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【教員採用試験 個人面接対策】(場面指導編)実際の質問集とその回答例(音声付き)

教員採用試験個人面接対策の場面指導編です!


はじめに(場面指導の回答のポイント)

場面指導については、やはり実際の現場での経験がある受験者の方が有利です。
それは、感覚的に対応方法やその後のイメージが染み付いているからです。
あとはそれを適切に言語化していくことができるかという部分が肝となります。

ただ、まだ現場で実際に働いたことのない学生さんもいると思いますし、これまでに経験していない場面について質問される可能性もあります。

その場合について、以下の基本的な私の考え方をお伝えしておきます。
①まず相談者の保護者や生徒の心情に寄り添って、心を落ち着けてもらう。
②状況を把握するために保護者や生徒本人から情報を収集する。(時には周りの生徒から)
③保護者や生徒本人の要望をとりあえず聞く。(要望を実現するかどうかは置いておいて)
④その上で、教員ができること、できないことは明確にし、できないことはその旨を丁寧に伝える。
⑤生徒の安全や安心などを第一優先として動く。
⑥なるべく早く解決にむけて動くことを心がける。
⑦問題を自分一人で抱え込まずに、必ず報告、連絡、相談を学校で行う。
⑧相談者にも学校職員等で問題の共有をすることは知っておいてもらう。もちろん許可なく生徒等に口外しない。
⑨独断で断定しない。

以上のことは面接対策としてだけではなく、むしろ、現場で働く時に基本的な行動指針になるものだと思っています。
ぜひ、このことを理解して、あらゆる事例について考えてみてください。

以下、具体的な場面指導の質問と私なりの回答例です。

場面指導1:SNSにおける悪口

あなたが担任をつとめている生徒の保護者から「息子がSNSで悪口を書かれているようだ。解決してほしい。」と言われた。どのように対処するか。保護者に電話でどのように説明するか。

回答例
まず、保護者の方に「学年、学校できちんと対応して解決していきます」と伝えて、安心感を持っていただく。その上でどのような状況なのかを聞く。できれば、その悪口などの証拠となるものをスクリーンショットなどで撮っておいていただく。また生徒と電話がつながるのであれば、先ほどと同様「学年、学校できちんと対応して解決するからね」ということを伝えて少しでも安心感をもってもらえるようにする。また保護者の話を聞いた上で、早急に確認しておきたことは、その時に確認しておく。そして、それらの状況を学年、学校で解決にむけた協議をすることを伝える。また、早急に本人と直接会って話す機会を設定する。(学校もしくは家庭訪問)
その後、早急に学年や生徒指導部、管理職に報告連絡相談をし、協議していく。

場面指導2 デリケートな相談

あなたが担任をつとめている女子生徒から「誰にも言わないでほしいけど、女の子が好きかもしれない。どうしたらいいと思いますか」と言われた。どのように対処するか。その場で、その女子生徒にはなんといいますか。

回答例
まず、大切なことを相談してくれてありがとうと優しくお伝えして、安心感を持ってもらいます。その上で、何か困っていることや辛いことはありますかと聞きます。その上で、先生たちは相談者の今後にとって大切なことは、責任ある立場として、情報を学校職員で共有することがあるということを納得してもらえるように伝える。絶対に、生徒たちに許可なく口外しないことは伝える。もし、困っていることが具体的にあるのであれば、学校職員で今後の対応について協議する。

場面指導3 携帯電話問題

保護者から、「携帯を持たせた結果、勉強時間が減ったので、学校で預かってもらえないか」と電話があった。その後どう対応していくか。

回答例
まず、学校では携帯電話を預かれない旨を伝える。
その上で、現在の携帯電話の使用状況や弊害の状況について話を伺う。
また、本人にも携帯電話との付き合い方を聞くための機会を設定することを伝える。保護者や本人から状況を聞いた上で、適切なアドバイスを考えて伝える。
ルール作りやルールが守れたなかった時の適切な対応方法についても参考となるアイディアを伝える。本当にひどい場合は学校で保護者と生徒同席で、解約の話や一定期間ロックをかけるなども考えられる。

場面指導4 保護者同士の問題に発展した場合

生徒同士のトラブルにより、保護者同士で利害関係の問題が生じたとき、どのように対応するか。

回答例
まず、生徒同士のトラブルの詳細をしっかり把握する。その上で、保護者両者の言い分をしっかりと聞き取る。学年、学校で協議し、妥結点を見出せるのであれば、それを伝えて調整する。もし、解決が難しいようであれば、管理職を含めた複数人と両ご家庭で話し合う場を設ける可能性もある。(学校を通して両者のトラブルの話し合いだけをすると、学校側の聞き間違いや伝え間違いにも発展する可能性もあるため、それを回避するためにも必要な場合もある)

