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楽しみながら輪を広げていく【kintone hive 2023 大阪レポート】

皆様こんにちは!ジョイゾー笹川です。
kintone hive 2023 大阪に参加してきました、今回もグッとくる発表が多かったです!

会場は、サイボウズの皆さんが声をかけてくれたり、スタンプラリー形式でブースを回れる仕掛けがあったりと、ウェルカム感!ワイワイ楽しい雰囲気でした。

個人的にはBGMがバチバチの90年代JPOPで、非常にエモい気持ちになれたのもよかったですw

そして、今年は初めて「Zeppなんば」での開催です。これまでの「なんば Hatch」も広かったですが、更に広い会場になりました。kintoneユーザーの輪が広がっているのを感じます。

オープニングトーク

MCは昨年に続き、大阪オフィスの松森さん。hiveを楽しむ3ステップを紹介してくれました。

それでは早速、登壇者の皆さんの発表を振り返っていきましょう。

1社目 認定NPO法人おてらおやつクラブ 桂さん、茶円さん

おてらおやつクラブさんは、お寺へのおそなえを、ひとり親家庭に「おすそわけ」をする活動をされています。
規模が大きくなるにつれ、各家庭や支援団体へおすそわけを届けることが難しくなり、kintone導入に踏み切りました。「おすそわけDX」として特に効果があったのが「マイページ」と「匿名配送」。

発送と受取を管理するマイページはWordPressとkintoneを連携。膨大な手作業の簡略化に成功したものの、その後のコロナ禍で発送業務がなんと17倍に!全ての家庭に事務局1箇所から送るのでは間に合わないが、各寺院から直接送ってもらうには個人情報を渡さなければいけない…

そんなときに出会ったのが、奈良先端科学技術大学の学生である茶円さん。ヤマト運輸の配送システムとkintoneを連携させて、匿名での配送を実現させました!

支援を受けたい人はLINEから連絡をするだけでよいので、つらいときにすぐ「たすけて」と声をあげることができます。この仕組みのおかげで受取報告は100%になったとのこと。

学生である茶円さんは、この開発を通じて、技術が社会課題の解決に役立つことを実感できたと語りました。単にkintone活用の事例としてだけでなく、社会的な意義の大きいお話だったと思います。

2社目 八代製薬株式会社 喜田さん

「よろしゅうお願いします」と、噛んだのか素なのか?がちょっと疑わしい挨拶から始まった八代製薬の喜田さんこと、きったんさん。kintoneエバンジェリストとして活動されていて、ジョイゾーに遊びに来てくれたこともあります。

実は、エバンジェリストのkintone活用の話を聞く機会って多くないので、貴重な機会だったのではないでしょうか。

自身は非IT人材かつ、未経験の経理での業務改善を託された喜田さん。それでも、ある目的のために前向きに取り組みます。その目的とは、時間や場所にとらわれない働き方を実現すること。在宅勤務を導入するためにkintoneを手段として取り入れます。

入荷予定や在庫管理、報告業務をkintoneで管理できるようにしていくのですが、その過程で秀逸なのは、業務のつながりを整理するために業務フローを書いたこと。そして、そのフローにとらわれず、組織構成から見直したこと。

更に、一度作ったアプリを見直して、再構築することを厭わず貪欲に業務改善を探求します。コミュニティやkintoneサインポストからの学びを活かし、業務改善のやり方自体を改善する姿勢は非常にストイックです。

他にも、どこからどこまでをkintoneに任せるか、線引きをするための考え方など、学びの多い発表でした。

バックオフィスを強くしたい、会社の垣根を越えてバックオフィス同士で情報交換ができるような世界観を作りたいと語った喜田さん。同じような想いを頂いている人は多いのでは無いでしょうか。「競争」ではなく「共走」を、と呼びかける喜田さんのメッセージはバックオフィスに勇気をくれるものだったと思います。

