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PALLET 第三話

第三話「いってきます」 〇『アンファング シュタット』キリコ丘 頂上 シャクの赤色の刻印が光り始める。 アン「なんだ、あいつの体…」 ブラン「何が起きてるの…?」 エリナの声「まったく、禁忌を犯しているのはどっちかしら」 アンとブラン、振り返る。全裸でボロボロの状態のエリナ。二人とも目を逸らす。 ブラン「エリナさん!!服着てください!!」 エリナ「服?あぁ、そういえばあいつに切られたんだった」 アン「そんなこと、忘れないで下さい!!」 戦闘服を描き、具現化

    • PALLET 第二話

      第二話「あなたの色を染めさせて」 〇アートショップ『デン』・店内 ブラン、瓶の方を向く。 ブラン「お前なら助けられるか!?」 純黒『随分と偉そうだな。それが助けてもらおうとする言い方か?』 ブラン、唇を噛む。頭を下げるブラン。 ブラン「助けてくれませんか、純黒様…」 嘲笑う純黒。 純黒『傑作だな!!純白の継色者を辱しめさせるのは!!』 息を吐く純黒。 純黒『答えはノーだ。お前が純白である以上お前の潜在色を喰って潜在色になれなんだからな』 泣き始めるブラン

      • 「PALLET」第一話

        あらすじ  人々は生まれつき色を持つ。それを潜在色と呼ぶ。潜在色は赤・橙・黄・青・紫・白・黒の7種類と言われている。世界は潜在色を中心に考えるようになり、非常色を用いてバルドルに評価された絵を描くことで取引を行い、戦闘色を用いてバルドルに評価された絵で戦うようになった。バルドルに評価されないブランは、店主デンより息子アンに外の世界を教えて欲しいと頼まれる。潜在色が純白のブラン、潜在色が無色のアン。二人に共通するのはバルドルに評価されない。二人は自らの存在価値のため、理想の世界

        • ロスタイムチルドレン 第三話

          第三話『来襲』 〇終斎場『パノプティコン』医務室 ロンヴィの病室(朝) T「来襲まで後1日」 ロンヴィ、目を覚ます。部屋の壁時計を見る。 ロンヴィ「もう、朝なのか…」 ロンヴィ、体を起こす。 ロンヴィ「(呟くように)私のせい…」 ロンヴィM「何で命を狙われなきゃならないんだ…ロスタイムチルドレンに選ばれたから…?それとも…」 ロンヴィ、吐き気を催しベッド横の洗面器に顔を埋め嘔吐。 ロンヴィ「後1年で死ぬのに…何でこんな思いをしなきゃならない!!」 ロンヴィ

        PALLET 第三話

          ロスタイムチルドレン 第二話

          第二話『粛清』 〇終斎場『パノプティコン』 会食の間(朝) T「来襲まで後3日」 ハンク、一人でステーキを食べる。眠たい顔をしたサヴァーノ、隣に座る。 ハンク「珍しいわね。あんたが人と一緒に食事するなんて」 サヴァーノ「そう?いつも食べる時にみんなが居ないだけじゃん」 ハンク「あんたが、いつまでも食べないからじゃない…一体いつ朝を食べてるのよ?」 サヴァーノ、考え込む。 サヴァーノ「13時かな」 ハンク、呆れる。 ハンク「それってお昼って言うんだけど…朝ご

          ロスタイムチルドレン 第二話

          ロスタイムチルドレン 第一話

          あらすじ  自然神を宿している『器』の中に自然エネルギーを閉じ込めることに成功し、人類は自然の恐怖を克服することが出来た。人類は自然神を宿している『器』の対象者を【ロスタイムチルドレン】と呼んだ。ある時【ロスタイムチルドレン】が敵の罠により新型のウィルスに感染。バンドルドゥ総統は【継承式】を執り行うことを決めた。同時にウィルスの感染拡大を防ぐために【ロスタイムチルドレン】の居る【パノプティコン】を潰すことを決めた。【継承式】を取り仕切るオードンは総統の考えに納得できず【継承式

          ロスタイムチルドレン 第一話