見出し画像

土木技術者が読んでおきたい書籍 ~委員によるビブリオバトル~ vol.12

土木技術者の皆様、お疲れ様です。
教育小委員会の加瀨です。

私事ですが、先週、宮城県石巻市を訪れる機会があり、そこで東日本大震災の震災遺構を見学して来ました。
震災発生から10年以上経過した今、当時の記憶が少しずつ薄れていく中で、
被災状況をそのまま保存している施設や、被災者の声に触れたことで、
改めてこの経験を後世に伝えていく必要があると感じました。

そんな中、今回紹介する書籍はこちら。
東日本大震災の実体験に基づく 災害初動期指揮心得」です。

本書籍は、国土交通省東北地方整備局が経験した、東日本大震災発生時の初期対応を詳細に記録、課題などが記された1冊です。
また、本書籍ですが、Amazon提供の電子書籍アプリ「kindle」上で無料で読むことが出来ます
本書籍を紹介してくれた井川委員のコメントはこちら。

2011年3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震により、東日本大震災の災害が発生しました。
私は東京都内の工事現場で経験したことの無い強い揺れを感じたことを覚えています。
この書籍では、東日本大震災で国土交通省東北地方整備局が経験したことを詳細に記録、課題などが記された1冊です。地方整備局の記録ですが、私のように建設会社で働く社員としても災害発生時の初動対応、心得を知るために重要な1冊ではないかと思います。
「備えていたことしか、役に立たなかった」と書いてあったことが、非常に考えさせられました。東日本大震災の当時、私は入社2年目で初めて経験する大規模災害でした。地震発生時には自分の身を守ることで精一杯であり、地震直後も何をすれば良いかもわからない状態でした。また、その後の災害復旧工事や支援などについても何をすれば良いかわからない状態が続きました。現場の所長の指示に従い、現場の状況確認から様々な関係先への連絡などを行ったことを覚えています。
現場には緊急時の連絡先や報告内容などマニュアル化されていましたが、私自身の理解も浅く、地震直後には何もできませんでした。
巨大地震が頻繁に発生する日本において、東日本大震災のような大規模災害がいつ発生してもおかしくはありません。また、地震以外にも豪雨、台風など様々な自然災害も発生する可能性があります。
工事現場だけでなく、緊急時の対応については、会社、大学などで決められていると思います。また、避難訓練なども実施している場合もあると思います。一度、自分が普段いる場所の緊急時の対応について再度確認することから、「備え」をしてもらえればと思います。
この書籍は国土交通省東北地方整備局が製作、電子書籍版を無料で公開しています。東日本大震災の重要な記録だと思いますので、ご活用していただければと思います。

地域住民の方や救助隊の経験談を見聞きする機会は多々あると思いますが、建設業界の人間視点での事細かな記録、というものはあまり類が無いため、
是非皆さんも一読してみてはいかがでしょうか。

少しでも記事を『面白い』・『ためになった』など思ってもらえたら、
是非noteの「スキ」をお願いします。
なお、InstagramやX(旧Twitter)では、
noteにはないコンテンツを展開中です。是非チェックしてみて下さい。

Instagram

X(旧Twitter)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?