マガジンのカバー画像

〈小説〉腐った祝祭

72
お話がとても長いので、一節ずつをここにまとめてみようと思います。 よろしくお願いします。
運営しているクリエイター

2024年1月の記事一覧

小説|腐った祝祭 第ニ章 14

 ギリヤ街で飲んでいると、約束をした訳でもないのにテラが傍に来ていた。 「やあ」 「どうし…

mitsuki
5か月前
2

小説|腐った祝祭 第ニ章 15

 その日はテラには出くわさなかった。  めずらしく話の合う者にも出会えず、一人で飲んでい…

mitsuki
5か月前
2

小説|腐った祝祭 第ニ章 16

 サトルはそれから少し眠った。  ほんの十五分程度だ。  物音がして目を開け、時計を見て、…

mitsuki
5か月前
4

小説|腐った祝祭 第ニ章 17

 睡眠時間が短かったにもかかわらず、サトルは翌朝7時には朝食の席についていた。  目の前に…

mitsuki
5か月前
3

小説|腐った祝祭 第ニ章 18

 公園は馬車通りに面して細長い形をしていて、すぐに通り抜けることができた。  ハリーラン…

mitsuki
5か月前
7

小説|腐った祝祭 第ニ章 19

 船賃を払って、岸辺へ降りた。  カレンはサトルの頬にキスをして言う。 「私、一人で帰れる…

mitsuki
5か月前
4

小説|腐った祝祭 第ニ章 20

 エイミーが笑顔で迎えてくれた。  サトルの顎のアザに慰めの言葉をかけてから言った。 「ミス・カレンがいなくなって、奥様もやっと普段の奥様に戻られたんです。私共、大使には感謝のしようがありません」  部屋に行ってよいと言われたが、サトルは応接室で待つと言った。  出してもらったローズティーを全部飲んでしまったところで、ベラが笑顔で現れた。  駆け寄り、サトルに抱きついた。 「よかった。もう来てくれないのかと思っていたの。カレンは元気にしてる?」 「ええ。来週帰ると言っています

小説|腐った祝祭 第ニ章 21

 朝食の席にカレンは平静の顔をしてついた。  カレンは、もしかしたら昨日、自分がまたおか…

mitsuki
5か月前
5

小説|腐った祝祭 第ニ章 22

 書斎の棚から鍵の束を取り出し、カレンの部屋へ行く。  鍵を開け、中へ入った。  カレンの…

mitsuki
5か月前
1

小説|腐った祝祭 第ニ章 23

 ナオミの部屋の鍵を開け中に入る。  カレンはサトルの手からするりと逃れると、キッチンへ…

mitsuki
5か月前
2

小説|腐った祝祭 第ニ章 24

 従業員が二人で運んできた、ピンク色の革に金の金具のトランクを見て、カレンは多少うんざり…

mitsuki
5か月前
5

小説|腐った祝祭 第ニ章 25

 サトルは真夜中に目を覚ました。  窓の外には月が出ていた。  寒くもなく、暑くもない。 …

mitsuki
5か月前
2

小説|腐った祝祭 第ニ章 26

 目を覚ますと、ベッドの近くに置いた椅子でクラウルがうたた寝をしていた。  サトルは体を…

mitsuki
5か月前
6