見出し画像

【雑感】J1_DAZN観戦_ジュビロ磐田VS横浜F・マリノス

勝てば首位浮上となる横浜Fマリノスとの一戦。力の差が顕著に表れた試合となりました。
ただ、我々はJ2から昇格してきたチャレンジャー。力の差があることは分かっていました。そんな競合相手に勝ち点を積むために伊藤監督を招聘したわけ(と信じたい)であり、そんな強豪相手にどんなプランを練ったのか、強豪相手にできたこと、できなかったことを振り返ってみたいと思います。

イイね、スキ、コメント、フォローなど頂けたら非常に嬉しいです!

1.スタメン

今シーズン伊藤監督は試合途中にシステムをいじることがあってもスタートは一貫として3-6-1(5-4-1)を採用していましたが、対マリノスとして4-1-2-3を採用してきました。
というのもマリノスは4-2-1-3のシステムを採用することが多いため、
・マリノスのSBに対して、WG
・マリノスの2ボランチに対して、2IH
・マリノスのトップ下に対して、アンカー
のように人を捕まえやすくし、前からプレッシャーをかけていくためにこのシステムを採用したのではないかと考えました。

事実、試合後のインタビューでも伊藤監督は以下の通りに述べていました。

――スタートから4-3-3で試合に入った狙いは?
まずはボール保持者に対してプレッシャーをかけたかったということが一つです。あとは裏の対応というところで、引いてしまうと相手の良い状態でボールが運ばれてしまうということがありました。ゴールよりも遠いところでプレッシャーをかけたいと。
試合後のインタビューより

前からプレッシャーをかけることで、ビルドアップからの前進を防ぐことができていたと思っています。(その分、13:20~のようにカウンターであわや失点というシーンもありましたが…)

また、WGに大森、ラルフをチョイスをしてきたのも対マリノスを意識したものだと考えています。
マリノスと言えば偽SBというイメージが強いようにSBの選手が中に絞ってプレーすることが多く、中に絞るSBに対して、付いていく必要がある、ということで中でのプレーも苦にせずできる大森、ラルフをチョイスしたのかなと。(WG特性をもった選手が少ないだけかもしれないですが…)
松原が中に絞った際は、大森がついていく、というシーンが多く見られました。
そんな状況に対し、松原選手がいたスペースに渡辺選手が移動することで、ジュビロの守備の基準値をずらしてきていたのがなかなか厄介でした。

2.疑似カウンター

実況の桑原さん、松原芳香さんから最初のシュートが70分過ぎでは厳しい、ビルドアップ(プレイアウト)が上手くいっていない旨を再三指摘されていましたが、ずっと試合を見てきている私からすると上述の通り対マリノスとして対策を練り、守備面では一定効果が出ているな~という感じで見ていました。

※もちろん私も勝てていない現状を良しとはしたくないが、今は発展途上なのでポジティブな面はポジティブに評価したい

攻撃面でもシュートには至らなかったが、プレイアウトから意図的に前進できていたシーンがあったので、取り上げてみたいです。

9:40頃のマリノスのCKを龍輝がキャッチ。2CBが広がり、間にアンカーのカヌが落ちてきて最終ラインは3枚に。この時両SBは高い位置を取ることができています。

この時にマリノスが凄いなと思うのが、誰1人立ち位置が間違っていないことです。正しい位置にポジションをとることでパスコースを消すことができています。そのため、ジュビロは前進することができず、龍輝に下げることを選択。そのタイミングでマリノスはチーム全体で前に押し上げてきました。

龍輝からボールを受けたリカルドに対して、上の図からもわかるようにマリノスはチーム全体で重心をかけてボールを奪いに来ました。
リカルドはヘルプに入ったカヌに下げ、カヌは空いたスペースに顔を出した昌也にパス。
ここから昌也、ラルフ、義道に繋ぐのですが、最後はパスミスでボールをタッチラインを割ってしまいました。

ただ、プレイアウトとしては狙い通りの形だったと思います。
①右サイドから左サイド逆サイドへの展開
②加えて後方へのパスのため、相手は押し上げてくる
③ただ、ヒトよりボールの方が早いため、相手がズレる間にスペースが空く
④スペースに顔を出し、ボールを受け、形勢逆転
これぞ疑似カウンター!

中でプレーができる昌也の良さが出たシーンでした。
このような流れでシュート、得点にまで繋ぐことができたらパーフェクトなんですが…

構造としては同じように左右に揺さぶり、後方へのバックパスで相手をおびき寄せてからのカウンターは後半にも見られました。

リカルドからのフィードを大森がすらし、健勇がキープし昌也に落とす。
昌也からラルフに展開。この時仲川選手の素早い戻りにより、前進できず。
義道に下げ、連続して仲川選手がプレッシャー。義道からボールを受けた槙人には西村選手がプレッシャーをかけ、槙人は龍輝にパス。龍輝には西村選手が連続してプレッシャーをかけにいきました。

左右の揺さぶりに加え、バックパスに対してマリノスの前線は押し上げるが、DFラインは押し上げできなかったことから、カヌがフリーで受けることができ、前進することができました。カヌ→力也→ラルフと繋ぎ、フリーランをしたヤットさんに出そうとするもカットされましたが、良い疑似カウンターでした。
我慢して繋ぐことが段々と実になってきているのかなと思うシーンでした。

