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07,貴方の為のドミキリウム

何かに、迷った。
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シリーズもの7曲目です。
キャッチーな曲を目指しました。結果いつも通りの曲になりました。ちょっと不気味で、それでいて切なくなるような曲を目指しました。
以下この曲の物語。
「おや、貴方が部屋を出ているなんて珍しい…、何処かへ向かわれているのですか。私は変わらず此処に訪れる人達の話を楽しく聞いて回っております。
どうも昔から好奇心を抑えられないものでして…。丁度あなたにも話を聞いてみたい事があったのですよ。
貴方もご存じの通り、私は此処に来た日から色々な人へ様々な話を聞いているのです。"此処"へ何をしに来たのか、どのようにして"此処"へやってきたのか、"此処"に来るまでに何か見たか。…今の私の興味は"此処"に向いているのですよ。
それで話を聞いていくうちに、いくつか気になる点が出てきました。
一つ、皆此処へは願いを叶えにやってきたと言いますが、私が今まで見てきたこの城を去る方の中に何かを得たと言って去った人を見た事がありません。去る方は"もう振り返らない"だとか"今度こそは大丈夫"だとか、どちらかというと過去のしがらみから解放されたような事を言う人ばかりでした。
一つ、此処辿り着くまでの記憶を持っている方に私は会ったことがありません。皆気が付くとこの建物の前にいたらしいです。…でも皆自分の足で此処に来たって必ず言うんですよね。
一つ、この建物の外観。皆が話すこの建物の外観が誰も一致しないんです。古い古城のようだと言う人もいれば病院のように見えたと言う人もいて…私にはかつてお仕えしていた方の屋敷に見えました。皆同じ建物の中にいるはずなのに皆が語る建物の外観が全然違うんです。
此処は一体何なのでしょうか。そして貴方は一体誰なのでしょうか。…何故かはわかりませんが、初めて会った時から懐かしさのようなものを強く感じるのです。」

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