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いやな「夫婦喧嘩」をしなくてすむように。


「夫婦喧嘩の後は?」というテーマを見て、真っ先に思い浮かんだのは、両親の喧嘩だった。



中学2年の頃、両親の関係が最悪で。
何度か私たち子どもの前でも、激しい言い合いが繰り広げられた。


ずっと我慢してきた母VS言葉足らずの父。

どっちが悪いとか、原因は何だったのかとか、それは本人たちのあいだのことなので、当時も今もよく分からない。

でも、この両親の喧嘩は、わたしの心身に大いに支障をきたした。


優等生だったはずのわたしは、いかにもな感じでグレて、素行が悪くなった。
勉強に身が入らなくなって、保健室でサボり、反抗的な態度をとって、怒られた。

ひどかった。
あれはたぶん、私のSOSだった。



両親の喧嘩は、だいたい夕飯の食卓で始まる。
ささいな一言に母がキレたり、父が怒って出て行ったりするのだ。

当時小さかった弟と妹は、どれくらいこのことを覚えているんだろう。
わたしは泣きながら2階に逃げようとして、母に腕を掴まれたときのことが忘れられない。




正直、勘弁してほしかった。
二人でやってくれよ、と思っていた。
まだ小さかった弟と妹が、かわいそうでならなかった。

だから両親の喧嘩のあとは、よく弟と妹を自室に呼んで、話し合いをした。
単純に二人の身を守らなければと思ったのもあるし、彼らに「わたしは味方だよ」と伝えたかった。


もし二人が離婚したら、どっちについていく?
今から3人で家出したら、どうなるかな。

泣きながら、できもしないことを漏らす姉を、二人はどう感じたんだろう。
あとになって聞くと、わたしの存在は一応二人の心の支えになっていたようで、それだけでも心が救れる気分だった。


こんな思い出のせいで、わたしの「夫婦喧嘩」のイメージはあの頃の両親だ。
そして、「夫婦喧嘩のあと」と言われれば、弟と妹と身を潜めたあの日の自室が思い出される。

子どもの前で、喧嘩はよくない。
心底それを、痛感している。



だからなのか、わたしは夫と「夫婦喧嘩」をしたことがない。

ちょっと険悪な雰囲気になったことはある。
でも、罵り合いなんて絶対にしないし、お互いにキレたことだってない。
それは、付き合っていた時からずっとそうなので、10年以上「喧嘩らしい喧嘩」はない。

それはひとえに、おだやかで辛抱強い夫のおかげであり、そんな夫にすら本音を言えなかった臆病な私の性格のせいでもある。

それでもやっぱり、どうしても言いたいことがあって、イライラしたりする日はやってくる。
そういうとき、わたしは事前に3つの「作戦」を実行する。


(1)「事前にノートに書き出す」作戦

わたしは感情的になりやすいので、それを丸ごとぶつけないよう、言いたいことは先にノートにぶちまけておく。

イライラをぶつけるのが嫌というより、泣いてしまったり、我慢してしまったりして、上手く言えなくなるのが怖いのだ。
イライラした気持ちをそのままぶつけたときの、自己嫌悪対策でもある。

わたしの心を守るために、わたしはなるべく冷静でいたい。


(2)「フォローアイテム」作戦

自分へのスイーツ、相手へのおやつなど、喧嘩前後のフォロ―アイテムも忘れずに。

昔どこかで、「美味しいものをシェアしながらだと、ひどい喧嘩にならない」みたいな話をどこかで読んだので、それ以降言いたいことがあるときは、シェアできるスイーツを買っておく。

仮に険悪になったあとでも、「まあ、この話は終わりにして、ケーキでもどうや」と言えば、夫も、「コーヒー淹れようか?」と乗ってくれる。
そうなれば、一件落着。
おいしいものは、夫婦を救う。


(3)「事前に申し上げる」作戦

「これから言いたいことをぶちまけますけど、怒っているわけじゃないよ」と事前に伝えてから、喋り出す作戦もよくする。
時と場合によっては、夫を追い詰めがちなのだが、こちらもなりふりかまっていられないときに発動する。

「怒ってないって言うてだけど、怒ってるやん」と言われたこともある。
そんなときは、「ごめん、言い方よくなかったね」と素直に謝る。
でも、「いいから黙って聞いてろ」と凄みたくなるときもある。



結局「夫婦喧嘩」って、何か言いたいことや話し合いたいことがあるから起きるんじゃないだろうか。
少なくとも、我が家ではそうだ。


それを我慢するから、大爆発して喧嘩になる。
うちの両親みたいに。


そうなりたくない。
子どもの前で、大爆発はしたくない。
だからそれを夫にも共有している。
目指す方向は、いっしょにしておく。

話し合う。
聞いてもらう。
受け入れる。
謝る。
ケーキ食べる。


うちの「夫婦喧嘩」は、並べてみればせいぜいこんなもんだ。


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この記事は、珈琲次郎さんのはじめられた企画「#仲良し夫婦サークル」の第一回テーマ「夫婦ゲンカの後は?」に沿って書いたものである。


ちょっとテーマからずれてしまっているかな。
最初に思いついたのがこの内容だったので、今回はご容赦ください。

あったかいタグがすてきですよね。
企画、応援したいです。

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