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六畳一間、ぼくのすべて。

ある日、古びれた文集を見つけた。
どうやら小学生が書いた作文集みたいだ。
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遠い昔に、記憶も遥か忘却の彼方に、第二宇宙速度で消え去ってしまったが、どうやら私の書いた作文が載った文集らしい。
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部屋の大掃除をしていたのだが、懐かしさのあまり、ついつい漫画やドラマのように、手を止めて読み入ってしまった。

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どうやら当時7歳の自分は、洗面台の排水溝にビー玉を転がり落としてしまい、取れなくなってしまった、という内容だった。
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まあなんとも子供らしいというか、可愛げのある内容だなあと。自分が親なら絶対に嫌だけど。
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しかしこれがまた、手前味噌になってしまうが、よく書けていた。
文章自体、言葉選び諸々はかなり稚拙にも関わらず、感情的でストレートな一文一文が、当時の焦燥感、今にも泣き出してしまいそうな、そんな感情が、読み手にもひしひしと伝わってくるようだ。
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私以外の文章にも目を通してみたが、同じような印象を抱いた。

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我々は自身の、いわゆる子ども時代と比べて、色々なものを手に入れてきた。
例えば自由、例えばお金、何かしらの技術、他にもたくさんあるだろう。
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しかし、それと引き換えに多くの、そして大切なものを、学び舎の体育館に、″旅立ちの日に″の歌と共に置き去りにしてきたのだろう。

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あの頃の、あなたの世界はどんな輝きを、どんな色をしていましたか?

#エッセイ #日記 #文集 #小学生 #ノスタルジー #卒業 #子供 #子ども

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