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05,木製のシンヴォレオ

何かに、迷った。
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シリーズもの5曲目です。
物語が動き出したようなワクワク感をイメージして書きました。出だしのアコギっぽい音が、これから何か重要な話が始まる感出せている…気がします。
以下この曲の物語。
「おぉ、あんたから声をかけてくるなんて珍しいじゃないか。
…聞きたい事?あぁ!あの卑屈な男の話だな。確かに彼はうちの常連だ。頻繁に顔を出してくれてたから覚えているよ。まぁ、目的は料理じゃなくてうちの店員だろうがな。…目を見りゃわかるさ。口でいくら誤魔化したって、あの獲物を狙うような眼はごまかせねぇよ。
うちの店か?…店を閉めたのはあんたの言う通り、食材が手に入らなくなったからだ。材料が無けりゃ料理なんて作れないんでね。店を畳んだ後は土地を売って得た金で何とか今の今まで生きてきたよ。
青年のお目当てのアイツが姿を眩ませたのも確かうちの店を閉めたときだったな。…なんだ、そこは知らないのかい。アイツは俺が閉めると伝えた後、急に姿を消したんだ。誰も行方を知らない。
…心当たりが全くないわけじゃないがな。食事処みたな人が集まる店をやってると自然と噂も集まってくるのさ。
最近俺たちの町では人攫いの話が広まっていてな。なんでも森に入った女子供が次々に姿を消してるんだそうだ。最初は小さな少年が。次いで街の娼婦共が。
役人共はどこかにいる犯人を必死に探しているようだが、見つかるわけもない。
…いいか、俺が聞いた噂はこうだ。人攫いは確かにいるだろうよ。ただしそれは街の中だけ探しても見つかるわけがない。やつらは各地を転々としているからな。
続きが知りたけりゃ、いい加減俺の願いも叶えてくれよ。」

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