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2024/8/11のガッチャード

こないだの放送回が個人的にはとてもよかったので書き残しておきたいと思います。


仮面ライダーガッチャード 第48話「黄昏トワイライトにさよならを」

脚本:井上亜樹子 監督:田﨑竜太

ガエリヤによってキマイラに錬成されようとするりんねとアトロポス。その目の前で繰り広げられる2人の父親が撃ち合うロシアンルーレットというガエリヤによる罠。
グリオンの騙し討ちによって手の紋章を書き換えられたりんねとアトロポス。グリオンの目論見を阻止しようとりんねを倒そうとするガエリヤ。その攻撃からりんねを庇ったのは他でもない、アトロポスだった。

「どんなに辛くても自分の生き方は自分の心で決めなきゃいけないんだ!」

「なぜ?なぜ運命に抗おうとする?人はみな怒りや悲しみに支配されるもの。だから星に示された運命を受け入れ、心を捨てることが正しき進化なのです!かつての私はそうして人間を捨てた!」
そう問うガエリヤに対するりんねの答えは、九堂りんねというキャラクターを体現したセリフだった。「優等生ちゃん」「堅物」と呼ばれてきたりんねは、後に「私のルールは私で決める」と言うまでに自分の意思を大切にするキャラクターに成長していく。そしてガエリヤの攻撃からりんねを守ったのも他でもない、アトロポスの意思だった。

運命VS決断

嫌なこと、辛いことは人生でいくらでもある。
「神様は乗り越えられない試練しか与えないんだよ」という言葉は私は嫌いだ。「試練を乗り越える」という考え方自体に賛同しかねる。
人生における嫌なこと、辛いことは試練でもなんでもなくて、ただ単に自分にとって嫌で、辛いことなのだ。これが試練だとするならそこから逃げることだってできるはずなのだが、現実の多くの場面ではそこから逃げることはできない。だからこそ辛いのだ。目を背けることをしても、問題は無くならない。

「これは運命なんだ」と受け入れて、その状況に浸かったまま生きることだってできるかもしれない。しかしそれが最善の選択か?という問いは残る。

自分の生き方は自分の心で決める。

それは心を病んでいたり、迷いがある時こそ重要なことで、自分の人生を良い方向へ導くために必要な選択だと実感して生きてきた。運命からの脱却は自分自身の心でしか成し得ない。

「星の囁くままに運命に委ねるのが私のやり方です。」とガエリヤの台詞通りに生きるのも一つの人生かもしれないが、彼女のように「それが正しき進化」と他人にそれを強要することは誰にもできない。

「僕を助けにきてくれたんじゃ?」「まだわからないのかい?お前を愛したことなど…一度もない。」

このシーンで「グリオン!!!」と叫んだ視聴者は何人いるだろうか。私は叫んだぞ。
アトロポスの「お父さん」であるグリオンが仮初の「お父さん」でしかなかったことが明らかになった瞬間、アトロポスは気づく。ずっと欲しかったものは「お父さんからの愛情」ではなく「りんねちゃんみたいな友達」だったことに。

自分がした決断の先には何が待っているかはわからない

ガエリヤ「あなたの未来は読める。あなたの攻撃など当たるはずが…」

アトロポス「僕とりんねちゃんがこうして一つになることはガエリヤの読んだ運命の中にはなかったみたいだ。だから僕のことは予測できない。」

未来はどうなるかわからない。運命に身を委ねていれば人生はあまり変わらないかもしれないが、自分でそこから脱却すると決めた時、何がその先にあるかは誰にもわからない。物事はよくなるかもしれないし、悪くなるかもしれない。わからないのだ。
でも「自分が自分の未来を変えた」という事実だけは残る。
そしてそれが大事なのだ。

#テレビドラマ感想文 #テレビ #特撮 #仮面ライダー #ガッチャード

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