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とりあえず、やってみる。【kintone hive2023 東京 速報レポート】

皆さんこんにちは!川岸です。
kintone hive 2023もついに最終会場の東京です。
ラストの東京会場、速報noteとして書いていきます✍️✨

オープニングトーク

東京会場の司会は本林さん。人事を経験してから営業に異動されたそうです。
去年のkintone hiveは会場のリアル開催とオンラインでしたが、今年は会場のみでの開催。東京会場は、過去最大のお申し込みで1000名以上!2階席まで大盛況でした。

本編前にまずはあらためてkintoneの振り返りから。
kintoneの導入社数はなんと30000社を超えました!どんどんkintoneの輪が広がっていますね。
kintone hiveを楽しむための3ステップも復習し、ここから登壇発表です。

1社目 社会福祉法人八越会 ちどり保育園 吉岡 敦志さん

トップバッターは、千葉県千葉市花見川区検見川に保育園がある、ちどり保育園の吉岡さんから!「おじいちゃんおばあちゃんが卒園生だ」という方もいらしゃる歴史ある保育園の園長です。

保育園では、数年前から3つの立場での悩みがありました。

保護者:
毎年何種類も同じ書類を手書きで提出するのが大変。
保育士:
保護者が提出してくれた書類を一つずつ違いを確認するのが大変。
吉岡さん:
保育士が確認してくれた書類を1人でデータベースへ入力するのが大変。

悩みはあるもののなかなか解決にいくまで辿り着きませんでした。そんな中、「保育園落ちた ◯ね」という言葉が社会をざわつかせ、保育士の業務負担・処遇の低さに注目が集まりました。
保育に特化したICTシステム・ソフトがリリースされるも、悩みは解消されず吉岡さんの負担は増える一方です。「業務改善」と悩みを解決するために検索する吉岡さんは、ここでkintoneに出会います

kintoneを試してみた結果、「kintone これ使えるじゃん!(特にCSV入出力)」とkintoneの魅力に気づいた吉岡さん。kintone事例を見て、「まずはkintoneを浸透させること」を先人の教えとして活かし、2021年4月からライトコースで始めてみました。
コロナ禍入っても、休園中の情報交換はスレッド・スペースを活用する、保育士の方にも研修報告で操作に慣れ、Excelデータベースからの脱却が進んでいきました。

ただ作業効率20倍は達成しても、保育士の業務負担は変わりませんでした。
そこで園児情報の確認作業を、スタンダードコース+外部連携アプリで保護者に行ってもらうことにしました。アプリを開発している会社に相談したいとなった際に参加したのがCybozu Days2022でした。
そこで、従量課金制であるChobiit for kintoneに出会い、保育士20名の業務が保護者220名以上へと解放されました!数年前から悩んでいた3つの悩みも解消され、他にも属人化の解消やペーパーレス化の実現へとつながりました。

今ではみんなでアプリ開発をして、何気ない会話の中から新しい機能追加もしているそうです。今までの事例を見て先人の教えから「まずはkintone」に慣れてもらうことから始めた吉岡さん。kintoneが日常となるようなアプリや通知機能を活用して、知的・論理的思考を高めてくれる"最高の知育玩具"に出会えて良かったとのことでした。

2社目 株式会社エクソル 田中 幹也さん

2社目は、太陽光発電の開発設計施工から保守運用を行う、太陽光発電の「揺り籠から墓場まで」を担なっている総合企業 株式会社エクソルの田中さん!新卒で練り物の営業として入社という、元非IT情シスの方です。

エクソルでは、元々社内の情報をExcelにてバラバラに管理していました。
そこで、エクセルで管理している内容をkintoneにまとめ、情報を一元化することを社内に提案しましたが、社内の反応は微妙…。
そこで田中さんはExcelのメリットを見直しすることから始めることに。
エクセルで管理することのメリットと、kintoneで管理することのメリットの双方を良いとこどりできる「krewSheet」を導入し、各部署にバラバラに管理されていた資料を一言管理することに成功します。

社内業務をkintone化することで、業務改善が進むと確信した田中さんは、社内外メールのやりとりも、kintoneに集約させます。ゲストユーザーとして社外の人を招待することで、メールの往復や作成時間の削減に成功しました。
ゲストスペースでやりとりすることで、お互いにwin-winな状況へと変わっていきました。

そんな田中さんの、お世話になったkintone連携サービス、プラグインはkrewSheetプリントクエリエイターCUSTOMINE(カスタマイン)です。それらを使用した活用パターンも2つ紹介されました。

