったなと思っています。』

続ける人の周りには、必ずそれを支える人がいる。
20代後半がピークと言われるスポーツの世界で、38歳まで現役を続け、日本を牽引し続けてきた。

実績だけで語れない何か、それは、人との関わりを大切にして成長していこうとする考え方だったのかもしれない。


人との関わりから

山田選手が最後に所属したチームに私の妹が在籍した。

妹は次のように語る
『山田さんたちがチームに入ってくれて、教えてもらうことが増えた。聞いて具体的に教えてくれたことは、自信になり、技術の幅が広がった。』

山田さんが出会いを大切にして、その時々の言葉で成長していったように
妹もその言葉を大切にしていた。

学生時代は、「人と出会い、学ぶ時期」だと言える。
その時に影響力を持っている一人が教師である。
子どもたちにとって、教師との出会いがどのような意味を持つのか。改めて考えさせられた。

時には、引っ張っていくリーダー的な役割が。
時には、間を取りもち調整するファシリテータ―的な役割が。
時には、温かく見守り受容するカウンセラー的な役割が。

教師との出会いの価値が分かったころには、子どもたちは私たちの手から離れている。

言葉で語り、言葉で成長する我々だからこそ、出会いを大切にし
一期一会を意識した言動で日々接したいと思う。

(さるっち_白石圭祐@兵庫)

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