【NEW ERAキャップ紹介⑤】つば裏の色について
ーーおしゃれは足元から、ならぬおしゃれはつば裏から。
今回はNew Era社のキャップのアンダーブリム=つば裏、について書きたいと思う。
ものすごくニッチな話となるが、じつはアンダーブリムの色にも理由と歴史が詰まっていたりするのである。
これを読んで、今後のキャップ選びの参考になれば幸いである。
最初のモデル
最初に1930年代~1980年ごろまでにNew Era社が手掛けていたキャップを確認してみる。
上記サイト先では過去、当時使用されていた試合用キャップ(New Era社以外のも含む)を画像付きで紹介している。
詳しくは実際にアクセスして確認していただきたいのだが、数点ある写真を見ると、1980年ごろまでのモデルはアンダーブリム=緑色であることが分かる。
また過去シーズンの優勝等を記念したパッチ入りの物や、復刻モデルのキャップなどもその時代を意識し、アンダーブリムは緑色である。
New Era社がMLB用キャップを手掛け始めた1930年代以降の多くは緑色がデフォルトであった。
これはいったい何故なのだろうか。
下記、アメリカ野球殿堂博物館のサイトによると、
(意訳)1980年代まではアンダーブリムを緑にすることによって芝の照り返しを抑え、選手の目への負担を少なくすると信じられていた。
とある。
確かに芝生と同じ色にすること、また単純に緑色=目にやさしい、という考え方は現代にもある気がする。
1980年代~ グレーのモデル
しかし時代が進むと
(意訳)フロリダ州立大学がグリーンよりもグレーの方が良いことを発見し、ニューエラは各チームにグレーに変更するオプションを与えた。
との話で、アンダーブリムがグレーの物が登場する。
そして参考元のサイトによると、MLBで最初にアンダーブリムをグレーに変更したのは「シンシナティ・レッズ」だったそうだ。
ちなみに、グレーの方が見やすい、という話は米国軍とも関連している。
こちらの「野球帽大図鑑(綱島理友 著、朝日新聞出版)」によると
とあり、複数の意味で「実戦」向けのカラーであった。
ということで1980年代ごろを再現または意識されたモデルでは、アンダーブリムがグレーの物が多い。
現在のモデル
最後に今現在、店頭や通販で購入できるオーソドックスなモデルを確認してみよう。
こちらは「オークランド・アスレチックス」の現在のOn Field(=試合用)キャップ。
確認するとお分かりの通り、つば裏は黒色。これは現在のMLB各チームでスタンダードとされている。
上記リンク先によると
(意訳)2007年、New Era社はウールから現在のポリエステル混紡に切り替え、キャップを実際のパフォーマンス素材に変えた。また研究により、黒色はボールプレーヤーの目から日光を防ぐのに最適であることが証明され、緑とグレーのアンダービル=つば裏が廃止。黒に変更された。
と書かれており、現在は黒色のアンダーブリムがデフォルトとなったのであった。
とはいえ
ここまでアンダーブリムの色の歴史についてご紹介した。
最初は緑色~グレーを経て、研究により黒色がふさわしい、という結果に落ち着いている。
ちなみに一部の店舗では、様々な色のアンダーブリムを採用しているケースもある。
前回のこちらの記事でもご紹介した「ミネソタ・ツインズ」のキャップ。
このキャップのアンダーブリムは水色となっている。
昔は野球帽=子どもがかぶる物、というイメージが濃かったが、近ごろはファッションアイテムとして認識されており、その為このような様々な工夫を凝らしたキャップが販売されている。
今後のキャップ選びの際には是非アンダーブリムの色も確認していただきたい。
最後までご覧いただきありがとうございました。
貴方に良いことがありますように。