「仮想通貨」「トークンエコノミー」時代のWebサービスに必要な3つの要素
この記事のまとめ
・これからのサービスには「価値を可視化する」「価値を増やす」「価値を換金する」という3つの要素が必要。
・この中でも「価値を可視化する」は必須の要素になる。
・「価値を換金する」も重要な要素だが、サービスに内包していなくても良い。
・「ユニポス」は非常に価値主義的なサービスなので、要注目。
目次
・「価値主義」の時代がやってくる
・「価値主義」時代のサービスに必要な3つの要素
・3つ全ての要素が必要なわけではないが・・・
・換金ができない「価値」は意味がない
・事例:「ユニポス」について
・「会社での働きやすさ」が可視化される
・【予測】「ユニポス」は就職&転職サイトになる
「価値主義」の時代がやってくる
企画を仕事にしている人は、常に「ちょっと先の未来」に何が起きるかを考えてしまいがちだと思います。
私も、本などで「ちょっと先の未来」のことが書いてあると、熟読して理解するようにしています。
最近読んだ本の中で書かれていた「ちょっと先の未来」の中でも特に衝撃だったのが、メタップスの代表取締役である佐藤航陽さんが書かれた「お金2.0」に書かれた「価値主義」についてでした。
以下引用です。
トークンエコノミーでは、特定のネットワーク内で流通する独自の通貨をトークンとして生産者が発行して、完全に独自の経済圏を作り出すことができます。通貨であるトークンにどのような性質があり、どんなルールで流通するかも企業や個人や組織が自分たちで考えて自由に設計することができます。
これまで価格のつきにくかった曖昧な概念もデータとして認識できればトークンにして市場価値をつけることができます。
つまり、今まで資本主義では可視化されてこなかった価値が、「トークン」によって可視化される……そんな時代が訪れると。
この「トークン」の1つが「仮想通貨」だと佐藤さんは述べています。「仮想通貨」は各経済圏(コミュニティ)内で流通している通貨、ということのようです。
この様々な価値がトークンによって可視化されて流通していく世の中を「価値主義」とお金2.0では呼んでいるわけです。
「価値主義」時代のサービスに必要な3つの要素
そんな「価値主義」の時代においてサービスを展開する時に、3つの要素が必要だと私は考えています。
1:価値の可視化
トークンによって価値が可視化されていく時代になっていくため、価値がよくわからないサービスはそもそも使われなくなる可能性があります。
2:価値の増加
価値が可視化されたら、増やしたくなるのが人間の性です。そうした「価値を増やす」ツールをサービスが内包する必要性も高まってきます。
3:価値の換金
「価値主義」や「仮想通貨」と聞くと、資本主義が無くなると思われますが、すぐにはなくならないと思われます。テレビや新聞が無くなる、と言われているけど無くならないと同じように。なので、そこで得た「価値」を、資本主義におけるお金に「換金」する機能の必要性は高まってくるでしょう。
3つ全ての要素が必要なわけではないが・・・
ではこれら3つの要素が全て必要なのかというと、そういうことではありません。
ただ1つだけ必須の要素があります。それは「価値の可視化」です。
「価値主義」によって、あらゆる「価値」を可視化する動きが活発になり、同時に生活者の中でも様々な「価値」の可視化ニーズが高まっていくはずです。
すると「何の価値が可視化されているのか」「どのように可視化されているのか」で、他のサービスとの差別化がされていく世の中になっていくと私は考えています。
有名なサービスを思い浮かべてみると、この「価値の可視化」が必ずされていることがわかります。
Facebookは「友達の多さ」、Twitterは「影響力の大きさ」、Youtubeは「動画の面白さ」「Youtuberのファンの多さ」が可視化されています。
換金ができない「価値」は意味がない
もう1つ、直近は「価値の換金化」ができないと意味がありません。
========(2018/01/15 12:20 追記)========
Twitter上で「法定通貨への換金を意味するのならば、必ずしもそうとは言えない。経済圏の中で提供できるサービスがあれば換金できる必要はない」とご意見いただきました。
例えばAmazonや楽天のポイントなどですね。
今回ここの「換金化」という言葉は、「今まで目に見えていなかった価値の換金化」という意図で使用しておりました。
言葉足らずで失礼いたしました。
