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現場から迫り上がれ!【kintone hive2023 松山 速報レポート】

皆様こんにちは、ジョイゾーの倉石です。
今回は、kintone hive2023に参加してきました!

他会場ではZeppで開催されることの多いkintone hiveですが、今回のhive松山は何と内子座という、歴史ある芝居小屋で開催されました。

歌舞伎の舞台で実際に行われる業務改善トーク。さまざまなストーリが織りなすエピソードはとても来るものがありました!
今回は速報レポートの形で皆様にお届けいたします。

内子座の詳細は下記サイトをご覧ください!

オープニングトーク

オープニングはサイボウズの坂東洋平さんです。
下からぬるぬる出てくる歌舞伎スタイルで登場。実はこの登場、人力の賜物なんです。
サイボウズの皆さんで力を合わせて迫り上がり登場シーンを実現させました!これぞチームワークでしょうか。

さて、kintone hiveを楽しむ3ステップは以下の3点です。

  • 活用ノウハウの引き出しを増やす

  • 業務改善のプロセスからも学ぶ

  • 積極的に学びを共有する

このステップに着目しながらhiveレポート見ていきましょう。

徳島県神山町役場 「神山町役場の業務改善が進み始めた話」

いよいよ1人目の発表が始まりました。
最初の登壇者は徳島県神山町役場の角南さんです。

神山町は徳島市から車で1時間の場所にあり、デジタルインフラが整っている地域です。しかし、役場の業務は大量の手書きメモ・回らない決算書など「普段の仕事をデジタルで変えられるのに変えられていない」というアナログチックな業務課題が発生していました。

このアナログな業務により、包括支援センターでは本来やりたいことがあるにも関わらず、ほとんどの時間を報告書の作成に取られてしまったり、総務課では毎月100通以上の請求書をファイリングする業務に追われてしまうなど、煩雑な業務で効率的業務を行うことができずにいました。

この課題を解決するために、業務の効率化をkintoneで試みた角南さんは、伝票集計システムを構築します。ファイル変換システムと連携し、あちこちから届く様々なフォーマットを、集計できるデータに変換。kintoneの中でデータの確認ができるように!

他にも、「電話の音声を文字起こしでkintone投稿」できるようにして報告書作成の時間を削減したりと、角南さんは改善を進めます。

kintoneを用いることで、なんと今までの業務時間の95%を削減できるようになるみたいです!

こうした改善を続けることで、役場の現場にも変化が現れます。「相談をすれば変わるんじゃないか」と相談が増え、DX推進検討会議も行われるようになりました。

現場の「ストレス」に着目、業務の客観視と、改善していくときのポイントにはなるほど!と思わされました。また、現場が主体となることで限られた予算内でも進められる、kintoneがマッチした素晴らしい取り組みでした!

住野工業株式会社「経理部の三つの取り組み事例とkintone」

2社目は住野工業株式会社の吉田さんによる業務改善。

住野工業株式会社は広島県に本社を構える自動車部品メーカーです。属人化しやすい経理部の業務改善をkintoneで行いました。

データ保管は属人化し、残したい履歴は残らず紙媒体のデータのみが嵩んでしまっている状況を作り出していたのです。

そこでkintoneを導入し、「スケジュール管理システムの構築」、「kintoneによるデータベース化」、「決済業務システムの構築」、「管理会計システムの構築」、「カーボンニュートラルの取り組みのためのCO2発生量集計システムの構築」を行いました。

導入により、今まで属人化していたデータの共有や業務の見える化ができるようになったんですね。

管理会計システムにいたっては、毎月丸2日かけていた管理会計帳票の出力がたったの0.5時間でできるようなりました。

それに付け加え、社員がkintoneをより使いこなしシステムとして定着させるための、「kintoneアソシエイトを使用した勉強会」、「株式会社MOVEDの学習コンテンツによるkintoneの学習」を導入しました。

kintoneの活用によって経理部課題を解決することができた吉田さん。 kintoneを活用することで、具体的な対策の取り組みができるようになりました。それだけでなく、一つのアプリを発展させ、新しい挑戦をすることが可能性につながることを感じたそうです。

普通のビジネスパーソンでもkintoneで業務改善できる。「Yes, we can.」と、希望を感じさせるメッセージを届けてくれました!

