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大橋淳史
2022年2月28日 19:00
8回に渡って開講されたオンライン講義は、いかがだったでしょうか? 科学のなかでも、私たちに身近な事例に絞って話を進めてきました。8回の講義を通して、世界を見る視点が少しでも増えれば嬉しいです。まとめさて、オンライン講義についてかんたんに解説します。第1回は、この講義の主目的を理解するために、私たちの認識が如何に曖昧か、そして、正しい決断とはなにかについて考えました。そして、第2、3回で科学技
2022年1月21日 19:00
日本が、他の国の窮状を助けることができるとき、あなたの払う犠牲の限界はどれくらいでしょうか?今回は、第4回と同様にひとつの事実を、いくつかの視点から考えることで、あなたの決断について聞いてみたいと思います。前回の記事はこちら。第8回 あなたの犠牲の限界は日本が、この国の窮状を救うことができるとして、あなたはどうするでしょうか。今回の舞台は、ニジェール共和国(ニジェールと略します)、西ア
2022年1月14日 19:00
原子力発電と、その稼働によって生じる高レベル放射性廃棄物の処分について、考えてみましょう。とくに高レベル放射性廃棄物の処分については、原子力発電をどうするのかと関係なく、考える必要があります。科学は基準を示します。しかし、その価値は、あなたが判断しなければなりません。前回の記事はこちら。第7回 原子力発電世界においては、原子力発電は、さまざまな発電方法のなかの選択肢のひとつとして使われる傾
2022年1月7日 19:00
枯渇しないエネルギー源のうち、安定して電力を得られる発電方法は、水力発電と地熱発電です。しかし、このふたつの発電方法の発電量には、大きな差があります。なぜ、それほどの違いが生まれるのでしょうか。また、ふたつの発電方法は、「自然に優しい」のでしょうか。それを考えてみましょう。前回の記事はこちら。第6回 水力発電・地熱発電第6回と第7回は、私たちの便利で豊かな暮らしを支えるエネルギーについて考
2021年12月31日 19:00
あなたにとって、水という資源の価値は、どれくらいでしょうか?日本では、蛇口をひねれば飲める水が出てくるので、水は「あって当たり前」のものだと思うかもしれません。しかし、視野を広げて世界を見渡せば、水は、今後20年の間に争奪戦が起こる可能性もある、希少な資源なのです。前回の記事はこちら。第5回 水地球は、表面の7割が水に覆われており、水の星ともよばれることがあります。この事実からは、水が希
2021年12月24日 19:00
あなたは天国にいちばん近い島、ニューカレドニアを知っていますか?そして、この島の自然を、あなたが破壊していると知っていますか?独自な自然を持つ美しい島、ニューカレドニアの悲劇に対して、あなたは一体何ができるでしょうか?前回の記事はこちら。第4回 あなた暮らしの犠牲とは講義が折り返しに来ましたので、今回は、少し趣向を変えて、ひとつの事実を違った視点から見たときの、あなたの決断について聞い
2021年12月17日 19:00
ワクチン接種と健康診断の徹底で、根絶できる病があります。しかし、つい最近まで、日本では、そのワクチンは使われていませんでした。効果があるのに、なぜ利用されていなかったのでしょう。それを理解するために、ワクチンを巡る種々の課題、たとえば、社会資源へのフリーライド問題などについて考えてみましょう。ワクチンを考える上で重要になるのは、前回考えた、全体と個別を区別する習慣です。たとえば、1万人中、99
2021年12月10日 19:00
SNSは、世界の人々とリアルタイムに繋がって情報交流できる優れた科学技術です。しかし、その利用には一定の注意が必要になります。具体的には、SNSを通じて得られる情報には、一定の偏りが存在する可能性が高いことが課題になります。ひとは知らないものは探さず、見たいものだけを見る性質を持っています。確証バイアスとよばれる、このひとに備わった性質が、情報化社会によって、問題になってきています。第2回とな
2021年12月2日 22:16
あなたは、科学と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?私は、化学を専門とする科学者ですが、愛媛大学教育学部で10年間、教員を続けてきて、大学生をはじめとして、たくさんの小学生、中学生、高校生と話す機会を持ちました。かれらの持つ科学のイメージは、大体のところ、「難しい数式」や「たくさんの暗記」であり、だから苦手であり、そして自分には縁遠いものだと感じていることが多いことに気づきました。たしかに