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「キャッツ」が、わたしの好きな映画や音楽の原点のひとつかもしれない


乃湖さんのこの記事を読んで、「うわー!キャッツだ!^^」となったのは、きっと私だけじゃないはずだ。

そのくらい、魅力の詰まった劇団四季のミュージカル「キャッツ」

私が中学生のころ、人生で初めて観た「ミュージカル」である。


母は音楽をはじめ芸術が好きなひとで、私をよくコンサートや舞台に連れて行ってくれた。

もう20年前のことになるが、会場入りした時の光景は今でも覚えている。

ご存知のとおり「キャッツ」は、ゴミ捨て場に集まる猫たちの物語。
会場は客席までもがゴミの山になっており、よく見るとご当地らしいゴミも混ざっている。

私は広島会場だったため、たしかカープのグッズがちらほらあったはずだ。
淡白なお年頃の中学生だった私も、このような独特の会場に、「これは、おもしろそうなことが始まりそうだぞ」と期待に胸を膨らませた。


いよいよ、開幕。
静かな舞台で、音楽が鳴り始め、たくさんの猫たちがあらわれ踊り出す。

「キャッツ」は、ゴミ捨て場に集うジェリクルキャッツたちが、天上に昇ることを許される、最も純粋な猫を選ぶ舞踏会で舞い踊る物語。
個性豊かな猫たちが、われこそはとひたすら歌って踊る「だけ」なのが、この「キャッツ」の魅力だ。


詳しいストーリーや魅力については、上記の乃湖さんの記事が十二分に語ってくださっているので、そちらにお任せする。

この記事は、あくまで中学生だった私が「キャッツ」とどう出会って、どう好きになったかを書いただけの、思い出語りである。



さて。
次々と登場する猫たちに度肝を抜かれ、大迫力のダンスと音楽に夢中になった私は、物語終盤、有名な歌「メモリー」のシーンで大号泣した。

隣で母も泣いていて、それがまた中学生のわたしには、気恥ずかしいような安心したような複雑な気持ちになったのを覚えている。

人生初のスタンディングオベーションも経験。
生の「感動」を浴びたこの日の出来事は、中学生にはなかなかの衝撃で。
私はすっかり「キャッツ」の虜となった。



翌日から、早速買ったばかりのサントラをMDに落とし、ウォークマンで聴きながら登校した。

みんなが、流行りの「ORANGERANGE」とか「175R」とかを聴いているなか、私は猫たちの踊る様を思い出しながら、彼らの歌を聴きまくった。

いちど、友達に「何聴いてるん?」と勝手にイヤホンを引っ張られて、「キャッツ」と答えたときの、あの友達の「はあ?」みたいな顔が忘れられない。


当時、「YouTube」は存在しなかったので、映像を繰り返し観ることはできない。
(家にはかろうじて母が手に入れた英語版「キャッツ」の舞台映像ビデオがあったが、内容が少し違っていた。)

私は、公演パンフレットを母から譲り受け、それをひたすら眺め、読み込み、時には絵に描いて、「キャッツ」の世界を取り込んでいった。

聴きすぎて、公演の最初から最後まで、歌もセリフもほぼ丸暗記。
なんと、20年たった今でも、歌を口ずさむことができるのだから、中学生の記憶力と熱意はすさまじい。

ここで、英語版「キャッツ」から、英語にもハマッておけば。
今頃抜群の英会話能力を備えていたかもしれないとおもうと、惜しいことをしたと思わずにはいられない。


なぜか家にあった、この英語版「キャッツ」の舞台映像ビデオ。
どこの何かまったく思い出せないのだが、繰り返し観なかった原因は、いちばん好きな歌が入っていなかったことだった。

私が「キャッツ」で一番好きなのは、鉄道を愛する猫「スキンブルシャンクス」。
公演では、猫たちが歌いながらゴミを集め、大きな汽車をつくりあげるシーンが大好きだった!



舞台を観たのは20年も前なのに、感動が思い出せるほどの「キャッツ」は、ほんとうにパワーがある。

中学生に私は、ここから「ミュージカル」や「演劇」に興味を持つようになったし、ミュージカル映画や音楽も好きになっていった。

残念ながら、有名な舞台をどんどん観に行ける環境になかったので、ビデオやDVDで観たり、高校演劇をやったり、ミュージカル映画や音楽について母と語り合ったりして、あれこれ楽しんだ。

ほかにも、大学生になって、初めて「宝塚歌劇団」を観に行ったこと。
「レ・ミゼラブル」や「グレイテスト・ショーマン」など、歌って踊る映画が大好きになったことなど。

今思えば、どれもこれも、中学生の時に出会った「キャッツ」がはじまりだったといえるだろう。


私の「好き」の原点のひとつと言えるミュージカル「キャッツ」。
今度は、私が子どもたちを連れて、猫たちの舞踏会に足を運びたい。

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