場面指導5 教員のイメージについて

教員はよく世間知らずと言われる。あなたはどう思うか。また、どのような対応をするか。

回答例
私は教師が世間知らずだとは思わないです。教師も社会人の一員であると思いますし、世間のことをどれだけ知っているかは個人によると思います。生徒との関わりだけでなく、保護者との関わり、学校以外の方々と関わる機会もあります。
もちろん、ビジネスマンのようにビジネスに関しては疎い部分はあるかもしれないですが、教師には教師が果たすべき職務があるので、そこに優劣はないと思います。ただ、明らかに非常識だと反省すべき点はきちんと受け止めて改善していくことは大切ですし、教師も学校外、教育外のことについて知っていく心がけは必要だと思っています。そのような旨をお伝えすると思います。

場面指導6 欠席の多い生徒

連続で学校を欠席している生徒がいた場合、どのような対応をするか。

回答例
欠席した日に必ず保護者とできれば本人から電話で状況を聞くのですが、一週間に3日以上、欠席していると重大な事態だと思っています。それがインフルエンザや風邪などの感染症であれば病院などの範疇だと思うのですが、そうでなければ学校生活などにおける悩みや問題が考えられます。保護者や本人から丁寧に話を聞きながら、学校においては周りの生徒から何気なく休んでいる生徒についての話を聞いたり、学年や教育相談などと協力しながら事態の把握や解決を図っていきます。

場面指導7 いじめと欠席

保護者から、いじめられているようなので学校を休ませる、と連絡があった。どのように対応するか。

回答例
まず、学校でそのいじめの解決にむけて動いていきたい旨を伝え、状況を把握したいので、話を聞かせてくださいとお願いをする。その上で、本人にも解決することを伝え、安心感を少しでも持ってもらうとともに、確認すべきことを確認する。本人と保護者に学校にきてもらって話ができればと伝え、もしできないのであれば、ご家庭に訪問する。また、いじめがあるのであれば、早急に動いていく必要あるので、管理職や生徒指導部、学年に報告、連絡、相談して解決にむけて早急に協議と行動をしていく。

場面指導8 宿題についての相談

保護者から「子どもの塾の宿題が多いから、学校の宿題を減らしてほしい」と相談された。どう対応するか。

回答例
まず現状把握をするために、保護者の方と生徒本人から様子を伺う。
もちろん、学校の宿題も重要だということを伝えた上で、塾の宿題を優先したのであれば、保護者と本人に確認をとった上で、学校の宿題に関してはその生徒に関してはある程度の配慮をする。もちろん、取り組むことが大切だということはしっかり伝える。

場面指導9 勤務時間外の電話

昼間に、夜の21時に保護者からあなたに電話をしたいと言われた場合、どのように対応を行うか。

回答例
夜遅くの電話対応は原則できない旨を伝える。その上で、なぜ夜21時なのかという理由を聞く。例えば仕事の関係などであれば、手紙等のやりとり方法でも可能であることを伝える。

場面指導10 授業中に突っ伏している生徒への対応

授業中に机に突っ伏してわからないと言っている生徒にどう対応するか。

回答例
まず、近くで声かけをして、改善されるのであればそれでいいのだが、それが続くようであれば、授業後や放課後に本人の困り感などを尋ねる。
その上で「授業が全くわからないのであれば」、その生徒がわかるような授業のネタや、その生徒ができる授業パーツを用意し、本人が参加しやすくする。時には褒める場面もつくる。
また、他の教員にもその生徒の授業の様子を聞き、その生徒が授業に参加できるような方法を模索していく。


最後に

以上になります。
回答する時には、私の基本的な考え方や行動を元に対応のイメージを言語化している感覚です。

ただ、場面指導の事例として質問されるものとしては上記の10個の事例に近いものが問われる可能性が高いと思いますので、暗記するのではなく、対応の背景や意図を理解しておくと、別の事例にも応用が効くと思います。

そして、回答する時には、本当に対応して解決にむけて動くと思って答えると想いも伝わって良いのではないかと個人的には考えています。

補足

今回紹介した回答や考え、対応方法は一つの例です。
現場で働くと、問題は非常に複雑であったり、複数の問題が関連している場合があります。
その状況に応じた適切な対応ができるように、学校職員で協力して解決にむけて行動していくことが大切です。



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