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マイ・フェイバリット・シングス~映画編~

 映画は、私にとって青春そのものであり、当時の私にとってはアイデンティティの一つだったといってもよい。文学と同時に、映画にどっぷりはまりこんだ私は、当時、早稲田大学付近にあったレンタルビデオ屋で、映画史をなぞるようにして作品を見ていったのを覚えている。

 さすが早稲田というだけあって、レンタルビデオ屋の映画のラインナップは、超がつくほどのマニアックである。このマニアックさを超えていたのは、当時ではTSUTAYA三軒茶屋店が有名であったが、地元のTSUTAYAや通常のレンタルビデオ屋ではとうてい扱わないような作品ばかりが取り扱われていた。

 私がどれだけ、映画に熱を入れていたかを述べると、卒論でまず『映画史100年』という内容のものを書いたくらいである。青山のシナリオセンターに通い、映画のシナリオについても学んでいた。(そこから小説を書くことへ転向したためシナリオは中途半端に断念することになったが・・)

 ちなみに、映画は作る方ではなく、観る方が専門であった。映画サークルも入ったような記憶があるが、すぐに辞めてしまった気がする・・

 それから、当時、もっとも尖っていた映画批評誌『カイエ・デュ・シネマ・ジャポン』の編集長であった梅本洋一先生の授業を二年間受け続けていた。

 梅本先生とは、授業終わりによく、映画や中上健次について、教室で煙草を吸いながら(苦笑)お話しすることができた。先生もお忙しいと思われたが、質問ばかりしてくる自分に付き合っていただいていたのだと思う。

 梅本先生により、イタリアン・ネオ・リアリズモや、フランスのヌーベル・ヴァーグという映画運動があることを知り、映画にも、美術や文学と同じように「映画史」というものがあることを知った。

 その「映画史」をもっとも意識していた、ジャン・リュック・ゴダールを知ることになる。ヒッチコックやハワードホークスのアメリカ作家主義の存在を知り、クリント・イーストウッドの魅力を知る。日本においては大島渚がいて、北野武がいて、黒沢清や青山真治という、当時は新鋭だった映画監督を知り、そしてシネ・フィルであもり、新鋭の小説家であった阿部和重の存在を知った。

 とまあ、映画監督に関することを書こうとするときりがなくなってしまうのだが、映画についても、今後、当時好きだった作品や作家についてなどを書いていきたいと思う。

 まずは初回ということで、こちらも2004年の頃に作成していたフェイバリット映画作家リストを列挙することで、少しづつ当時のことを思い出していきたいと思っている。

フェイバリット・映画作家リスト

ジョン・フォード
ハワード・ホークス
アルフレッド・ヒッチコック
ジャン・ルノワール
ルキノ・ヴィスコンティ
フェデリコ・フェリー二
サミュエル・フラー
ニコラス・レイ
ロバート・アルドルッチ
フリッツ・ラング
オーソン・ウェルズ
ジョン・カサヴェテス
ジム・ジャームッシュ
マーティン・スコセッシ
スタンリー・キューブリック
ロベルト・ロッセリーニ
ミケランジェロ・アントニオーニ
ピエロ・パオロ・パゾリーニ
ジャンリュック・ゴダール
アラン・レネ
フランソワ・トリュフォー
エリック・ロメール
ジャック・リベット
ジャック・ドワイヨン
クロード・シャブロル
フランソワ・オゾン
セドリック・カーン
アルノー・デプレシャン
オリビエ・アサイヤス
ストローブ=ユイレ
ペドロ・アルモドバル
ルイス・ブニェル
テオ・アンゲロプロス
オットー・プレミンジャー
ジャン・コクトー
ジョセフ・スタンバーグ
ヴィンセント・ミネリ
ウィリアム・ワイラー
ルイ・マル
マノエル・オリヴェイラ
アキ・カウリスマキ
アンドレイ・タルコフスキー
エイゼンシュテイン
アモス・ギタイ
サミラ・マフマルバフ
アッバス・キアロスタミ
ラースフォーン・トリアー
デビット・リンチ
デビット・クローネンバーグ
スティーブン・スピルバーグ
リチャード・フライシャー
ヴィム・ヴェンダース
ヴェルナルド・ヴェルトルッチ
クリント・イーストウッド
D・W・グリフィス
バスター・キートン
チャップリン
マルクス兄弟
ドン・シーゲル
フランク・キャプラ
ナンニ・モレッティ
ピエール・リモザン
サッシャ・ギトリ
カール・ドライヤー
ジョセフ・ロージー
ロバート・クレイマー
ロベール・ブレッソン
ロバート・アルトマン
アンヌマリー・ミエヴィル
ビリー・ワイルダー
F.V.ムルナウ
アレックス・コックス
テレンス・マリック
ジョセフ・L・マンキーウィッツ
ヴィクトル・シェーストレム
ティムバートン
ブライアンデパルマ
スティーブン・ソダーバーグ
クエンティン・タランティーノ
ペドロコスタ(ポルトガル)
フィリップ・ガレル
ジャン・ユスターシュ
ファスビンダー
ジャンビゴ
エドワードヤン
ホウシャオシェン
マイケル・チミノ
ジャン・コクトー
ファティ・アキン(トルコ系ドイツ人)
ウッディアレン
ジョンウー
フェルナンド・ディ・レオ
スタンリー・クァン
ウォンカーウェイ
ソフィア・コッポラ
フランシス・フォード・コッポラ
オットー・プレミンジャー
セルジオ・レオーネ
ロジャー・コーマン
ガス・ヴァン・サント
黒澤明
小津安二郎
溝口健二
大島渚
鈴木清順
黒澤清
青山真治
北野武
神代辰巳
吉田喜重
山中貞雄
成瀬巳喜男
若松孝二
徳永昌敬

 振り返ると、それなりの数の映画作家、作品を見ていたものだなと、自分でも感心してしまう。要は、それくらい、大学生活は暇だったのだ(笑)

 この中でも、もっとも影響を受けた作家を挙げるのであれば、ゴダール、イーストウッド、北野武ははずせないのだが、どこかでしっかりそのことについても書きたいと思う。


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