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どうするキントーン 【kintone hive 2023 名古屋レポート】

こんにちはあるいは、こんばんは。ジョイゾーの松田です。
kintone hive 2023 名古屋に参加してきました。

hive 名古屋は今年で7回目。今年もZepp Nagoyaにて開催され、1階席だけではなく2階席も埋まるほど大盛況でした!

オープニングトーク

MCは、三谷菜穂美さん。前職では、三重の町工場で作業着を着て、アナログな仕事に追われていたそうです。
サイボウズに転職した今は、前職のような働き方をしている企業や人のために、営業としてkintoneを広めげていきたいとおっしゃっていました。

そんな三谷さんの軽快なオープニングトークから始まりました。

今年のhive 名古屋のテーマは「どうするキントーン」。某大河ドラマのオマージュのようです 笑

それでは早速、登壇者の皆さんの発表を振り返っていきます!

1社目 有限会社中川商事 中川さん

トップバッターは、「発表前日、サイボウズの社員の方に『明日は500名の方が来られますよ!』と声をかけられ緊張が増しました。」と、苦笑いから始まった中川さん。
中川商事さんは、石川県を拠点に貸別荘やキャンプ場の運営を行なっています。

kintoneを導入する上でのテーマは『紙からの脱却』です。事務所内に置かれた予約カレンダーに各社員が直接書き込んでいた業務をkintoneに置き換えて、紙の管理からの脱却を目指しました。

一番の課題であった予約表は、kintoneにデータを登録しカレンダーPlusを活用することで、誰もが見やすい予約表が出来上がりました。
さらに、メールワイズやkrewDataも導入し、メール送付や空き状況の確認も、ボタン1つでミスなく作業することができるようになりました。

しかし、すぐには使い始めることはなかったそうです。
なぜなら作ったkintoneに合わせて業務を改善する必要があったからです。

実運用を開始する前に、一部の先行メンバーだけで利用し、改善を繰り返したり、全社員を対象にロープレを実施しました。そして「これでいける!」という自信を持ってから、本運用に入りました。

中川さんが「kintoneを導入するぞ!」と1歩踏み出したことで、kintone導入前と社員数は変わっていないにも関わらず、売上は20%もアップしました。
「今後は全国に事業を拡大していきたい!」という想いを話して、発表は締めくくられました。

2社目  弁理士法人サトー 榊原さん

ITの実務経験はなく、日々の業務の合間を縫ってkintoneの導入や運用を行なってきた榊原さん。
弁理士法人サトーさんは、知的財産権の手続きを顧客に代わって、申請する業務を行なっています。

kintoneの導入に至った経緯は、長年の課題だった包袋(ほうたい)の電子化でした。

包袋とは、特許や商標の申請に必要な書類をまとめた袋のことを指します。

案件が発生するたびに包袋を作成し、顧客の基本情報から進捗、関連資料などを1つの袋にまとめて管理していたそうです。
資料は膨大で、かつ長期間保管する必要があるので、オフィス内のスペースを圧迫しており、また探したいファイルを探すのに苦労していたことから包袋の電子化は悲願でした。

既存システムとの連携という壁にぶつかりながらも、kintoneや連携サービスを使って、包袋の電子化を目指しました。
導入前は反対の声もありましたが、導入後の社内浸透は円滑に進みました。

社内浸透を円滑に進めた秘訣は、釈迦アプリでした。
社外に影響を与えない、簡単に使えるという2つの特徴の頭文字を取ったアプリが釈迦(しゃか)アプリです。休暇届や回覧板など、直感的に利用しやすく、かつ社内業務でkintoneを利用することで、まずはkintoneに対する抵抗感をなくそうとしました。
その結果、今回の導入目的であった包袋をkintoneで構築した際もすんなりと受け入れられたそうです。

kintoneの構築・運用を上手く進めてきた榊原さんですが、YouTubeの動画を参考にしてきましたとお話されていたことが印象的でした。
世の中にあるコンテンツをフル活用することで、自社や自分に合ったkintone活用方法が見つかるんだと、参加者の方にも届いたのではないでしょうか。

3社目 株式会社三重電子計算センター 山田さん

「新卒4年目、kintone歴は2年目です」と社会人4年目とは思えない落ち着きで発表を始められた山田さん。
三重電子計算センターさんは、自治体向けのシステム導入、データセンター管理業務を行なっています。

kintoneの全社導入が決まった2022年、kintoneの担当者を任されました。
「お客様にシステム導入などを提案する側なのに、社内では全然ITを使いこなせていない現状を変えよう」と意気込んでいましたが、自分で考えてアプリを作ってみても社内の反応は芳しくありませんでした。
上司に何度も相談をしながら、徐々に社内の雰囲気を変えていきました。

非効率な業務や難しい業務ではなく、約20年前から使われている社内のお弁当注文システムをkintoneで構築しました。
アプリの構成も使い方もシンプルにし、何名かの社員に口コミや写真を投稿してもらうなど協力を得ながら、少しずつkintoneが社内に広がっていきます。すると、山田さんへのkintoneに関する問い合わせも増えていきました。

そこで、ある気付きを得ます。
「みんな、モヤモヤを解決したいのかもしれない」

そのモヤモヤを解決するため、アプリで質問を受け付けたり、ゆるいワークショップを開催して、1人1人のモヤモヤと向き合っていったそうです。
その結果、社内の課題となっていた申請業務をワークショップに参加した若手が自発的に作成し、運用に繋げていくなど、主体的な行動が生まれたことも大きな成果だったと、嬉々として話されていました。

