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フランスにおけるパン屋の立ち位置

料理人 Cuisinier 、パティシエ Pâtissier 、パン職人 Boulanger。

フランスの飲食を支える3つの身分。

「この身分のピラミッドは上記に挙げた通りの順番で、

パン職人は一番下だ」と、ある人が言っていました。

(個人的には日本にいる時から「すべての職業に上下はない」と思っていますが)

まるで芸術作品のように美しく、心を満たす一皿を提供する料理人やパティシエの方々には本当に頭が上がりませんし、「美食の国」であり続ける為に なくてはならない存在です。

ただ 日々フランスで生活して感じるのは、

パン屋が一番お客さんと近くて、「食」の土台を支えているのではないか

ということ。

それをすごく感じたのは、ロックダウンをした時のことで、

レストランを含め ほぼすべての お店に休業命令が出たにもかかわらず、

パン屋に関しては、スーパーと並び「生活必需品」とみなされ、

営業を許可されました。

日本人には ちょっと信じられないかもしれませんが、

それほど、パン と フランス人 は 「切っても切れない関係」なんです。

フランスでは、「その日のパンはその日に買う」という文化が今も根強く残り、

毎日パン屋に通う、ということが ごく普通で、

多い人は、朝と晩の2回来る というお客さんも。

毎日通って、売り子さんと世間話して、「じゃあ明日ね~」というのが生活のルーティーンになっている人も多くて、

ただパンを買うだけでなくて、心の拠り所にもなっていたりします。

常連さんとくだらない冗談を言い合ったり、

おつかいに来た子供に優しく話しかけたり、

パン作りに興味がある子供にちょっぴり厨房を見せてあげたり。。

とても優しい風景。

今の日本では だんだん目にすることがなくなってきている風景。。

そんな風景の一部として働けることは素晴らしいことですし、

本当にフランスに住んでいる人の「いのち を繋ぐ仕事」をしているんだな、と実感します。

朝は早いし、重労働だけど、

フランスでは身分は低いとされているけど、

なかなか誇らしい仕事です。

さぁ 明日も

夜明け前から働きます!

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