株式会社ミヤモトオレンジガーデン「みかんと共に育てたkintone」

3社目は、株式会社ミヤモトオレンジガーデン 中島さんです。
ミヤモトオレンジガーデンさんは、愛媛県八幡浜市で、みかんや柑橘類の生産・加工・販売を行っている会社です。看板メニューは「塩みかん」だとか。

中島さんは、データをもとにした農業に着目しグローバルGAPの世界的な認証の獲得を目標としました。

グローバルGAPの獲得のため、様々な取り組みを行った株式会社ミヤモトオレンジガーデンですが、その業務の中で、課題が発生。
そこでkintoneが登場します!

GAP認証獲得への申請業務に必要なデータは紙の管理が主となっており、申請業務に時間がかかる、申請業務自体も全社員に情報が共有されていないというような状態が起こっていました。

そこで、GAP認証の申請に必要な情報を管理するデータベースとして採用したのがkintoneです。

日々の業務を記録する日報から、苗木の生産地や使用農薬の履歴も分かる出荷管理アプリ、農薬在庫台帳アプリなど、GAP認証に必要な項目が網羅されているデータベースを構築しました。

これで煩雑な紙の業務は解決!
と思いきや、現場ではなかなか浸透しませんでした。

kintoneに限らず新しいものを取り入れることに抵抗感のある人は多いものです。

そこで、社内でkintoneを浸透させるために、どうしてアプリを利用した方が良いのか、データ入力と分析がどれだけ大切なのか、社員と向き合って説明をし続けました。すると、だんだん社内でアプリを使ってくれるようになり、kintoneが日常的に必要な存在へと変わっていきました。

ここまでくるのに3年もかかったそうです。
しかし、全社員がkintoneにデータを入力していくことで、一部の人間の業務であったGAP認証が全社の取り組みになり、社内での意識も変わってきたんですね。

みんなが使ってくれるアプリとなったことで、情報を全員が共有できる環境が整い、アラートを出すなどアプリを使いやすくする工夫も進みました。

こうして育てたkintoneは「MOG-GAPシステム」という名前で、GAP認証取得支援ツールとしてリリースされています!

紙での業務からここまで成長させた業務改善。すごいですね。

1からkintone導入を始めて、最後は汎用的に使える様なシステムに育てたミヤモトオレンジガーデンさんの、日本の農業界をレベルアップしたいという熱量がひしひしと感じられる発表でした。

株式会社FISTBUMP「kintoneで会社を再建した話」

4社目は、会社を再建した!?という衝撃的なタイトルから始まった、法律事務所のDXを推進するFISTBUMPの河本さん。

2016年に起業するも社員数増大時に組織が崩壊し倒産しかけたという、そんな危機をkintone活用し乗り越えたというお話でした。kintoneを使って復旧し、只今急成長中とのこと!

当初、案件はチャットとExcelで管理していましたが、案件毎にスレッドが作成されるため、タスクを社内で共有することができていませんでした。
また、会話の中で新たなタスクを依頼したり、状況確認を行うため、要望は流れ、状況は会話の中に埋もれてしまうといった課題がありました。

営業と開発がどんな仕事をしているかがわからない、他のクライアント先で同じようなことをしていても気付かない。チャットを使っているからチームで仕事をしているように見えて、していなかったのだと気づきました。

そこで作ったのは、「Todoアプリ」「顧客管理アプリ」の2つ。

実装方法のコツは、まず最小限の要素を実装すること。

まずは複数行フィールドで全ての内容を管理。
必要項目が見えてきたら、その中身を添付ファイル・kintoneの機能名・状況のように、項目に分けて管理をするようにしました。

複数行フィールドに全部入れてしまう、というのはとても新鮮でしたが、そこから必要なフィールドが見えてくる。情報を集めてから整理していくというアプローチがスピードを出していたのですね。

 ワークフローは難しいのでやめて、選択肢で運用、という話もありました。機能を使うことがゴールではなく、運用することが大事なので、この思い切りの良さも素晴らしいです。

気づけば、入社6ヶ月の新入社員でもアプリ開発ができるようになったそうです。また、kintoneを活用することで、コメントを使って他にできることがないかを確認できるようになるなど、メンバーの意識が変わっていきました。
進捗確認をし合って関係性か崩れかけていたところからのV字回復です!