4社目 社会福祉法人ゆめネット 山川さん、上原さん

「自己紹介は、自分ではなくお互いのことを紹介します。」と言って、お二人の関係性が垣間見える自己紹介で始まった山川さんと上原さん。
ゆめネットさんは、知的障害を持っている方々を支援するなど障害福祉サービスを展開されています。

kintoneを導入当初は、「何のためにやるの?」「現状のままでいいよ」といった否定的な声も多い中、お二人がそれぞれ役割を分担することで、kintoneの輪を広げてきたそうです。
上原さんはエバンジェリストとして社内にkintoneの良さを広げ、山川さんはエンジニアとして実際にkintoneでシステムを構築していく役割を担っています。

当初、否定的な声が大きく、何度も挫けそうになりながらも、4つのことを意識した結果、良い方向に向かい始めました。

  1. 活動方針と目的を明確にする。(主役は現場、自分達は脇役)

  2. 現場に足を運んで、悩みや困りごとを聞く。

  3. その場で聞いた要望を作って見せる。

  4. 無茶な要望にもできないと言わず「目指します!」と言う。

特に、4つ目の「できないとは言わずに目指しますと言う」に関しては、せっかく出てきた意見や想いを無下にせずに、寄り添う姿勢を見せるために必要なことだとお話されていました。
今でも18ヶ所ある現場へ出向いて、働く方々の意見を聞くことは続けており、「必要とされていることが嬉しい」とおっしゃっていたことも印象的でした。

5社目 株式会社ミライコミュニケーションネットワーク 服部さん、佐藤さん

会場に流れる懐メロ(YAH YAH YAH)で気分を上げてから、登壇された服部さんと佐藤さん。
ミライコミュニケーションネットワークさんは、インターネットプロバイダやデータセンターの管理業務を行なっています。

IT企業ながら手書きノート、印鑑、壊れかけのExcelをフル活用しており、ITを活用できていない状態から、トップダウンでkintoneが導入されたそうです。導入したタイミングでは、他の業務が忙しく全然便利になったという実感は得られませんでした。
しかし、半年後改めてkintoneを使って、業務を改善していこうと本格的に取り組み始めました。

たくさんのアプリを作成していく中で、失敗経験もありました。
例えば、出勤表アプリを作成した際、1人1日1レコードを作成し承認申請を回す仕組みにしていました。
ところがこの運用だと、30名の出勤表を確認するため30回承認を行う必要があり、承認者が3日間休むと100件近い承認が必要になったそうです。
そのため、1人1ヶ月1レコードという運用に変更した結果、上長の承認数も減り、勤務・残業時間が見える化され、お互いに時間調整をしやすくなりました。

様々なアプリを運用する中で、直感的に使えて、省入力で登録でき、利用者が共感できるkintoneにすることが大切だと気付いたそうです。
「マニュアルを作っても見てくれないため、触るだけで分かるように意識する」「自分のエゴで作るのではなく誰かのためになるアプリを作る」とお話されていて、試行錯誤してきたからこそのリアルな声だなと感じました。

kintone hive 中部地区代表は…!

中部地区代表に選ばれたのは、、、三重電子計算センター 山田さんです!おめでとうございます!

単なる成功体験だけではなく、等身大のkintone活用ストーリーが、会場にいる500名の方々に届いたのではないでしょうか?

おわりに

今回のhiveでは、社内浸透についての苦労や乗り越えたエピソードを発表されている方が多く、印象に残りました。

その中で、2つの共通点を見つけました。

  1. まずはスモールスタートで始める
    目の前の課題を解決することも重要ですが、いきなりそこを目指すのではなく、使う人が抵抗なく、協力的になってくれることが大切。

  2. 利用者の立場に立ってアプリを作成する
    アプリ開発者が良いと思うアプリではなく、使う人が便利だな、使いやすいなと思えるアプリを作ることが大切。

kintoneを導入されている企業の数だけ運用方法も異なりますが、同じような困りごとを抱えている方も多いと思います。
上手くいかないと悩んでいる方にとっても、次の1歩を踏み出せるきっかけになる素晴らしい発表でした。

当日のtwitterをまとめたtogetterも公開しています。ぜひこのnoteにまとめきれなかった発表内容にも注目してご覧ください。

次回のkintone hive 2023は6月20日(火)松山にて開催です。(会場定員のため、申込は締め切られています。)

内子座(kintone hive初の重要文化財)での開催ということで、これまでとは一味も二味も雰囲気が違うkintone hiveになるかも?
参加される方は是非お楽しみに!

おまけ①kintone hive名古屋 特別企画「どうするライトコース」

地区代表の投票結果を待っている間は、「どうする?ライトコース」と題して、kintoneエバンジェリストの森田さん、石際さんのお二人が「これって実際のところどうなの?」について、答えられていました。

「はい」と「いいえ」では一概には答えられないこともありますが、考え方や調べ方のコツをお話されていて、ライトコースかスタンダードコースで悩まれている方へのきっかけになったのではないでしょうか?

おまけ②kintone hive2023 過去レポート

過去のレポートもあります、是非ご覧ください!

おまけ③ジョイゾー新人によるセミナーのご紹介

kintoneを使った対面開発の魅力をご紹介するセミナーを開催します。
開催日時:2023年6月26日 14:00~15:45

対面開発の様子をライブデモで皆様に初公開します。
今年入社した新人2人が企画から運営まで行うセミナーです。

ぜひ、お誘いの上、お申し込みください!


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