3社目 関西電力株式会社 藤井さん、中野さん

「はやく・安く・高品質」な業務改善をキャッチフレーズに、まさかのレポーター形式での発表でインパクト大だった関西電力さん。

基幹システムとしてパッケージソフトを導入するも、リプレイスがうまくいかず失敗してしまうところからお話が始まります。問題解決のため、基幹システムで対応できないところをkintoneで柔軟に対応しようと「デジタルお助け隊」が発足。問題の起きたコンタクトセンターに丁寧なヒアリングを行いました。

その結果100あったヒアリング項目は30に削減、登録しにくかった基幹システムにはRPAを介して人の手を煩わせない仕組みを構築して大成功。

この成功事例をもとに社内でkintoneの利用が拡大路線になり、新規事業でも導入しようという話が持ち上がります。

業務フローも何も決まっていない新規事業のシステム構築には、プロトタイプの設計と開発を繰り返したと言います。kintoneだからこそできた手法ですね。

順調に思われたkintone導入ですが、なんと最初の成功事例であったはずのコンタクトセンターでkintoneが使われていないことが発覚。開発時に見えていた課題は氷山の一角で、アフターフォローが大切だったと、大きな気づきがありました。

通常業務との兼任だったデジタルお助け隊は、専任の「業務改革チーム」へと成長し、開発だけではなく、継続と人材育成にも力を入れていきます。

独自のkintone人材育成プログラムやテキスト、スキル認定制度を作ったというのは驚きです。自分たちが得たノウハウを自分たちの中だけに留めず、体系的にまとめて次世代につないでいく取り組みは、非常に参考になる内容だったと思います。

4社目 神戸市役所 小阪さん、小寺さん

元気よく「こんにちは!」と会場に呼び掛けてくれた神戸市役所の小阪さん。第一印象からもう、親身に相談に乗ってくれそうな雰囲気が伝わってきました。

テーマはコロナ禍における保健所と保健センターの対応です。デジタル戦略室の小阪さんと福祉部保健福祉課の小寺さん、二人三脚で現場導入を進めました。

神戸市さんといえば、kintone AWARDで発表されていたりして、kintone導入が進んでいる印象ですが、導入当初は10ユーザーからだったそうです。草の根活動と成功事例の積み上げで今にいたるとのことで、まさに千里の道も一歩からを体現されています。

それでも、これまでと同じように開発をすればよいという発想ではなく、開発手法や導入に新たな工夫を取り入れたことが神戸市さんの今回の発表のポイントです。

スクラム開発という開発のフレームワークを取り入れたり、利用者へのウェビナー開催やチャットルームでの意見収集など、丁寧なサポート体制を整えたりしています。コミュニケーションを大事にされたことがよく分かります。

結果として、初めはkintoneに懐疑的だった職員も、今では無いと困る!と言うほどに浸透したそう。

「不安もあったがやり切れて本当に良かった。今後の非常事態にも対応できる自信になった。」と、危機を乗り越えた経験が財産になっているのは素晴らしいです。

5社目 有限会社アートワークス 宗政さん

オーダー家具工房 アートワークス の宗政さんは、営業設計部に所属されています。なんとまだ新卒2年目だそうですが、堂々とした登壇ぶりでした。

入社当初は、案件は全て紙で管理、情報共有はホワイトボードという状況。そんな中、人材育成研修を受けたことがきっかけでkintone導入が進みます。
研修は、BeMagical Solutions、通称ビマジのいなさんが大量のお菓子とともに現れて実施されたそうです。(糖分大事ですね!)

研修では、kintoneアプリを作る、使う、修正するを繰り替えすことで、改善スキルを身につけていったそう。

初めはkintoneでアプリを作ったのに職人さんが使ってくれなかったのですが、宗政さんはめげずに職人さんひとりひとりと対話をし、徐々に効果を実感してもらえるようになります。ただ「使って」と言うだけではなく、どういうメリットがあるかを説いたり、絶対に使わなければいけないアプリを作るなどの工夫が光ります。

新卒という立場でできることが少ない中でも、kintoneは社長や先輩ともスタートラインが同じだったから、自分ができることがあって嬉しかったと語る宗政さん。水を得た魚とはまさにこのことですね。「学びたいときに学びたいことを学べる環境があったおかげ」と話されていましたが、学ぼうとする姿勢が周りに伝わったからこそ、周囲も協力ができた、良い循環になっていたのだと思います。