檜垣造船株式会社「すべてはkintoneから始まった」

いよいよ最後です!
大トリは、檜垣造船株式会社 吉井さん、喜多さんです。
檜垣造船株式会社は、今治市に本社を置く造船会社。建造実績はなんと700隻以上!

しかしその実態は、ファイル、書類があふれる『超』がつくほどのアナログ企業だったと言います。

経営体制が一新されたのをきっかけに、IT化の機運が高まります。kintoneの導入はできたものの、何と不満続出!

不満を解消するために、独自マニュアルをなんと100冊作成しました。丁寧さを心掛けたとしても、なかなかできることではありません。それだけでなく、kintoneを使わないと業務が回らないように仕組みを変え、全員が利用できる環境を整えて行きました。

すると、最初は不便だという意見が多かったのですが、現場が便利さに気付き始めます!

そして、フェーズはデータ活用フェーズに進みます。

属人化していたクレーム対応は、kintoneに集約されることで、人に依存しない形で部門を越えて共有されるようになりました。

システム部門は属人化に対する対策として、IT管理者制度を導入します。これは各部門にシステム管理者を配置し、システム部門が企業内で伴走支援するという制度です。これにより自部門内での対応が迅速化し、作成したアプリを適切に見直すことができます。kintoneの浸透は、「もう絶対元に戻れん!」とまで言われるほどkintoneが浸透していきました。

するといつの間にかペーパーレス化は進み、在宅勤務も可能になりました。社員のマインドにも変化が生まれ、業務改善が定着したそうです。

怒涛のIT化の中で檜垣造船さんが感じた、業務改善に必要なものは、明確なビジョンと最適なシステム。そして、檜垣造船さんにとっての最適なシステムは、簡単に作れる、挑戦できるkintoneでした。

kintone hive2023中国・四国代表

kintone hive2023 中国四国地区代表は、
檜垣造船株式会社 吉井さん、喜多さん!

おめでとうございます!!!

おまけ①kintone hive松山 特別企画「kintone 大喜利!~2021 hive松山 その後~」

笑点のテーマとともに始まった大喜利。hive登壇された方の、その後のお話を聞ける機会はとても貴重です!

「登壇後の大きな変化は?」「これからkintoneで取り組んでみたいことは?」と、気になる質問に答えてくれました。

社内で利用が拡大したり、自分以外にもkintoneで引っ張ってくれる人が増えたりと、嬉しい変化が起きているようです。

これからhiveに挑戦したいと思っている皆さんへ、「データのデジタル化の第一歩を作る」「そのプロセスを話してほしい」とエールを頂いて大喜利の時間が楽しく過ぎていきました。

おわりに

私は、今回初めてhiveの現地イベントに参加しました。
それぞれの企業が様々な業務課題に向き合い、アプローチをしていく姿を見て「業務改善に向き合うこと」の大変さや苦悩、楽しさを感じることがでいました。

今回のhiveで特に印象に残ったのは、「現場に浸透させるための工夫」です。時間をかけ現場に辛抱強く向き合っていた、そんな事例が多くあると感じました。

私は業務改善を推進する立場にありますが、お客様の立場に立ってお客様がなにを欲しているのか、今後どうなっていきたいのかといったビジョンを汲み取れるよう勉強を続けていきたいと思います。

さて、次回のkintone hive 2023は7月6日(木)東京にて開催です。
お申し込みは下記URLからお願いいたします!

kintone hive 2023 東京が今年最後のhiveになります。
参加される方は是非お楽しみに!

当日のtwitterをまとめたtogetterも公開しています。ぜひこのnoteにまとめきれなかった発表内容にも注目してご覧ください。

おまけ②kintone hive2023過去レポート

各地で行われた、kintone hive2023の過去レポートも是非ご覧ください!

おまけ③ジョイゾー新人によるセミナーのご紹介

kintoneを使った対面開発の魅力をご紹介するセミナーを開催します。
開催日時:2023年6月26日 14:00~15:45

対面開発の様子をライブデモで皆様に初公開します。
今年入社した新人2人が企画から運営まで行うセミナーです。

システム39のデモはセミナーでは初公開!
対面開発の雰囲気を味わいたい方、対面開発のスピード感を感じてみたい方、是非お申し込みください。


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