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知覚制御理論と精神療法の関係性とは?

知覚制御理論という言葉をメンタルヘルスケアアプリの論文を読んでいて、これは何だと思い、この論文を読んで見る。

心理的苦痛、治療の変化、および回復の統合的なメカニズムの説明:知覚制御理論のアプローチ
An integrative mechanistic account of psychological distress, therapeutic change and recovery: The perceptual control theory approach

この論文によると、知覚制御理論というのは近くのフィードバックシステムのことを指すという。

ちなみにわかりやすいフィードバックシステムでは、エアコンの空調などがある。エアコンでは設定した温度より高くなったり低くなったりすると、作動したり止まったりして、設定温度に保とうと働く。

人間の心理的フィードバックシステムでも同じような仕組みがある。安心して生活したいと思っている人は、ある一定の基準が満たされるまで働く。しかし、そこが満たされるとそれ以上働こうとする意欲が低下する。

このように人間では上位の欲求を満たそうとして下位の行動を調整するが、これが知覚制御理論と呼ばれるものである。

しかしながら、この方法がうまくいかない場合もある。例としては下の図に示すような下位レベルの行動が互いに矛盾するような場合である。

このような場合には人間はストレスを感じる。そして、この制御システムの形を変えて(目標資産額を5000万円に変える、金融資産1億円を最上位の欲求にする、残業時間を許せる範囲で増やす、など)対応しようとする。

そして精神疾患というのはこの対応がうまく行っていない状態なので、精神療法的アプローチ(認知行動療法やアクセプタンスアンドコミットメントセラピー)ではこの調整を助けている、ということが論じられている。

Q: これを使った介入方法でなにかいいものがあるか?

明日目を通す論文:
統合的枠組みとしての知覚制御理論と認知療法としてのレベルの方法:長所と短所は何ですか?
Perceptual Control Theory as an integrative framework and Method of Levels as a cognitive therapy: what are the pros and cons?




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