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来週の相場見通し Vol.3(20/6/22~20/6/26)

1.来週の注目イベント

無題

来週は主要国決定会合はなし
入札は米国では2,5,7年、欧州ではドイツ2035年入札
(その他、ベルギーやオランダなどでも超長期入札あり)
ファンダメンタルズ指標では火曜日の欧米PMI関連に特に注目

先週の地区連銀PMI系では、NY連銀、フィラデルフィア連銀指数がともに市場予想を大幅上ブレとなる改善を示している。欧州も米国に続くか注目

(先週の米指標結果(雇用・経済活動・信頼感系指標))

無題

出所:Investing.com https://jp.investing.com/economic-calendar/

一方、先週は改善が期待された米新規失業保険申請件数などの週次雇用指標が市場予想ほど改善せず。今週の同指数にも注目が集まる

あとは24日のIMFのWorld Economic Outlook。6/10発表のOECD四半期経済見通し同様、厳しい内容になる模様


2.来週の相場見通しディスカッション


H「先週の相場は一言でいえば一進一退のもみ合い相場って感じかな。ただ株式市場は脆弱な地盤にも感じた。実際そう感じたこともあって、株はこまめな利食いをしてきて、結果的にはうまくいったわ」

U「先週のポジション判断は上出来でしょう。株はレンジを想定していて、月曜の急落時にもStopでリスクコントロールをしながらしっかりと耐えて、上がったところではこまめな利食い、金曜の上昇時はコアポジションの小ロングも利食ってニュートラルにし、週末リスクを回避。十分よくやったね」

S「そうだね。ただ反省するなら先々週のFOMC翌日に株が大幅下落した局面で株を積み増ししたことかな。東京時間のS&P500先物3000割れのタイミングであれば良かったが、エントリーしたのはNY時間だから既に半分くらいは戻してたし、結局NYの引けも同レベルだった。今週末は週末リスクを意識して金曜中に全て利益確定してノーポジにしたけど、同じような判断は先週末時点でもできたよなぁと思い返した。だから金曜に積み増さず月曜日積み増していれば、120点あげたい。笑」

K「先週は、先物価格でみた24時間ベースでの日中のボラティリティはそれなりに高かったが、現物引け引けで見た時の値幅はそこまででもなく、下がったところは買われる展開となったので、株価は引き続き上昇トレンドを維持。一方、為替と金利についてもボラティリティは比較的落ち着いていて、緩やかな下降トレンドが続いているね」

U「債券では超長期ゾーンが意外と弱かったなぁという印象。Fedオペや月末までの需給を勘案して超長期はもう少ししっかりイメージだったけど、先週前半の動きを見ると、金融政策の追加効果低減懸念や財政拡大からの超長期需給悪化を想定したスティープナーは引き続き入りやすい環境が継続していそうな雰囲気」

S「そうだね、週前半の超長期はたしかに弱かった。ただ個人的には水曜に2回目の20年入札(初めてのリオープン)を控えてたから、入札前の調整もあったと思ってる。結局は強い入札で、そこからは金曜までフラット気味だったしね。ただ株が上がるならベアスティープ、下がるならブルフラットの構図は変わらないと思うので、結局は株価動向とリスクセンチメント次第か」

H「じゃあ、今週の見通しとポジションに移ろうか。今週も基本はレンジ相場継続だと思ってる。株は基本は小ロングに戻したい。金曜の米株が引けにかけて下がったから、同じ水準でスタートするなら早速小ロングに戻してもいいかなと思ってる。債券も引き続き小ロング、ドル円はノーポジション」

U「俺は株も金利も今はレンジの中央らへんのイメージなので、週初は金曜日のポジションをそのまま継続(株ノーポジ、債券小ロング、為替ノーポジ)でいいかなと思ってる。レンジの安いところでは拾っていきたい

S「俺もレンジイメージだけど、株は先週よりも下落リスクが高まった印象。理由はシンプルにコロナ懸念。金曜日のアップルHLで米株は一気に下落したし、週末もフロリダなどの懸念週の感染者数は増加報道。全米ロックダウンはなくても都市・企業レベルでの再閉鎖はあり得るし、そういうHLが増えれば株は再びバリュエーション訂正が入りそう。S&P3000割れでは押し目として小ロング再構築して良いと思うけど、先週月曜の安値を抜ければ、その時はショートしてついていった方がいいとも思ってる。先週末に欧米オプション・先物満期を終えて、月末リバランスも控えるので、月末までの株の需給が良くないのも結構気になる」