3.1失点目

ここからは失点シーンを振り返ってみたいと思います。

54分頃のマリノスのスローインからの流れで岩田選手→角田選手→永戸選手と繋ぎ、アンカーのカヌの脇のスペースに立つ西村選手に出されたシーン。
この時、幅を取ったマリノスの3トップによりジュビロの最終ラインはピン留めされており、西村選手にプレッシャーをかけることができませんでした。
西村選手のトラップが流れたことと力也の戻りにより、前進を防ぐことができました。

このシーンで気になったのがヤットさんのポジショニングです。

まず、角田選手の体の向きから、考えられるパスの先としてマリノスの左サイドのみになるため、力也はプレッシャーをかけ、規制をかける。
ラルフはパスの受け手である永戸選手に寄せています。本来でここで奪えればベストでしたが…

次にカヌとしてはアンカーであるもののむやみにバイタルエリアを空けたくない。ただ、システムの嚙み合わせ的にマークの対象となる西村選手がフリーでボールを受けるのは阻止したい。
そのためにはボールサイドの逆のIHであるヤットさんが横ズレし、バイタルエリアを埋める必要があると思っています。

この時ヤットさんは角田選手が永戸選手に出したタイミングで対面にいる岩田選手の方向に走っていました。恐らく岩田選手へのパスコースを潰すためだと思います。

チームとして前から行くことをプランとして持って挑んだ試合であるものの、IH2人が最終ラインまでプレッシャーをかけることはプランにはなかったと考えます。4-3-3をやる以上はIHの横ズレ問題を改善する必要があるのではないでしょうか。

次に西村選手からボールを受けた渡辺選手→岩田選手→水沼選手に繋いだ54:14頃のシーン。
ここでいやらしかったのが松原選手。偽SBとして中に絞るポジショニングをあえて昌也に寄ることで、昌也が水沼選手にアプローチするのを遅らせていたのがいやらしかったですね。この試合を通してこのような松原選手の動きが多かったです。

水沼選手がボールを受けると松原選手が前を横切って移動。
松原選手がいたスペースには藤田選手が移動。
ヤットさんは藤田選手が後ろにいることをルックアップで確認しているようにDAZNでは確認できました。
恐らくですが、ヤットさんは藤田選手だけでなく自分の背後にカヌがいることも把握したので、水沼選手の対応をしている昌也のヘルプに動き出しました。
と、その瞬間藤田選手がヤットさんの背後で動き、フリーでボールを受け、松原選手にスルーパス。
チームとして奪いに行くのか、ステイするのかという点がまだ徹底されていないように感じました。

その後、大森が裏を取られたので、リカルドがカバーに入りました。
西村選手が槙人に寄っていき、レオセアラ選手を義道が見ることになったことで、仲川選手がフリーとなり、決められてしまいました。

ジュビロとしては4バックのうち2選手がゴール前からつり出されたのがきつかったですね…
その際に、リカルドのカバーにカヌが入ったほうがいいのか、それともゴール前で枚数を確保するのか。

あとは西村選手が槙人に寄っていきポジショニングが巧みでした。
力也が西村選手についていくのか、レオセアラ選手を見て義道を押し出し、仲川選手を見させるのか。難しいところですね…

4.2失点目

まずは61:10頃のシーン。

マリノスのビルドアップの際に高丘選手がボールを持った際に、チーム全体で前からプレッシャーをかけていきましたが、松原選手に出され、逃げられたシーン。
2.疑似カウンターの2つ目の例でも取り上げたジュビロのようにGKがプレイアウトに関わるとその分マークを浮かすことができるのがいいですよね!
ジュビロのプレイアウトではカヌが下がってきたりと、ボランチがサリーダをすることが多いので、足元の技術に優れた龍輝がプレイアウトにもっと絡んでほしいです。
このシーンでボールを受けた松原選手が水沼選手に鋭い縦パスを送っていたのですが、松原選手の凄さをこの試合で嫌というほど感じさせられました。攻撃面はもちろん、本業である守備面でも素早い出足でパスカットがあったりと抜群でしたね。
年齢の関係があるかもしれないですが、日本代表で是非見てみたい選手です。

松原選手からパスを受けた水沼選手のクロスを弾き返したジュビロでしたが、その後のクリアをマリノスに回収された61:40頃のシーン。
マリノスの最終ラインまでボールが渡ったことで、前線からプレッシャーをかけていきました。

この局面では4-3と数的有利の状況でしたが、見事に逃げられてしまいました。
この後逆サイドの仲川選手まで運ばれ、仲川選手に対して義道が対応するも自由にやらせてしまい、クロスから失点。
どちらの局面も対応はしているが、マリノスの選手としてはプレッシャーを感じていないんですよね、きっと。
この辺のインテンシティはやはりまだまだ足りない部分ですね…

5.最後に

ジュビロのインテンシティ不足問題を解決してくれると期待していた大記が復帰時期が未定とのこと…

伊藤監督が求める選手だと思っているので、非常に残念です。
ただ、大記は絶対這い上がってきてくれる。
サックスブルーの10番のプレー、伊藤監督×山田大記を見れるのを楽しみにしています!
ずっと待ってるよ!

久しぶりのレビューですが、いつも文量が多くなってしまう…
「事象」の内容が多いんかな…
とは言え、「事象」がないと「要因」にもたどり着かないし…

有識者のレビューを見て精進ですなぁ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?