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07.星見と邂逅する夜

何かに、迷った。
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シリーズもの7曲目です。
明るくスローライフ感のある曲を目指しました。テーマは夜空の星と出会いです。シンプルにきれいに纏まったかなと思います。暖かく透明感のある雰囲気を楽しんで頂けると嬉しいです。
「星空の下、塔を昇ってきたのは白衣を羽織った真っ白な毛並みの狼頭の男だった。最上階のテラスに現れた彼はその手に山のように瓶を抱えていて、思わず目を疑った。…その瓶は僕が羽持達を弔った瓶そのもので、、彼はそれを何本も抱えていて、急な展開に僕はどのように動けば良いかわからなくなって思わず彼に視線が釘付けになる。
彼はテラスの真ん中で立ち止まると、一本一本瓶を床に円を書くようにに並べ始めた。一つ一つの瓶に触れるその手つきはとても丁寧で、慈しみさえ感じる。すべての瓶が並べ終わった後、彼は円の真ん中に腰を下ろすと、瓶を眺めたまま動かなくなってしまった。
星空の灯りに照らされて輝く瓶の真ん中で、座る彼の白い体毛も輝いて、まるで彼自身が星のように見えた。僕は思わずテラスに飛び降りると、"君は何をしているの?"と声をかける。美しく輝く彼は驚き、最初こそ警戒されたが話しているうちに少しずつ打ち解けてくれた。自分が作った存在と、初めて心を通わせられた気がして、僕は嬉しくて、気が付くと涙がこぼれていた。」

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