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06,イレスポンシブルチルドレン

何かに、迷った。
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シリーズもの6曲目です。
子供の予想できない動きと少し不気味な人形をテーマがです。
変拍子の曲に憧れて書いた曲でした。
カチャカチャとうるさいパーカスと、リズムを崩してくるメロディが自分の思う子供らしさ…なのかなぁ。
以下この曲の物語。
「道の真ん中に小さな木製の家があった。
それは子供が遊ぶおもちゃのお家。
建てられたというよりは、遊ぶために誰かが置いたオママゴトの家。
近づくと中からコトコト音がする。
おもちゃの家の窓から、中で遊ぶ子供の影が見えた。
鍋を持ち料理をする子、椅子に座りカップを手に持ち机の上の紙を眺める子、机にお皿を並べる子。
どの子も思い思いに手を動かし、一生懸命に家族を演じている。
思わずその微笑ましさにしばらく眺めていると、子供たちの姿に少し違和感があることに気が付いた。
家の中に光源がない為か顔は影になってよく見えないが、微かに覗く手や首などに違和感がある。
光沢があるのだ。
服からはみ出る素肌であるはずの部分は、まるで金属のように輝いている。
思わず凝視していると子供たちの動きが一斉に止まった。
子供たちの顔がこちらを向く。
向きが変わったお陰で一部の子供の影が晴れ、見えなかった部分が見える。
顔はなかった。
子供たちに見えたそれらは、人型の鉄塊。
そうとしか形容できなかった。
鈍色の凸凹とした頭部は、荒く削られた岩の様だ。
まるで作りの荒いマネキンのような子供たちは鍋や瓶を手に無邪気にこちらに駆けてきた。」

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