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これはサービスに内包している必要はなく、別のサービスで換金できれば問題がないです。
例えばTwitterの中には換金機能はありませんが、可視化された「影響力の大きさ」によって広告主からオファーが来てお金をもらえる…といった形です。
逆に可視化されている価値がお金に換えられないと、直近は意味がない価値になるので、「換金できるか?」は重要な考え方です。
しかし直接的に換金できなくても良いと私は考えています。
なぜそう考えるか、例を示しながら説明します。
事例:「ユニポス」/会社での働きやすさが可視化
私が個人的に注目している「ユニポス」というサービスがあります。
ユニポスは非常に「価値主義」的なサービスで、かつ直接的に換金ができないがサービスとして成功する事例になりうると考えているため、ご紹介させてください。(別にユニポスの会社からお金もらっているわけではありません笑)
これは、従業員同士が感謝の気持ちとともに「ユニポス」というピアボーナスのポイントを送るシステムです。
「ピアボーナス」とは
従業員同士が少額の成果給を送り合うこと
上司から見えやすい卓越した定量成果だけではなく、
今まで見逃されていた日々の成果も成果給の対象となります。
ユニポスは1従業員あたり、固定のユニポスポイントが支給されます。
その支給されたユニポスポイントを別の誰かに渡すことができるのです。
例えば資料作りを手伝ってくれたメンバーに対してこんな感じで、従業員が別の従業員に「感謝のメッセージ+ポイント」を送ります。
これでもらったポイントは実際にお給料に反映され、1ポイントが2円に換金されます。
つまり、人に感謝されるような行動をした人が、たくさん「お金+メッセージ」がもらえる、素敵なサービスなのです。
このシステムの利用者の中ではポイントが換金されているのですが、このユニポスは今まで可視化されていなかった価値を可視化しています。
それは「会社の働きやすさ」の可視化です。
「会社での働きやすさ」が可視化される
従業員に支給されるユニポスポイントは、毎週固定になっています。
そのポイントは1週間経つとリセットされ、また別のポイントが支給されます。
なので、人にピアボーナスとしてポイントを渡さないと、そのポイントを捨てることになるわけです。
つまり、このピアボーナスは、お互いが感謝し合える環境じゃないと流通しないわけです。
言い換えると「ピアボーナスの流通額=どれだけお互いを信頼し、感謝しているか」となるわけです。
従業員がお互いを信頼し、感謝しあえる会社……それってとても素敵ですよね?
それは「働きやすさ」に直結する要素です。
そのため、「ユニポスが流通額が多い会社」=「働きやすい会社」と言えるわけです。
もちろん、従業員の数で流通額も変わるので、どちらかというと「従業員1人あたりのユニポス送付量」のほうが正確かもしれません。
※ちなみに私が働くRettyもユニポスを利用しているのですが、なんとユニポスを運営している会社よりもユニポス流通量が多いそうです。(ステマ)
【予測】「ユニポス」は就職&転職サイトになる
さて、ここからはあくまで私の予測なのですが、「ユニポス」は今後就職&転職サイトになることを狙っているのではないかと考えています。
なぜなら、この「働きやすさ」は「ユニポス」をトークンにしない限り可視化されない価値で、そのトークンの発行元であるユニポスの運営会社(Fringe81さん)しか持ち得ないデータになるからです。
今までの就職&転職サイトには「働きやすさ」が分かる情報がほとんどありませんでした。
会社側が都合よく編集した「働きやすさ」だったり、あったとしても誰かわからない人による「働きやすさの口コミ」しか無かったわけです。
それが「ユニポス」によって明らかになるわけです。これは今までの就職&転職サイトの課題を全て解決し、破壊していくポテンシャルすらあります。
あくまで私個人の予測でしかありませんが、大いに可能性があるのではないでしょうか?
私はこの「価値主義」に非常にワクワクしています。今後企画を考える時は「どんなことが可視化されていくとHappyな世の中になっていくのか?」を意識していこうと強く思ったのでした。
★Twitterをやっています。企画のタネを日々つぶやいています。
だいたいスターバックスで、あえてホットティーを飲みながらnoteを書いているので、ホットティー1杯くらいのサポートを頂けたら、こんなにうれしいことはありません。