連携サービスやプラグインも活用し、今では「プロジェクト案件はkintoneが当たり前!」になったそうです。kintoneの導入効果も、年間7,500時間程度、約1,700万円分の作業時間削減。売り上げ換算をすると1億円以上。さらに情報共有の強化だけでなく、「転記作業の削減によるトラブルやミスの減少」と凄まじい効果が出ました。

元非ITの情シスの田中さんがkintoneの社内浸透で大事にしていることで
「席の横でつくる」「席の横で教える」「実践形式で」勉強会
の3つをあげていました。特に勉強会は、社内の三分の一の方が参加しているものになっているそうです。こうした働きかけにより、現場でのkintone作成が爆発的に増加しました。

社内浸透もうまくいき、kintone活用の波に乗ったと思った矢先、大事件が…!なんと、ユーザーが誤操作でレコード大量削除してしまったのです。
この大事件を経て田中さんは、「放って置くこと = 自律」なのではなく、情シスはノウハウを横展開することが大切だと気づきます。
今では事故の再発防止策として、正しく使うための社内教育を前提として、社内全員に使ってもらえるような仕組みづくりをし、社内ではkintone活用スパイラルが誕生しているとのことでした!

今後は基幹システムとの連携を強化し、「すごくなった」kintoneの社内普及率を100%化していきたいとのこと。現場目線で使いやすいkintoneを作るだけでなく、社内に浸透させるための工夫が随所に散りばめられた登壇内容でした!

3社目 弁護士法人宇都宮東法律事務所 伊藤 一星さん

2社目は「すべての所員が能力を最大限活かせる働きやすい法律事務所へ」を目指す宇都宮東法律事務所の伊藤さんです!有罪率99.9%の刑事事件で無罪判決の経験もあるんだとか…!

宇都宮東法律事務所のパーパス(存在意義)としては、「所員・依頼者・地域社会の幸福」を掲げています。2022年実績として509件の事件数、お問い合わせ件数も1000件越えだったそうです。
法律業界はデジタル後進業界とも言われており、「裁判所とのやりとりはFAXがメイン」「印刷物が多く、書類を郵送することなども多い」といったアナログっぷりです。基本は紙のファイルでの管理のため、字が汚い人の字は読めない、ファイルが論理的にないと案件の履歴がわからないといった課題が発生していました。

そこでコンサルティング会社からの紹介でkintoneの導入が決定、導入着手から1ヶ月半で本番稼働させる、kintone移行プロジェクトチームが立ち上がりました。kintoneで面談やFAXなどの時系列を記載できる、依頼者や担当弁護士などの情報を一元管理できるようになりました。

今ではいろんなツールも連携し、事務所の組織化や生産性向上につながりました。(弁護士の統計情報によると、79.14%が弁護士1-2人の事務所であり、組織化が進んでいないそうです。)限られた労働時間で適切に案件処理が可能になり、所員のエンゲージメントの向上にも繋がりました。

電話もノートに書くといったアナログっぷりでしたが、今までのやり方に慣れていても少しずつ慣れていってもらうことで、情シスがいなくてもkintoneが広がっていったそうです。文系の人しかいなくても、気軽にシステムを構築ができるのがkintoneの魅力とお話しされていましたが、まさにその通りだなと思いました。

4社目 株式会社モリビ 植田 剛士さん

4社目は、不動産管理や空き家活用事業を行っている株式会社モリビの植田さん。副業として住職も行っているそうです。

超アナログで「ミスを恐れて複雑な多重チェック」など課題だらけだった会社、そんな中社長が「お客さんからアンケートを取りたい!」と言ってkintoneが取り入れられました。「何をいっているんだこの人は?」と思いつつも、ボロボロの基幹システムや大量の紙とFAXなどの解決したい問題があった植田さん。
まずは「やらなくても良さそうなことはやめてみよう」「やらなきゃいけないことで手間のかかるものをkintoneでやろう」と紙をやめることにしました。kintoneで進捗管理も共有もできるようになり、アプリを量産した結果、植田さんは社内の人から”独裁者”と呼ばれるまでになってしまいました。

そんな状況を打破すべく、お釈迦様に一度尋ね「応病与薬」という言葉をいただき、病に応じて薬を与えてみることにしました。そして、kintoneとDocuWorksを連携させ、1年間で423,840枚の紙の削減に成功!今までは紙に280,000円も払っていたのです。その後もkintoneとトヨクモ製品などを使って、利用者や取引先とのやり取りをスムーズにできるようにしました。

おすすめプラグインとして、ジョイゾーのテーブルフィールドコピープラグインもあげていただきました。ありがとうございます!