U「レンジ想定だけど、イベントで気にしていくとすれば今週はPMIかな。先週は米地区連銀系のPMI指数が市場予想を大幅に上回ったけど、欧州の6月速報分では23日(火)のマーキットPMIが最初。Googleなどのマイクロデータレベルでは経済活動再開の動きが確認できるので、ここでPMIが一段の改善を示せれば、ポジティブサプライズで株が上に反応する可能性はあるかも。一方でSが言うようにコロナ感染者は増加し続けているので、やっぱり株下落ならコロナHLだろうね。あと気になるところとすれば、スケジュール表には載せなかったけど、主に週後半に予定されてるFedメンバーらの発言でYCCに対するコメントは確認したいね

H「OKです。では、とりあえずは月曜の様子を見ながら、株の打診ポイントを探ろうかね。債券はリスクオンになったところで金利が大きく上昇するイメージもないので小ロング継続で行こうと思うけど、いいかな?為替は引き続きノーポジで」

全員「良いです」

H「あ、そうだ。最後に。あと新華社が中国の国家安全法についての草稿公表を報道していたけど、中には『中国による国家安全法は香港の法制度に優先する』などが書かれている模様。常務委員会が次回会議を28~30日に開くことを決めたらしいから、月末まではこちらのヘッドラインにも注意しておいた方が良いね」


3.来週の相場見通し結論

株:レンジ相場継続
ポジション:ニュートラル

先週金曜の利食い後のニュートラルを継続。今はレンジ中央付近を想定S&P500を3000前後で小ロングを検討したい。一方コロナ懸念から再び株式市場が大き崩れる展開となれば、ショートでついて行くことも想定

金利:レンジ継続
ポジション:小ロング

先週末からのポジションを継続。株が上昇したとしても10年金利が0.8%を勢いよく超えていくイメージはないため、むしろ金利が上昇してきたところでは、ロングの積み増しを検討したい

為替(ドル円):強いビューなし
ポジション:ニュートラル

引き続きドル円は膠着状態。ここ1-2週間は以前に比べ逃避通貨としての円買いが選好されてきているが、いまだにドル円のドライバーは不安定なため、ポジションはニュートラルを継続する

※投資対象外だが、先週末に推したEURGBPのレンジブレイクトレードが奏功中。金曜日にレンジを抜けてきたため一段と伸びる期待が高まる。引き続きEURGBPのロングを推奨


(参考)先週のマーケット振り返りと騰落率

<株式市場>
グローバル株式は反発

無題


前週はFOMC後に株価大幅下落となり、今週も月曜日の東京・ロンドン時間は前週末の流れを引き継ぎ一段安となったことで市場不安が高まったが、その後は安いところでの押し目買いも入り、米国時間に向けて徐々に値を戻す動きとなり、米国時間開始後は一段と上昇したため結局は前日比上昇。今週は週末に欧米のオプション・先物満期を控えていたため、押し目では買いサイドの需要を支える要因となった。火曜日以降は株価はレンジ圏での安定推移。フロリダやテキサスでのコロナ感染増加などのヘッドラインが相場の重しとなったが、一段と売り込まれるような動きにはならず、押し目はしっかり買われての展開となった。金曜日のお昼前後にアップルからフロリダなどの4州でのアップルストア再閉店のニュースが流れるとリスクオフが加速、現物引け後は週末リスクが意識され先物が一段安となった

<債券市場>
米金利は小幅ブルフラット

無題


週前半は株の反発上昇を受けて再びベアスティープの動きが加速。水曜に米20年入札を控えていたことも超長期の重しとなった。水曜日の20年入札は強い結果となり、その後は超長期主導でブルフラット基調。米10年金利は結局前週末とほぼ変わらず。カーブはややフラットニング


<為替市場>
全面的に円高が進行

無題


株価が反発上昇し堅調さを保った一方で、為替市場ではコロナ関連のネガティブヘッドラインが意識され、逃避通貨がアウトパフォーム。一方、EM通貨やGBPの弱さが目立った

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