初めは分からなかった「理想」も、今では、次にやっていきたいことがあって、その理想と現実とのギャップをkintoneで埋めていきたい、と未来を見据えている姿が印象的でした。

6社目 株式会社神戸製鋼所 今井さん、田淵さん

神戸製鋼所からは、システム部門今井さんと、業務部(建設技術部)の田淵さんが登壇されました。

大企業というと環境が整っていそうな印象ですが、部署固有の業務や他部署との共有の難しさなど、大企業なりの課題があるんだなぁということを感じました。

内製化に注目しkintoneを取り入れるも、浸透しない、反応が薄い。出だしに躓いてしまってから、導入が本格化するまでを「花咲かじいさん」に例えるストーリーは面白かったです。(途中、シロに例えられたkintoneが灰になってしまうところはドキドキしました…)

転機は「ものづくりの会社は現場がキモ、現場にフィットさせることが大事」という上司からのアドバイス。

メリットやkintoneの良さが、現場に伝わっていなかったと気づき、課題設定の段階から現場と話し合うように。わくわく感と仕掛けを意識して、チーム化をしたり、要望をその場で反映したりすることで、自分たちで作っている!という一体感が生まれました。

説明会やマニュアルを用意して、みんなが納得できるまで丁寧にサポートをする、部署目線でのメリットをアピールするなど、社内浸透の秘訣が詰まった成功談には明日からすぐにでも活かせるノウハウが沢山!

システム部でも、システム化のメリットを提案したり、業務部のスキルアップを支援したりと援護射撃をします。業務部とシステム部、異なる立場の考えをミックスすることで、より良い効果が生まれ、kintoneの花を咲かせることができたのですね!

kintone hive 関西地区代表は…!

地区代表に選ばれたのは、アートワークス 宗政さん!おめでとうございます!Z世代の大躍進!心に響く発表がみなさんに届きました。

おわりに

kintoneユーザーが1500名を超えるような大企業から、紙と電卓で業務をしているような中小企業やNPO法人まで、様々な規模の会社の皆さんが登壇されました。
kintoneによる業務改善が、大切な家族と過ごす時間や自己投資の時間につながること、そこから考え方が変わって見える世界観が変わることは、共通して語られていて、とても共感を呼びます。本気で取り組んだ人だからこそ見える世界であり、本気だからこそ伝わるのだと思います。そのエネルギーは人を動かしますね。
そして、今回は、貧困家庭への支援やコロナ対応などの社会問題に対しても、kintoneが貢献したという発表がありました。やり切る想いの強さと、それを表現できるツールが組み合わされば、実現できるんだ!という希望が見えた素晴らしい発表でした。

当日のtwitterをまとめたtogetterも公開しています。当日の雰囲気を味わえます、ご覧ください!


そして、まだhiveに参加したことがない方、ぜひ一度参加してみてください。これから頑張れる、折れそうになった気持ちを再燃させられる、そんな熱量を受け取れること間違いなしです!

次回のkintone hive2023は6月7日(水)名古屋にて開催だがね!🍤申し込みはここからできるでね!

(突然の名古屋弁で失礼しました。笹川は実は名古屋出身なんです!)

名古屋のhiveに行かれる方は、ぜひ名古屋の文化である「モーニング」を楽しんでくださいね!まずは定番のコメダかコンパルにぜひ!☕🍞

おまけ①kintone hive大阪 特別企画「kintone Caféってなんなん?」

地区代表の投票結果を待っている間に、kintone caféについてのトークセッションがありました。

登壇は、関西で積極的に活動されている、中尾さん山本さん西垣さん。kintone caféをなぜやっているのか、なぜ参加するのかをテーマにお話をされました。

今日の発表で触れている人もいましたが、kintone caféで得られる情報や経験は今後とても役に立ちますし、ここでできたつながりが心の支えになったりもします。
全国各地で開催されます、ぜひ気軽に参加してみてくださいね。

おまけ②kintone hive2023 過去レポート

過去のレポートもあります、是非ご覧ください!


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