植田さんだけではなく、kintone担当として一緒にやっていた早川さん。家庭の事情で新潟に転居しなければならないことを告げられました。「会社にとっては業務のブレーキがかかる」「人材を離してしまっていいのか?」と頭を抱え社長に折衝しところ、二つ返事でフルリモートが導入されました。「リスクのない投資は存在しない」と痛みは伴うが、信じて進める方向を選んだ植田さん。今では社内の40%が「アプリを作ってみたい」というまでになりました。

今後はkintoneと業務改善の布教活動を行っていきたいと話した植田さん。Twitterアカウントもありますので、フォローしてみてはいかがでしょうか?

5社目 埼玉県鶴ヶ島市役所 中嶋 英行さん

5社目は埼玉県鶴ヶ島市役所 介護保険課の中嶋さん。kintoneユーザー歴はなんと6ヶ月です!

高齢者のための介護サービスの窓口として業務を行っており、介護サービスを利用するまでには、「介護の最終決定を行う機関」である介護認定審査会に申請を行う必要があります。市民の高齢化により介護ニーズは拡大し続け、このままでは「介護保険制度」が崩壊してしまうまでに…。介護保健課も、資料の印刷41000枚、介護認定審査会対面開催年間96回などと、担当者の負担は増え続けました。

そこでパッケージシステムによる介護認定審査会のDX化が決定し、kintoneの活用を提案された中嶋さん。行政職員向けコミュニティのガブキンに参加してkintoneについてどんどん学び、夜な夜なアプリを作成しシステムが完成!
と思ったら、まさかの「kintoneの導入はなくなりました!」と宣告される始末…中嶋さんは仕事ではなく趣味でkintoneを続け、アソシエイトやアプリデザインなどのkintoneの資格に合格したり、弊社が運営するスナックジョイゾーにも足を運びkintone好きな人たちに出会いました。

いろいろな経験を経て、政策部門にkintoneで実現したいことを伝えてみました。すると、「介護保険課からの情報発信をすること」「将来を見据えたルール作りをすること」「必ず成功させること」を3つのお願いとされ、kintoneの開発がスタートしました。
ゆる〜いハンズオン研修会を開催し、介護認定審査会システムを作っていった中嶋さん。3つの狙いを考え、kintoneでスムーズに循環させることを目標としました。

「直感的なユーザーインターフェイスを意識」「ポータルに情報を集約し画面の切り替えを最小限に」「押してほしいボタンをわかりやすくする」「kintone的な表現を避けること」など。
さまざまな工夫を凝らし、パッケージシステムより導入コストを940万円削減、ランニングコストを540万円削減しました。作業時間も年間320時間削減、A3用紙も年間41,000枚削減につながり、担当者からも嬉しい声が上がったそうです。

誰でも簡単に使えること、そしてユーザー目線でDXを続けていった中嶋さん。安心して介護サービスを利用してもらえるように続けてきた取り組みを、近い将来市役所から離れてkintoneユーザーをサポートできる人になりたいとのことでした。

6社目 株式会社プロダクション・エース 鹿野内 春奈さん

6社目は新しい形での声優プロデュースを提案し続けている株式会社プロダクション・エース 鹿野内さんです。スナックジョイゾーの年パス会員でもあり、ジョイゾーとのお付き合いもあります!

始まりは2020年の新型コロナウイルス蔓延防止策への対応でした。舞い散る紙の山やデータ入力に丸一日かかる、どれが最新なのかわからないオンプレサーバーの中のファイル…どうしようと悩んでいた時に、2019年に導入されていたサイボウズOfficeの情報共有に助けられました。
事業部門に所属しながらもながら情シスをやり始めた鹿野内さんは、紙ベースで管理していた台帳をシステム化したり、全台ノートPCにリプレイスしたりと少しずつ社内を変えていきました。

そして会社年齢経験関係なく助け合う場所であるコーポレイトエンジニアコミュニティに出会い、空っぽであったkintoneをなんとかしたいと思っていた矢先、CybozuDays2020ご案内メールが届きます。足を運んでみて、「業務改善に取り組む会社がこんなにあるのか!」と知り、まずは総務の請求書発行からkintoneでの運用を少しずつ進めていきました。

