【詩】ゼンマイ仕掛けのザクロ
太陽と月が入れ替わり立ち替わりするように
期待と不安をコンクリートの上でジャグリングしてる
行き交う人々の群れ
なんて陳腐な言葉が
妙にしっくりと馴染んでしまうくらいには
都会という記号のノイズに肩までしっかりと浸かっている
袖触れ合うこともなく
ディスプレイと現実の2.5次元を行ったり来たり
ゼンマイ仕掛けのザクロの味は
孤独というにはあまりにも
寂しい
ザクロは人肉の味がすると言う
そんな甘美さと芳醇な香りを持って生まれてきたはずなのに
どこかゼンマイ仕掛けなザクロの僕たちは
あまりにも無機質で
体の中の歯車が
ticktackと精緻に時を刻むんだ
今日も、そしてきっと明日も、その先も
そんなディストピアな世界もどこかに美を感じるけれども
あまりにも寂しい
「悲しい」と表現してしまうには少し生々しさを感じてしまうほど
鉛のような無機質さの寂しさの方を感じるんだ
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