【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第3話
第3話 イヌクマ、空を飛ぶ
森、といっても、風変わりな森だった。
見たことのない木には、見たことのない実がなっていた。
波打つようなヘンテコな枝ぶりの木には、誰かの足を引っかけるためにあるのではないかと思うほど地上に浮き上がっている根。ハート型の大きな葉の木には、女子受けしそうな黄色とピンクのマーブル模様の果物がぶら下がる。さほど木々が密集していない陽の当たる場所で、意味不明に白く発光するキノコたち。
キノコ、ルームライトになりそうだな、などと陽菜はぼんやり考えてい