喜ぶのも束の間、他の仕事をしている人には全く何をやっているかわからず誰にも伝わりませんでした。そこで、kintoneで業務改善をできたという成功体験からノウハウを得られたので、kintoneのひと大作戦を始めることに!
まずはkintoneパーカーやマグカップを使用し自分が「kintoneのひと」になり、「社内営業」と熱く暑苦しいkintone説明会を行いました。

鹿野内さんもkintone Caféキンコミなどのコミュニティへ参加し情報収集し、情報を発信し続け社内で入所オーディションを行なっている受付の方がkintoneを使って業務を行ってくれることに。「コミュニティで得たものがたくさんあるから、他の人にも参加してもらいたい!けどそもそもそんな時間ないかもな」と悩んだ末出した結果は、鹿野内さんがコミュニティと社内の橋渡しになること!

情報を集められるためのスペースを作成したり、定期的な会話で個人名を出すことによって社内のkintoneの認知を広めていきました。それに加え、オーディションを行なっている受付の方と鹿野内さんのスピード感が一致し、業務改善が進んでいきました。

今では他の部署のメンバーも興味を持って業務改善に取り組んでもらえるようになり、関わる人の意識が変わっていきました。鹿野内さん自身もコミュニティに参加することで、「外のモノサシを持つ大切さ」に気づけたそうです。

インプットした情報をシェアすることで価値が上がっていく。kintoneをきっかけに、業務が変わりコミュニケーションが変わった事例でした。
kintoneSIGNPOSTランチ雑談会も行っている鹿野内さん、Twitterアカウントもありますので、フォローしてみてはいかがでしょうか?

7社目 株式会社ZOZO 三品 秀樹さん

7社目は、非エンジニアだったが今は「kintoneの神」と呼ばれるまでになった、株式会社ZOZO三品さんの登場です。三品さんは、Made by ZOZOというサービスに携わっています。

このサービスの業務は、企画→設計→量産準備→生産→物流と、5つの区分に沿って作業ステップ130存在します。どの業務を管理するシステムとしてkintoneを利用しているそうですが、なんとkintoneでの業務カバー率は70%。さらにそのシステムを運用開始にまで持っていくのにかかった時間はわずか3ヶ月半!そんな三品さんの行った神業は全部で3つです。

神業① Made by ZOZOサービス立ち上げ、3ヶ月で運用開始
神業② サンプル作成まで20日〜30日→0日 2週間でリリース
神業③  検査業務→50%削減(社外負担込み)

開発スピードもさることながら、業務にフィットしたkintoneアプリを作成するとは、まさに神業!どのようにして三品さんはボリュームのある業務を短期間でkintone化し、運用にまで持っていったのかご紹介です。

鍵となるのは、”業務理解の徹底”です。三品さんは、それぞれの業務を徹底的に理解することで、業務に沿ったアプリ作成を行なって行きました。また、目的を達成するために、標準機能だけでなくプラグインやカスタマイズ含めあらゆる手段を使っていったそうです。

こうして、二人三脚でkintoneを想像創造!アプリを開発し、運用し、テストするという超回転を行っていったのですが、アプリ数や業務数もかなりある新規事業。とうとう1人での限界がきました…。
そこで三品さん達は、kintoneアプリ開発を業務委託することにし、ただ業務委託をしたのではなく、委託先の業者さんにも業務を徹底的に理解してもらえるレベルにまで打ち合わせを重ねます。
外の力を借りることで、パワーを増やした三品さん達は、チームメンバー + 委託業者さんの三人四脚で1チームとなり、さらに超回転が増して行きます。

徹底的な業務理解をすることで、開発から運用までのサイクルが速くなり、神業が実現できました。「今している業務理解の3割増して業務理解してください」と三品さんはお話されていました。kintoneで業務改善をするために業務理解をすることがいかに大切か、業務理解がベースにあることで上手にkintoneを活用できる、ということを三品さんの登壇を通じて改めて感じました。

kintone hive東京の代表は…!

kintone hive 関東・甲信越地区代表に選ばれたのは・・・

株式会社モリビ 植田さんです!おめでとうございます!

登壇者の皆様、お疲れ様でした✨

おわりに

kintone hive2023最終会場にふさわしい、熱い戦いが繰り広げられました。
7名の方に勇気をもらったという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
本日の様子をtogetterでまとめもしていますますので、ぜひご覧ください👀

ではまた11月、幕張の地での決戦を目の当たりにしにいきましょう✨

おまけ kintone hive2023 過去レポート

前回会場までの速報noteも上がっていますので、よければご覧ください👀

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