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宗教や信仰についての雑記 #124

◯「バイアスとは何か」を読んで②

今回も前回の続きです。

この本では認知バイアスは進化の過程で生存に有利であったために現在まで受け継がれてきたと述べられています。
例として、バイアスによって精神的にポジティブになって周囲の他者と積極的に関われるようになったり、素早く情報を処理して危険を回避できたりといっことなどを挙げています。

そしてまた、そもそも人間が行っていることは、周囲を客観的に正しく認識することではなく、自分にとって意味のある世界認識を構築することであるという考え方を述べています。
人間は自分の人生や活動に意味を見いだせないと死ぬほど悩んでしまいます。自分の存在に意味や価値を見いだせなければ、場合によってはうつ状態に陥ってしまいます。
ですから、バイアスとは自分や世界の存在について、意味のある認識を構築しようとする志向の表れなのかもしれないとも述べられています。

私は今まで、認知バイアスとは歪んだものの見方であって、悪いものだというネガティブな認識しかありませんでした。でふから、バイアスにもこのようなポジティブな面があるという考え方は、私にとって新たな発見でした。

ただそうであっても、バイアスが他者を傷つけることがあることを忘れてはならないでしょう。
それは、宗教が人生の意味や指針を与えてくれると同時に、諍いや争いの元ともなり得ることに似ています。
やはりそこにも、バランスと調和が必要なのでしょう。

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