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縁を紡いでいきたくて
私のペンネームである「縁(ゆかり)」は、本名とはまったく関係がない。
なぜ私がこのペンネームを付けたか。それは直前に縁と書いて「ゆかりちゃん」と読む女の子の話をネットの記事で見かけたから、というなんとも単純なものだ。
だけど、普段なら気にも留めないような情報を頭の片隅に入れていたのは、私が「縁」というものを信じているからなのだろう。
運命という言葉はあまり使わないけれど、「縁」はほんとうにあるんだと、ここ数年で強く思うようになった。
例えば、私が一生に一度は読むべきと思えるような本に出会ったこと。前に読書感想文の記事を書いた『西の魔女が死んだ』は、祖母が送ってくれなければ読むことはなかったかもしれなくて、読書好きにもならなかったかもしれない。
私が今の大学に入ったのだって、予備校で出会った先輩が素敵な人だったから。そんな先輩が太鼓判を押すならばと入学した大学で、私は今、最高に楽しいキャンパスライフを送っている。
そして同じ大学に入学してから知り合った友人が、実は海外の学校で半年だけ同じクラスだったと後に判明して、お互い驚いたこともある。九州に転校していた別の友人が、すぐ近くの大学に進学したり。
数年前海外でお世話になっていたお兄さんと同じ高校に、妹は春から進学する。まさか妹が彼の後輩になるなんて、あの頃は想像もしなかった。
こんな誰かとの小さな繋がりを、私は「縁」と呼んでいる。
今の自分がいるのは、何か・誰かとの素敵なご縁があったから。
このペンネームに決定する前に、「えん」と「ゆかり」の違いについて調べた。
「えん」は過去に出会った人たちと、これから出会う人たちの両方を指す言葉。対して「ゆかり」は過去に出会った人に限定されているそうだ。
でも、どちらも大切にしたい。そんな欲張りな気持ちが背中を押して、今のペンネームになった。
知らないところで私も、誰かの人生と交差しているのかもしれなくて。
それはとても、かけがえのないものだと思うのだ。
私のペンネームを人に呼ばれることはないかもしれない。でも、それでもいい。それでいい。
自分だけが呼ぶ名前というのも、悪くないでしょう?
名前に込めた思いは種として、私の中で育つだろう。いつかそれが芽吹いて、花となりますように、と願う。
これからも誰かとの縁を大切にしていこう。
それは時に、思いがけない出会いを呼ぶのだから。
ちなみに、表紙の写真は昼顔という花です。「縁」のほかに、「絆」「友達のよしみ」という花言葉もあります。
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